アサヒビール

「アサヒスーパードライ」

(1)麦芽、ホップ、米、コーン・スターチ (2)5% (3)42kcal (4)215円

ビールに"辛口"というコンセプトが存在しなかった1987年、衝撃的なデビューを果たした。そして他社もこぞって"辛口"市場に参入し、翌年は世に言う「ドライ戦争」が巻き起こったほど、日本のビール業界に革命をもたらした商品。

ソムリエコメント
このビールを最初に飲んだときは驚いた。当初は味云々考えて飲んでいたわけではなく、ただその"のどごし"に驚いた。今回改めて比較してみても、キレとのどごしのインパクトが群を抜いている。香りはオレンジやフライパンで炒ったパン粉のよう。味わいは米やスターチの使用でほんのりと甘いが酸もしっかりとあり、バランスに長けている。

「ザ・マスター」

(1)麦芽、ホップ (2)5.5% (3)46kcal (4)215円

今年5月26日に発売されたばかりの新製品。麦芽とホップはドイツ産(麦芽は25%以上、ホップは50%以上がドイツ産)で、徐々に温度を上げて麦汁を製造する「インフュージョン法」や、煮沸工程の後半から終了にかけてホップを添加する「コッホエンデガーベ法」といったドイツ伝統の技術を採用している。さらには、ミュンヘン工科大学から"マスター"の称号を与えられた醸造家が同商品を監修するなど、ドイツ伝統の味わいに徹底的にこだわった。

ソムリエコメント
またも抽象的な表現になってしまうが、日本で造られているスタンダードビールの中ではもっともドイツ的な風味がする。ドイツ産の麦芽とホップを大量に使っているところが大きいからだと思われるが、グレープフルーツのような柑橘系の香りとクレープを焼いたような甘香ばしい香りがするのだ。味わいは余計な雑味がなく、酸味は少ないながらキレはかなりいい。

「アサヒオリオンドラフト」

(1)麦芽、ホップ、米、コーン・スターチ (2)5% (3)42kcal (4)215円

沖縄に本社を置くオリオンビールの主力ブランド「オリオンドラフト」。このブランド缶製品の沖縄県および鹿児島奄美群島以外での販売権を、2002年の業務提携を機にアサヒビールが取得。「アサヒオリンドラフト」として、オリオンビールに県外販売分を製造委託、アサヒビールの販売網を通じて販売している。オリオンビールの創立50周年にあたる2007年には、「飲みやすさ」「さわやかさ」に加え、「後味」「飲みごたえ」を追求すべく、原材料の配合の見直しと醸造方法の改良を図った。

ソムリエコメント
パッケージからも十分に想像される通りのさわやかで軽やかなビール。グレープフルーツのみずみずしさとドライイーストのような乾いた感じが両方楽しめる。ほのかな甘みとさっぱりとした酸味が心地よいが、余韻は短くスッと消えるのでグビグビといける。

「アサヒ黒生」

(1)麦芽、ホップ、コーン・スターチ (2)5% (3)47kcal (4)215円

今回唯一の黒ビール。色の起因は麦芽をローストまたは焙燥させて使用するから。そのために糖度が上がり、カロリーは他のビールと比べて若干高めになっている。香ばしさを引き出す黒麦芽、ほのかな甘みを演出するクリスタル麦芽、ふくらみのある味に仕上げるミュンヘン麦芽を使い分けて全体のバランスをとっている。

ソムリエコメント
他のビールと比べて色の違いは一目瞭然、ブラックコーヒー色。予想を裏切らず、香りもローストしたコーヒービーンズやダークチョコレート、はたまたバニラキャラメルといった感じ。テイストもまるでバタートーストにチョコスプレッドを塗ったような幸せな甘みだが、スッと1本酸が通っていることで全体が引き締まってもったりとした重さはない。

レーベンブロイ

(1)麦芽、ホップ (2)5% (3)40kcal (4)215円

ドイツのミュンヘンで創業し、約600年の歴史を持つレーベンブロイ社のビール。アサヒビールが1983年からライセンス生産、販売を開始しており、同ビールは日本初の生ビールライセンス生産・販売となる。ドイツ語でレーベンは獅子、ブロイは醸造所を意味し、ラベルにはそのシンボルが描かれている。

ソムリエコメント
炭酸が他のビールに比べると若干強い印象を受けたがその分泡立ちもよい。よもぎのような草っぽい香りとキンカンやオレンジのような柑橘系の香りが抱き合わさって、さわやかさがある。麦の甘みが最初にするのは「カールスバーグ」と共通だが、その後は苦味よりもきれいな酸味が持続する。