たまには、ネットを捨てよ街へ出よう……みたいな

日々、ネットの情報を追っている。仕事だから仕方がないとはいえ、パソコンの前に座り、常に電子の洪水に身を浸していると、精神が疲れてくるものだ。しかし、遊ぶにしてもリフレッシュするにしても、なにかと金がかかるのが昨今。定額給付金の支給に諸手を挙げて万々歳する薄給の身では、おいそれとはそうした予定は立てられない。コンビニ弁当を食べながら思う。ああ、小銭を握りしめ、駄菓子屋で一日遊べた昔に戻りたい。

ネットニュースばかり追うことに飽きた筆者は、とある空間を訪れたのだった……

そんなことをつらつら案じながら、仕事のフリをして「駄菓子屋」というキーワードでググっていると『駄菓子屋ゲーム博物館』なるサイトがアンテナに引っかかった。駄菓子屋ゲームとはビデオゲームのことではない。かつて駄菓子屋の店頭を華やかに彩っていた、もっとアナクロなメカを使った10円玉で遊べるゲーム機のことだ。筆者はその全盛期を知る当年とって37歳。しばし、心を惹かれてサイトを覗いていると「東京都板橋区にオープンしました」と書かれてあるではないか。なんと、実際に遊べるのかい。これは取材しないわけにはいかない。なに、たまにネットから離れたところで文句は言われないだろう。

東京・板橋区にレトロな世界「駄菓子屋ゲーム博物館」現る

訪れた場所は東京・板橋区にある清水稲荷神社の沿道に広がる板橋イナリ通り商店街。昔ながらの雰囲気を持つ商店街を入口から神社に向かって歩き、ちょうど神社の向かいまで来たところにあるのが「コン太村」だ。看板には"地域ふれあいステーション"という文字。どうやら地域住民の寄合所のような場所にゲーム博物館は入っているようだ。扉を開ける。ガシャコン、ピピピピ、キュキュピーン。いきなり懐かしい効果音が耳に届く。そこは昭和の世であった。

東京・板橋区にある「板橋イナリ通り商店街」。進んでいくと、神社向かいに懐かしの効果音を響かせる「コン太村」があらわれる