公式フリーペーパー『EVA-EXTRA』

上映時期の延期もあり、公開までファンをやきもきさせた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』だが、そのプロモーションにおける大きなトピックが、公開前の2009年4月から毎月配布された公式フリーペーパー『EVA-EXTRA』だ。制作スタジオであるカラー自らが編集し、公式の最新情報を盛り込んだ冊子を、無料で配布するというこの企画は、『ヱヴァ』の情報コントロールの難しさから考え出されたものだった。

『ヱヴァ』のように、公開可能な情報が極めて限られる作品の場合、雑誌などの記事にはどこかに予断や予測を交えて書かざるを得なくなってくる。その結果として、せっかくライターに書いてもらった記事も、メーカーチェックの段階で大きな手直しが必要となるケースが起こりえる。「だったらこの労力で、公式なメッセージを直接お客さんに届けてしまおうということです」。カラー自身で編集するのであれば、当然表紙は『ヱヴァ』であり、なにを書いてもどういう体裁でも、リスクはカラーが負う形で行える。かくして『EVA-EXTRA』が編集、配布されることになった。

『EVA-EXTRA』のもうひとつの大きな利点は、事件性の高さだ。一部の店舗と都内の各所で突発的に配布された、自主制作のフリーペーパー。まさにアジビラだが、このゲリラ的手法が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』という予測不可能な作品を盛り立てる手法として、極めて効果的に働いたのは言うまでもない。「一種のお祭りに参加する感覚をファンに楽しんで欲しかった」とスタッフが振り返るように、独自のハプニング性とお祭り感に満ちたプロモーションが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』への期待を大きく盛り上げていった。……次ページへ続く

『EVA-EXTRA』第1号~第3号までの表紙イメージ

過去記事で振り返る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 - その4

●公式フリーペーパー「EVA-EXTRA」
制作スタジオのカラーが自ら編集・発光した公式フリーペーパー「EVA-EXTRA」。前売り券の発売に合わせた配布やコスプレイヤーを使った配布イベントなどでも話題となったが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場した新キャラクター・真希波・マリ・イラストリアスのボイスキャストを坂本真綾が担当することや、テーマソングを『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』に続いて、宇多田ヒカルが担当することなど、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の最新情報も、「EVA-EXTRA」によって知らされることになる。

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