最終的に決定できるのは庵野さんだけ
『新劇場版』がそこまで思い切った独自の方策が取れるのはなぜなのか? それはカラー自体がまず『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を作るための組織として存在し、自ら配給を行っているところが大きい。カラーの資金で製作を行い、最終的に何館で公開するかというところまで庵野総監督が決定する。『アバター』を手がけたジェームズ・キャメロンのように、自らプロデューサーも兼任するハリウッドのメジャー監督ならともかく、日本の劇場用アニメにおいて、総監督が公開規模まで決定する作品というのはやはり異例だ。「やっぱり庵野さんだけです。『ヱヴァ』そのものに関与できるのは」。スタッフは口を揃えてはっきりそう断言する。あくまでも極端な例だが、もし仮に庵野総監督が第3部となる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の制作中止を決めた場合、庵野総監督の手を離れたスタッフ編成で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が制作されるようなことは、絶対にあり得ないという。
自らの資金で制作し、自らの資金で配給まで行う、いわば日本中を巻き込んだ壮大な自主制作映画。学生時代から自主制作映画に取り組んだ、庵野総監督らしい手法であり、それと同時に『ヱヴァ』ほどの強力なコンテンツでなければ不可能な手法といえる。とはいえ「自分で作って、自分で売る」という原点に立ち返った手法が大きな成功を収めていることは、作品をいかにして収益に変換するかが複雑化している昨今、貴重な一例と言えるだろう。……次ページへ続く
過去記事で振り返る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 - その6
●各地でさまざまなイベントを展開
公開初日から新宿開催されたイベント「第3新歌舞伎町宣言」をはじめ、さまざまなイベントが各地で展開。クリエイター陣によるトークイベントやBlu-ray&DVDの発売を記念した箱根イベントなど、通常のアニメとは一風異なるイベントも多数行われた。
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