フィアット グループ オートモービルズ ジャパンは、「フィアット500」をベースにしたスポーティモデル「アバルト チンクエチェント(ABARTH 500)」を4月18日より販売する。価格は295万円。また、これに合わせて名古屋と福岡にアバルトディーラーがオープンし、東京・大阪と合わせ、当初予定の4大都市でのディーラー展開が完成する。

アバルト チンクエチェント ※写真はすべてイタリア本国仕様。以下同

「アバルト」は、かつてのフィアット系チューニングモデル。それが現代に復活したのが「アバルト グランデ プント」であり、今回の「アバルト チンクエチェント」は第2弾となる。同モデルは今年1月の東京オートサロンにて、日本で始めて公開された。

IHI製インタークーラー付ターボチャージャー付きの1,368cc直列4気筒DOHCエンジンは、最高出力135ps(99kW)/5,500rpm、最大トルク18.4kgm(180Nm)/4,500rpmを発揮。さらにダッシュボード上の「SPORT」スイッチによりオーバーブースト機能が働き、最大トルクは21.0kgm(206Nm)/3,000rpmに増大。最高速度205km/h、0→100km/h加速7.9秒を記録する(欧州仕様メーカー計測値)。加えてステアリングへのアシスト量を減らし、スポーツドライビングに相応しいダイレクトなステアリングフィールが得られるという。

駆動系には「TTC」(トルク トランスファー コントロール)を搭載し、タイトコーナーで内輪が空転した際にも外輪への必要な駆動トルクを確保。シフトアップインジケーターも装備し、ギアシフトのタイミングをドライバーに通知する。

エクステリアでは、ディフューザー一体型のリアバンパー、デュアルエキゾーストパイプ、リアルーフスポイラーなどを装備。フロントエンドは、ベースモデルよりエアインテークを拡大。バンパー両サイドのインテーク奥には2つのインタークーラーが装備される。さらに、ターボチャージャー搭載のため、フロントエンドパネルを前方に移動させ、エンジンルームを拡大している。

インテリアはレーシング性にこだわり、専用メーターパネルとアナログ式の過給圧計を装備。レッド/ブラック(一部車種を除く)のレザースポーツシートは、ホールド性を高めるためにヘッドレストとバックレストを一体としている。ステアリングホイールは下部がフラットな"D"形状とした。

安全面では、7つのエアバッグ(フロントエアバッグ2、前席サイドエアバッグ2、前席ウィンドウエアバッグ2、運転席ニーエアバッグ1)を標準で搭載。「EBD」(電子制御式制動力配分機構)付きのABSや「ESP」(エレクトロニックスタビリティプログラム)、ASR(アンチスリップ レギュレーション)、坂道発進を補助するヒルホールドシステム、緊急時の制動に役立つHBA(油圧ブレーキアシスト)などのデバイスも装備する。

アバルトのサービスについては、4つのディーラーのワークショップのほか、仙台、新潟、沼津、芦屋、岡山、広島、松山、熊本の8つのサービスショップが順次開設され、さらに3店舗の開設も計画されており、合計11都市でアバルトのサービスショップを展開する予定。

フロントビュー。インテークの拡大など、ベース車とはずいぶん違っている

リヤビュー。2本出しマフラーに合わせてバンパー形状も専用となる

サイドビュー。ドアハンドル横にアバルトのマークが入る

俯瞰。フロントエンド部が少し前に出ており、エンジンルームを拡大

インパネ。ベース車よりも黒い部分が増えた

専用のメーターパネル。シフトアップインジケーターを装備

アルミ製のシフトノブ。変速機は5速マニュアル

赤いレザースポーツシートが標準

リヤシート。50:50の分割可倒式

リヤシートを立てた状態でのラゲッジスペース

リヤシートを倒した状態

エンジンルーム。サソリのマークが目を引く

走行イメージカット。ボディカラーはソリッドホワイトが標準で、それ以外(ソリッドレッド、ソリッドグレー、メタリックブラック、パールホワイト)はオプションとなる