ねぎま式で弱点をつぶす

――ほかに、○☆印を役立てていることはありますか?

☆印の部分はブログや日記のネタになりますし、私の場合は次に出す本の企画のもとになります。

ビジネスの場で上司や仲間に何かを説明するときは○だけ見て話せばいいですし、もし会議で議事録を作れと言われても、自分のメモをコピーして○印だけ切り貼りすればできあがります。講演のメモならば簡単に要約が完成します。

パソコンでも同様なことができるのでしょうが、手作業のほうが進むことも意外と多いのです。複雑な操作に四苦八苦するよりは、実物を切り貼りするほうが楽ですし、全体像をつかみやすい。アナログの強みはまだまだ通用すると思います。

☆印には自分が疑問に思ったことや知らなかったことが表れているので、辞書やウェブで調べるときにも☆だけをチェックします。この繰り返しで自分の弱点をつぶすことができるんですね。「わからないけどまあいいや」と放置すると、成長の機会を逃してしまいます。

弱点や文章力のなさを目の当たりにするのは嫌なものですが、自分を知ることができるかけがえのない体験とも言い換えられます。自分は何を考えているのかをいきなり文章にすることは、プロでも難しいものです。

人間には自分と向き合うことが必要ですし、だからこそ自分の意見が生まれてくるのです。そういう意味ではねぎま式メモは自分ひとりのものですね。少し暗いイメージになるかもしれませんが(笑)

――ねぎま式メモのトレーニングに適した場面はありますか?

会議は自分が話さないときが多いですから、まずはそこからメモをとる練習をしてほしいと思います。

そこで作ったものをメーリングリストで送ればみんなに喜ばれますし、自分も内容をより深く理解することができます。それに会議はオフィシャルな発言とみなされますので、「あのときこう言いましたよね」と言質もとれます(笑)

また、相手の発言や企画に反対するときにも、まずメモを書くと気持ちが落ち着いて冷静になれますし、自分がなぜ反対するのかを明確にしたうえで発言すれば相手を説得することにもつながります。あらゆる場面でメモを書き、「なぜ」「どうして」と自分に問いかけていくことで、さまざまなシーンに応用できる思考力が身につくと思います。


次回は、「アウトプットの癖づけ」についてうかがいます(毎週木曜日更新)。

INTERVIEWER PROFILE : 早川洋平 / KIQTAS(キクタス)
中国新聞社記者、全国紙系編集プロダクションのライターを経て入社した企画会社で2008年、良書の著者へのインタビュー音声を無料で配信するポッドキャスト番組「人生を変える 一冊」をスタート。配信後2カ月でiTunes store podcastビジネスランキングで21日間連続1位を獲得、月間20万DLの人気番組に成長する。独立起業した現在は、インタビューやライティングに加え、ポッドキャストを軸にしたコンサルティング、コンテンツプロデュースなどを行っている。 KIQTAS(キクタス)ウェブサイトはこちら早川洋平ブログはこちら