e-Taxは、自宅や税理士事務所などからインターネットを通じて申告・申請・届出等が行えるシステム。確定申告期間中はe-Taxの利用が24時間可能で、税務署が閉まっていても申告書の提出(送信)ができる。また、2008年分の所得税の確定申告を期限内にe-Taxで行った場合、所得税額から最高5,000円分の控除を受けられるといったメリットがある。

国税庁の発表によると、e-Taxの利用件数は、1431万8,350件で、前年より55.7%増加した。利用件数の伸びについて、国税庁は「e-Taxのサイトで、利用者アンケートを行っておりまして、こちらに寄せられた利用者からの改善要望などを踏まえ、添付書類や電子署名の省略、システム改善など、具体的な取り組みを行ってまいりました。こうしたことが要因ではないでしょうか」と話す。

うち、所得税申告は前年比68.9%増の613万6,866件、法人税申告は同92.4%増の98万2,505件、消費税申告(個人)は同54.6%増の44万3,706件、消費税申告(法人)は同92.5%増の111万8,060件などで、いずれも大幅にアップした。「e-Taxを利用することができるパソコンを税務署に設置し、利便性を体験してもらう取り組みを2008年1月より実施しておりますが、こうした認知度アップへの取り組みが所得税申告増加につながったのではないでしょうか。また、法人税申告につきましては2007年1月より、税理士等が納税者の依頼を受けて税務書類を作成して電子申告等を行う場合、納税者本人の電子署名を省略できるようになりました。こうしたことから、法人の税務申告を行う税理士の方の利用が浸透しつつあるのではないかと考えております」(国税庁)。

e-Taxの利用率(2008年9月12日策定の「オンライン利用拡大行動計画」に掲げられた年間平均申請件数を分母に算出)は36.6%で、2007年度(23.1%)を13.5ポイント上回った。所得税申告は31.1%で、前年度比12.7ポイント増、法人税申告は37.7%で同18.1ポイント増だった。なかでも消費税申告(法人)は52.6%で、前年度より27.2%も増加。また、印紙税申告も52.6%で前年度比28.8%増だった。