来年秋に羽田の新滑走路が供用開始されると、新興エアラインには、運用開始時は10の発着枠が、翌年4月には27枠が追加配分され、新規の就航が可能となる。また、スカイマークのように、これまでのようなチャーター便ではなく、定期便での国際線(羽田-台湾線)進出を検討しているところも出てきた。その証拠に、国内新興エアラインが運航している定期便をまとめてみると、以下の表のようになっている(運航路線は取材時現在)。

航空 運航路線
スカイマーク 羽田-札幌、旭川、神戸、福岡、那覇、福岡-那覇
エアドゥ 羽田-札幌、旭川、函館、女満別、札幌-仙台、札幌-新潟
スカイネット・アジア航空 羽田-宮崎、鹿児島、長崎、熊本、鹿児島-沖縄、長崎-沖縄
スターフライヤー 羽田-北九州、関西
フジドリームエアラインズ(FDA) 静岡-小松、熊本、鹿児島

このうちスカイマークとFDA以外は大手との提携運航を行っているが、大手が路線を縮小する傾向にあり、大手と路線を補完し合うという意味で、新興エアラインの存在価値は高まっている。また、共同運航便の場合、大手を通して申し込むよりも新興エアラインの方が、千円単位だが割安に設定されている。

スカイマークは使用機材をボーイング767型機から737型機への切り替えを進める

さらに、今秋から大手が片道1万円前後のバーゲン型運賃を復活させる動きに合わせて同種の運賃を設定する新興エアラインもある。国内の航空運賃はここ数年、大手が正規運賃を小刻みに値上げしてきたため、割引運賃があっても、全体としては値上がりの傾向にあった。だが、バーゲン型運賃の復活で、割安感が出てきた。

新興エアラインの場合、1日1往復しかなくビジネスでは使いにくい路線もある一方で、スターフライヤーの羽田-北九州線のように1日11往復する充実した路線もあるので、ケースに応じて使い分けたい。また、スターフライヤーは北九州空港-福岡市内間で無料のチャータータクシー(対象便限定)を運航しているが、こうしたサービスを利用するのもいいだろう。

国内出張やアジアへの海外旅行など、上手に新興エアラインを活用したい。