1月9日、東京・新宿の新宿ロフトプラスワンにて、トークイベント「日本オタク大賞2009」が行われた。アニメ、ゲーム、マンガ、ホビー、特撮など、各部門の識者が集まり、オタク的事象を1年間まとめて振り返る日本オタク大賞は、2001年からスタートし、今年で9回目。

年末年始恒例の放談イベント「日本オタク大賞」が2010年も開催! 00年代最後の年となる2009年のオタクネタを、傑作から珍作まで一挙に振り返った

2009年を振り返る今回の日本オタク大賞は、壇上の審査員が「2009年は豊作」「まるで惑星直列」と口々に評するように、大作や話題作が出揃い、いつも以上の盛り上がりを見せた。一例を挙げただけでも、アニメからは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、『劇場版マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~』、『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』。特撮からは『仮面ライダーディケイド』、『侍戦隊シンケンジャー』、『仮面ライダーW』、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』。ゲームからは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』、『NewスーパーマリオブラザーズWii』、『ファイナルファンタジーXIII』など、オタク史に残る人気シリーズの最新タイトルの公開や発売が一挙に行われ、これに多数の新規タイトルや話題を交えて、最終的に大賞候補が9つに絞られた。

左より審査員を務めたアニメ評論家の藤津亮太氏、フィギュア原型師の東海村原八氏、アニメ・ゲームライターの志田英邦氏

同じく左よりアニメライターの前田久氏、映画ライターの奈良崎コロスケ氏、マンガ原作者の鶴岡法斎氏

9つの大賞候補を列挙すると、実写映画とテレビアニメの両媒体でリメイクされた『ヤッターマン』、興収40億円という大ヒットを記録したアニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、女子高生ガールズバンドの日常を描き、バンドブームを再燃させたアニメ『けいおん!』、平成仮面ライダーシリーズの10作目として新旧ファンを興奮させた特撮ドラマ『仮面ライダーディケイド』、1994年の制作発表以来じつに15年越しでの公開となったアニメ映画『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』、『機動戦士ガンダム』の放映30周年を記念してお台場に建てられた、全高約18メートルの「1/1ガンダム」、ニンテンドーDSのタッチ&マイク&内蔵時計機能をフルに活用した恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス』、原稿紛失事件の顛末を自らドキュメントマンガにまとめたマンガ家の西島大介氏、競技かるたの世界を描いた末次由紀氏の少女マンガ『ちはやふる』となっている。

「アバター」「マイケル・ジャクソン」「twitter」など、一般層にも親しみやすいライトな話題も。それでもやっぱり濃いネタにしてしまうのが日本オタク大賞流?

審査員票に加算される会場票は、お客さんの挙手を直接集計! 「1/1ガンダム」『ラブプラス』が会場票に選ばれ、この結果が大賞選考に大きく影響を与えることに……

今回の日本オタク大賞の選考方法は、上記9つの大賞候補に6人の審査員が、別室で各2票を投票。その後、審査員の投票結果を伏せた上で、客席からの投票を集計し、その上位2タイトルに、会場票が1票ずつ投じられた。整理すると、審査員票12票+会場票2票という計14票の投票によって大賞が決定されている。

審査員票と会場票を加算し、2009年の日本オタク大賞に選ばれたのは、KONAMIの恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス』。審査員の投票段階では『ヤッターマン』と同票の3票だったものの、これに会場票が加わったことで激戦を制し、見事に大賞の座を勝ち取った。『ラブプラス』の大賞選考理由としては、ゲームの枠を超えたオタク同士のコミュニケーションツールとして大いに機能したことや、プレイヤーの生活サイクルを変えてしまうほどの熱中性、まったくの新規タイトルながら見事にブレイクスルーを起こしたチャレンジ精神などが評価されている。

2009年最高のオタクコンテンツに選ばれたのは『ラブプラス』! 審査員からも「『ラブプラス』は生活」「こんなに苦しめられるとは……」「いまぶっちゃけ倦怠期」などの名言が飛び出した

