全日本空輸(以下、ANA)―。アジアのエアラインでリーディングポジションを狙う、日本を代表する航空会社のひとつだ。来年就航予定のボーイング787型旅客機(ドリームライナー)のローンチカスタマー(最初の顧客)でもある。日本人なら誰もがその名を知っており、一度は利用したことがあるといっても過言ではない。そのANAが、営業推進本部でWEB販売に鋭意取り組んでいるのはご存知だろうか。

キャビンアテンダントがナビゲートする旅のエッセンスガイド ANA Latte」では、ANAで実際に働くCAによる「旅」のアドバイスやクチコミを展開している。このサイトの「編集長」を務めているのが今回インタビューをさせていただく福浦真由子氏だ。空の上の客室乗務員を経て、本社勤務のクリエーティブ職に就いた経緯から同Webサイトの魅力や目標を語ってもらった。

Webサイト「ANA Latte」を担当する福浦真由子氏

最初に、なぜANAの客室乗務員を選んだのか聞いてみた。

福浦「もともと、小さいころに、父の仕事の関係でアメリカに3年間滞在していたこと、大学の仏文科で外国語を学んだことがあり、海外と関わる仕事がしたいと思っていました。大学の先輩の中に客室乗務員になっている人がいて、自分も頑張れば(客室乗務員に)なれるのでは? と思ったのがきっかけです。私は入社して10年ほどが経ちますが、ANAを選んだ理由は入社当時、他の会社よりも勢いがあり、将来性を感じたからです」

客室乗務員を務める際に思い出残るエピソードとはどんなものなのだろうか。

福浦「3泊5日のバンコク線の際に、行きも帰りもご一緒だった初老の男性がいました。『バンコクにいる子どもと孫に会いに行くんだ』とお話されていて、帰りの便でご一緒した時に、ご家族のお写真を見せていただいたことは印象深いですね。3泊5日のご旅行の方ですと、行きも帰りもご一緒ということよくあるんです」

客室乗務員の仕事は、人とのつながりは切り離すことができない。ANAの自慢できるサービスとは一体何なのか。

福浦「機内のお客様と同じ目線でお話しするという事。また、"優しい隣のお姉さん"という明るくて、親しみやすさがあるのがANAのCAの特徴だと思います。それと、やはりWebサイトの見やすさです。普段CAがお伝えしない"スカーフの巻き方"や"内定者"の様子が見られるのもANA Latteサイトの特長ではないでしょうか」 

現在、福浦氏の名刺には「営業推進本部WEB販売部 ANA Latte担当 客室乗務員」という肩書きが記されている。

福浦「入社して9年間は客室乗務員として国際線を中心に乗務していました。地上職でのSA(スタッフアドバイザー)という仕事があって、一昨年、スキルアップのために手を挙げました。そして異動が決まり、一昨年4月からWEB販売部にいます」

SA職は現在50名程度。他部署からの異動を希望するスタッフが多く、福浦氏のいる部署も人気が高いそうだ。そんなWEB販売部へ異動となった福浦氏は『旅達空間』のWebサイトの立上げ仕事にも関わり、今は編集長としてページ全体をマネージメントしている。

福浦「現在は『ANA Latte』をはじめ、ユーザーのクチコミによる情報サイト『旅達空間』などを担当しています。全日空にはマイレージクラブ会員が約2,700万人いて、その中でも本当に旅好きな人たち向けの情報サイトをつくろうということで、昨年12月に立ち上げました。今、ANA関連サイトがあちこちに存在していたので、それらをひとつにまとめていこうという方向で、『旅達空間』をポータルとしたサイト整理を行なっています」

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