エイベックス・エンタテインメントは、集英社の「ウルトラジャンプ」にて連載中のマンガ『NEEDLESS』(原作: 今井神)のアニメを2009年7月から放送開始と発表した。放送局はTOKYO MX、MBSほかが予定されている。

ブラックスポットを支配せんと暗躍する"シメオン"に抗う、レジスタンスの少年・クルスと、そんな彼をひょんなことから偶然助けることになる巨体の神父、アダム・ブレイド。一度、自分の身体で受け止めた相手の能力であれば、コピー可能という特殊な能力"ZERO"を持つ彼と、クルスの出会いから物語の幕が開く。

そして、そんな彼とともに、クルスの旅に同行することになるのが、ブレイドと一緒に教会で暮らしていた少女、イヴ。"変身(ドッペルゲンガー)"の能力を持つニードレスのひとりでありながら、人の名前を覚えるのが苦手で、クルスのことを「山田」と呼んだり、はたまた出会い頭にバイクで轢きかけたり……。彼女のスッとぼけた行動もまた、大きなポイント。

ブレイドの持つ"ZERO"の能力、そしてクルスの命を狙って、次々と襲いかかるシメオンの魔手。生き延びるために、否応なく旅に出ることになったクルスたち。その行く手には壮絶な戦いと、そしてこの世界に隠された驚くべき秘密が待ち構えている。

『NEEDLESS』より、ブレイドとイヴ

<イントロダクション>
第三次世界大戦の結果、日本の各地に生み出された汚染区域――通称「ブラックスポット」。巨大な壁によって隔離され、また夜になれば、明かりひとつない暗闇が広がることからそう呼ばれる、この見捨てられた土地。しかし、そこにも人々は生きていた。ただし、荒れ果てた街を支配するのは"弱肉強食"の法則。強い者だけが生きられる、残酷な世界……。そしてそこには、火や風、重力、自然の法則を超えた特殊能力者たちもまた存在していた。人々は、畏れを持って彼らをこう呼んだ――"ニードレス(不要者)"と。

主な登場人物とキャスト・スタッフ

■アダム・ブレイド(子安武人)
相手の能力を覚えることができる「ZERO」の能力者。キメ台詞は「判決・死刑!」。「BLACK SPOT」内の教会で神父を務める。弱点はロリっ娘美少女。

■イヴ・ノイヴァンシュタイン(喜多村英梨)
ブレイドのパートナーで、「変身(ドッペルゲンガー)」の能力を持つ。全く緊迫感のない少女で、人の名前を覚えられず、相手に勝手な呼び名を付ける。ブレイド、と共に「BLACK SPOT」の教会で暮らしている。

■クルス・シルト(遠藤綾)
元解放軍の一員。シメオンに追われていたのを、ブレイドに救われる。

■アダム・アークライト(東地宏樹)
シメオン総帥。全ての能力を集めるため、「ニードレス」狩りを行う。自身も「ZERO」の能力者。

■ギド(内海賢二)
ブラックスポット(BS)でブレイドたちを世話する科学者。本名は六道銀。

■アルカ(伊瀬茉莉也)
クルスの姉。クルスを逃すため、シメオンの追手と闘い、死んだと思われていたが……。

■離瑠(豊口めぐみ)
シメオン四天王。アークライトに次ぐ力の持ち主。最強の能力「サイコキネシス」を持つ。

■右天(山口眞弓)
シメオン四天王。マジックが得意で、能力も「物体の透明化」。イヴ&クルスと戦う。

■左天(谷山紀章)
シメオン四天王。独自の行動の多い謎の男。知恵、力、能力全てが一級の実力者。

<スタッフ>
監督 / 迫井政行、シリーズ構成 / 西園悟、キャラクターデザイン / 加藤裕美
総作画監督 / 小堺能夫、テクニカルディレクター / 沼田誠也
アニメーション制作 / マッドハウス

OP主題歌は、声優・谷山紀章(左天役)とギタリスト・飯塚昌明によるロックユニット・GRANRODEO(グランロデオ)が歌う「modern strange cowboy」で、7月29日にランティスからリリース予定。また、挿入歌には、既発のドラマCD版に楽曲を提供しているGargoyle(ガーゴイル)も参加することが決定されている。

迫井政行監督が『NEEDLESS』の見所を語る

「基本はやっぱりアクションと王道なストーリー展開。次から次へと強敵が現れて、それに挑んでいく……みたいなところが魅力で。でも、ところどころに散りばめられたギャグの要素だったり、あとはかわいい女のコがいっぱい出てきたり(笑)。そこもまた、『ニードレス』の魅力で、そういう意味ではバランスが難しい作品なんですけど、逆にやり甲斐もあるっていう」

「ブレイドの魅力は、あんまり考えないところ(笑)。本当に本能で生きているというか、自分の好きなように生きていくんだっていう、どこかアウトロー的なヤツなんです。ある意味、弱い者は生きていくことができない――"ブラックスポット"という場所の、代名詞的な存在でもあって。これは原作者の今井先生もおっしゃってたことなんですけど、ウジウジ悩んだりしない。そういう爽快さは、男として憧れる部分がある。まあ、僕にはできない生き方ですけど(笑)」

「あとで出てくるシメオンの少女部隊に較べたら、デザイン的にもちょっとおとなしめだったりするんですけど(笑)、僕のなかでも、もうちょっとはっちゃけてもいいかなって思ってるんです。今回のアニメ版では、イヴにちょっと頑張ってもらおうかな、と。あと原作では、ブレイドとの関係は比較的、さらっと描かれてるだけなんですけど、実は二人には、過去からの繋がりがある。どこか深いところで繋がっているというか、そういう部分が匂わせられると、彼女も引き立ってくるのかな、なんて目論んでます」

「ストーリー自体は、いたってシンプルなんですよ。ブレイドと、彼の宿敵というか兄弟みたいな関係にあるシメオンのトップであるアークライト。この二人の因縁と、クルスの成長。ブレイドたちと旅をしていくなかで、困難を乗り越えて成長していく姿。この二つが同時に進んでいく、っていう。ただメインのストーリーがシンプルなだけに、『ニードレス』の登場人物って、みんな個性豊かなんですよね。それぞれのキャラクターの持ち味みたいなものを、いろんなシチュエーションで見ることができる。そういうサイドストーリー的な部分も、ぜひ楽しんでほしいなと思います」

(C)今井神/集英社・ニードレス製作委員会