各審査員が選んだ個人賞に目を移すと、東海村原八賞には、映画監督のピーター・ジャクソンが立ち上げたニュージーランドの模型メーカー「ウイングナット・ウイングス」。志田英邦賞には、スクウェア・エニックスの超大作RPG『ファイナルファンタジーXIII』。前田久賞には、『化物語』『【懺・】さよなら絶望先生』などの人気作を手がけたアニメーション制作会社のシャフト。奈良崎コロスケ賞には、マンガ業界の内情を『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』として刊行したマンガ家の西島大介氏。鶴岡法斎賞には、萌えアニメの特異点的作品『ファイト一発! 充電ちゃん!!』。藤津亮太賞として、約415万人もの来場者を集めた「1/1ガンダム」がそれぞれ選ばれている。

そのほかの話題としては順不同で、『ONE PIECE -FILM- STRONG WORLD』、「水樹奈々紅白出場」、『侍戦隊シンケンジャー』、『アバター』、「マイケル・ジャクソン」、『バクマン。』、「ROBOT魂」、「CR牙狼-GARO-」、「女装男子」、「iPhone」、『ベヨネッタ』、『サマーウォーズ』、『東のエデン』、『マイマイ新子と千年の魔法』、『劇場版マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~』、「CRフィーバー超時空要塞マクロス」、「宇宙ステーション補給機『HTV』打ち上げ」、「mixiアプリ」、『THE IDOLM@STER DearlyStars』、「小林ゆう」、『ケータイ捜査官7』、『ドリームクラブ』、『シュタインズ・ゲート』、『ときめきメモリアル4』、「ワンダーフェスティバル復活」……など、多彩な作品や事象がトークの俎上に上がったが、惜しくも受賞は逃している。

今回の日本オタク大賞2009の模様は、ニコニコ動画内「ロフトチャンネル」にて、1月末ごろより有料配信が行われる予定。このほかスピンアウトイベントとして、女子オタクの2009年を振り返る「日本オタク大賞2009 Girl's Side」が2月7日に新宿ネイキッドロフトにて、同じくスピンアウトイベントの「オタク大賞R6」が3月27日に新宿ロフトプラスワンにて開催予定となっている。

「日本オタク大賞2009」結果一覧

賞名 受賞作
大賞 ラブプラス (ニンテンドーDS用ソフト)
東海村原八賞 ウイングナット・ウイングス (模型メーカー)
志田英邦賞 ファイナルファンタジーXIII (プレイステーション 3用ソフト)
前田久賞 シャフト (アニメーション制作会社)
奈良崎コロスケ賞 西島大介 (マンガ家)
鶴岡法斎賞 ファイト一発! 充電ちゃん!! (TVアニメ)
藤津亮太賞 1/1ガンダム (イベント)
■「日本オタク大賞2009」大賞候補一覧
大賞候補 得票 審査員票 会場票 (挙手数)
ラブプラス (ニンテンドーDS用ソフト) 4 3 1 (18)
ヤッターマン (実写映画・テレビアニメ) 3 3 0 (7)
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 (アニメ映画) 2 2 0 (17)
宇宙戦艦ヤマト 復活篇 (アニメ映画) 2 2 0 (9)
1/1ガンダム (イベント) 1 0 1 (35)
けいおん! (アニメ) 1 1 0 (8)
西島大介 (マンガ家) 1 1 0 (2)
仮面ライダーディケイド (特撮ドラマ) 0 0 0 (6)
ちはやふる (マンガ) 0 0 0 (2)
■これまでの開催概要
通算回数 (開催日) 大賞受賞作
第1回 (01年12月1日) 『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』
第2回 (02年12月2日) 海洋堂
第3回 (03年12月3日) 『機動戦士ガンダムSEED』
第4回 (05年1月8日) 擬人化 (特に『びんちょうタン』)
第5回 (06年1月31日) 秋葉原
第6回 (07年2月28日) ウルトラマン80 (『ウルトラマンメビウス』より)
第7回 (08年1月5日) 動画投稿サイト (代表としてニコニコ動画)
第8回 (09年1月8日) アニメ『鬼太郎』 (墓場&第5期)
第9回 (10年1月9日) 『ラブプラス』