8月22日、東京・池袋テアトルダイヤと大阪・テアトル梅田にて、短編アニメ映画『センコロール』が封切られた。『センコロール』は、マンガ家としての経歴も持つ、若手監督の宇木敦哉氏が約2年半をかけ、脚本や作画など、音響面以外のポジションをほぼひとりで手がけた約30分の作品。音楽は初音ミクを使った楽曲などを手がけ、まさにいまが旬のユニット「supercell」のryo氏が手がけている。

独特の気だるい空気とダイナミックなアクションが満載の『センコロール』。東京、大阪に加えて北海道でも上映が行われるほか、10月28日にはDVDも2バージョンで発売

■アニメ『センコロール』ストーリー概要
平凡な町のビルのてっぺんに突如出現した巨大モンスター。自衛隊が出動し、町中が騒然とする中、少女《ユキ》は同じ学校に通う少年《テツ》の秘密を偶然知ってしまう。彼はそのモンスターと良く似た奇妙な生物《センコ》をペットのように飼っていたのだ。持ち前の度胸と好奇心で、テツとセンコの関係に興味を抱くユキ。そこへ巨大モンスターを操る謎の少年が現れ、いきなり戦いが勃発する。彼らは、何のために戦うのか? 彼らの正体は? そして戦いに巻き込まれるユキの運命は?

東京での上映館となる池袋テアトルダイヤでは、公開初日の8月22日に舞台挨拶が行われ、ユキ役の花澤香奈、テツ役の下野紘、シュウ役の木村良平、ケイ役の森谷里美といった4人のキャスト陣と、晴れの舞台に臨んだ宇木敦哉監督が緊張の面持ちで作品に対しての思いを語った。

写真左より、宇木敦哉監督、花澤香菜、下野紘、木村良平、森谷里美。花澤の「宇木監督だけに、これからウキウキですね」というまさかのダジャレに会場も思わず爆笑

■宇木敦哉氏 (監督・脚本・作画)
「初めて作らせていただいて、最終的にどうなるかすごい不安なところもあったんですけど、こうやってスクリーンにたどり着けました。(初めてのスクリーンでの上映は)思ったより綺麗でした。声優さんもすごい素敵な感じで入っていただいています。いろいろつたないところはあると思いますが、どうぞよろしくお願いします」

■花澤香菜 (ユキ役)
「舞台挨拶の前にいただいたDVDで観ておこうと思ったら、何回も観てしまって、本当に観れば観るほど味が出てくる映画になっています。なんと言っても私はシュールな顔が大好きなんですけど、この作品の魅力はセンコだと思うので、センコの動きに注目していただきたいです。これから初めて作品を観る人のワクワク感が本当にうらやましいです」

■下野紘 (テツ役)
「全部監督がひとりで描かれていて、人物の動きやセンコの動きだったりとか、本当に細かく作られている作品です。テツ君は落ち着いている子です。僕は比較的叫んだり騒がしかったりという役が多いので、いままでやったことがないような感じでやらせていただきました。ただのうるさい人じゃないと思っていただけたらなと思います(笑)」

騒動に巻き込まれる少女、ユキ役の花澤香奈。おもな参加作品に『ぽてまよ』のぽてまよ役など

センコの飼い主、テツ役の下野紘。おもな参加作品に『かんなぎ』の御厨仁役など

■木村良平 (シュウ役)
「監督おひとりで作られたということは、おそらく想像を絶することだと思うんですけど、それを抜きにしても本当に面白い作品です。なので純粋にアニメ映画として楽しんでいただけたらいいんじゃないかと思います。シュウの活躍と合わせつつ、ぜひ楽しんでください」

■森谷里美 (ケイ役)
「宇木監督が何年もかけて作られた作品ということで、映像もすごくきれいですし、音楽も迫力があって、すごくいいなと思っています。今回は物語の始まりという感じなので、みなさんの応援次第ではべつの形で続編もやらせていただくことができるかもしれません。ぜひ応援していただけたらなと思います」

センコに似たべつの生き物を操るシュウ役の木村良平。おもな参加作品に『東のエデン』の滝沢朗役など

ユキのクラスメート、ケイ役の森谷里美。おもな参加作品に『清く正しく美しく』のつかさ役など

『センコロール』は短編作品ということもあり、池袋テアトルダイヤとテアトル梅田では、1,000円均一の入場料金にて公開中。また9月19日から9月26日までは北海道・スガイシネプレックス札幌劇場での限定公開も決定している。

舞台挨拶には謎の生物、センコも登場

さらにDVDもアニプレックスより10月28日に発売されることが決定した。完全生産限定版は5,460円で、メイキングやインタビュー映像、宇木監督の描き下ろしマンガなどを収録。通常版は3,990円となっている。宇木監督のオフビートな作家性と、濃密なアクション作画を劇場で、またはDVDでぜひ目撃してほしい。

(C)宇木敦哉/アニプレックス