マンダムはこのほど、現代日本人男性の「体臭」に関する意識と実態について、マスコミ向けにセミナーを行った。部位ごとに異なる体臭に対し、どういったケアが効果的かといった同社の研究結果が報告された。

ほとんどの男性が「体臭」を意識

同社が10~60歳代の日本人男性600人を対象に行った体臭に関する意識調査では、90%近くが「自分の体臭が気になる」と回答。特に気になる自分の体臭については、「ワキのニオイ(腋臭)」が42%と最も多く、ついで「口臭」が38%と高い割合を占めた。体臭が気になる理由としは、「他人に悪い印象を与えないため」という回答が最も多かったという。このことから、「『好かれたいが、それ以前に誰からも嫌われたくない』とする"イマドキ"男性の心理が窺えます」(デオドラント担当)。また、他人の体臭についても、90%以上が「気になる」と回答しており、調査により多くの男性が、体臭について敏感に受け止めていることが明確になったとしている。

特に気になる体臭

さらに同社では、最も気になるという人の多かったワキのニオイについて、18~60歳代の健康な日本人男性118名を被験者とし、ニオイの強さなどを調べる実験も行っている。同実験によると、無臭、もしくはやっと感知できる程度の腋臭という人は0%。54%が、何のニオイであるかが明瞭な程度の強さのニオイを持ち、強い腋臭であると感じられる人も30%以上に上ったという。

ニオイが発生する仕組みと効果的なケアは

体臭はなぜ発生するのか? 気になるところだが、同社によると、ニオイの元となるのは、汗・皮脂・常在菌の3つだという。ただし、前者2つは、元来はほとんど無臭。皮脂や汗に含まれる成分が酸素と結び付いて酸化したり、あるいは、3つ目の「元」である常在菌によって代謝されることによって、ニオイが発生するのだそうだ。

ニオイ発生のメカニズム

体臭を抑えるためには、ニオイの「元」を抑えるアプローチと、発生したニオイに対するアプローチの2つがあるという。具体的には、汗・皮脂・菌を除去する「洗浄」、汗腺を閉じ、ニオイの元の1つである汗を抑える「制汗」、菌を減らす「殺菌」、臭いを吸着・分解する「消臭」、香水などのフレグランスによってニオイを隠す「マスキング」。市販されているデオドラント剤の多くには、消臭効果やマスキング効果があるとされる成分も含まれているが、「体臭を抑える・予防する」には、洗浄・制汗・殺菌が重要だとしている。

また、市販されているデオドラント商品の主なタイプは、スプレータイプ、ロールオンタイプ、クリームタイプ、ペーパータイプの4種類で、各タイプの特性を理解して使用するのが、効果的に体臭ケアを行うコツだという。いずれのタイプも、制御・殺菌効果があるとされる成分を含んでいることがほとんどだが、洗浄効果が期待できるのは、使用時に肌を払拭するペーパータイプのみなのだそうだ。

各タイプに関する特性表

最もユーザが多いのは、デオドラント剤を噴射し、手軽に広く均一に塗布できるスプレータイプ。ロールオンタイプやクリームタイプは、気になる部分に集中的に塗布できるので、スポット使用に適しているのだそう。利用方法として多いのは、単一のタイプを使用するパターンという。だが、「各タイプを場面によって使い分けるのが上級者の体臭ケア。外出前などにロールオンタイプやクリーム等でケアし、外出中などはスプレーを利用。また、運動などの後には、ペーパータイプで肌を清潔に保つなど、使い分けるのがよいですね」(デオドラント担当者)なのだとか。

足臭が強い部分

またセミナーでは、調査結果の回答はそれほど多くなかったものの、飲み会などの席で靴を脱ぐ際に気になる「足臭」に関しても触れられた。本来、「足臭」は足先部分や指の間などが臭いやすく、足底等は、ほとんど臭わないのだそうだ。ケアの方法としては、デオドラント剤を足先や爪の周りにつけるのが効果的だという。また、デオドラント商品のタイプとしては、必要な部位に集中的に塗布できるクリームタイプが最も適しているとのこと。

同社によると、体臭ケアに気を使う男性は、今後増加していくことが予想され、最近では女性並みに気を使う男性も増えているという。男性の多い教室や職場が「臭い」と言われなくなる時代も遠くないかも?