一年半ぶりとなるワンマンライブを楽しむ村田あゆみ

11月29日、東京・渋谷の渋谷eggmanにて、「村田あゆみ Live 2008 "パピール♪"」が開催された。今回のライブは村田あゆみの1年半ぶりとなるワンマンライブであり、3rdアルバム「PolePole!」、PS2『Memories Off6 ~T-wave~』の主題歌「Triangle Wave」、TVアニメ『まかでみ・WAっしょい!』のEDテーマ「パステル」などをリリースし、精力的にイベントやライブをこなしてきた村田にとって、まさに2008年の総決算ともいえるビッグイベントとなった。

今回のライブは楽屋の風景が会場に設置されているモニタに映し出される二元中継となっていたのがポイントで、楽屋風景は「村田あゆみのポレポレラジオ! 略してポレラジ!」の生放送というカタチになっていた。開演前から村田あゆみがモニタに登場することで、会場内はいつでも盛り上がりOK! といった万全の状態。

ステージに登場した村田のオープニングナンバーはPS2『Memories Off6 ~T-wave~』の挿入歌「WAVE!!!」。そしておなじみの「ポレポレ~」という挨拶に続いては、TVアニメ『はぴねす!』オープニングテーマ「はぴねす!」と、アップテンポのナンバー2連発が披露された。


ここでワンクッションという感じでMCタイム。ふたたび「ポレポレ~」、さらに「パピール♪」という挨拶で観客の反応を楽しむ。ここ数週間は「Live 5pb.2008」や各種イベント、さらには映画の撮影も重なったため、ライブの3日前まで歌詞が4曲分しか覚えられていないというピンチに陥ってしまったそうだ。1日だけ休みをもらい、集中して歌詞を覚えようとしたものの、歌詞カードをすべて前日行われたリハーサルの現場に置き忘れてしまうという痛恨のミス。受験勉強のように歌詞とにらめっこして、何とか本番を迎えたとのことだった……。

デビューシングルのカップリング曲で、非常に思い出深いと語る「ヒトシズクアイ」と「僕のwish」を披露したところで、スペシャルゲストとして5pb.の代表取締役で、村田にも多数の楽曲を提供している志倉千代丸がステージに登場した。いきなり「村田あゆみと2人のトークが一番苦手」とぶっちゃける志倉。金曜日に急に呼ばれた(ライブは土曜日)ので何も考えていないといいながらも、ツボを押さえた軽妙なトークで観客をわかせる。そして、村田に出演を依頼された際、「パステルくんはずっと志倉さんがやっていたことにしてください」といわれ、ライブのステージで覆面剥ぎデスマッチみたいなことをやってほしいと頼まれたという話を暴露。もちろん志倉は断ったわけだが、その際の理由は「格好が悪いから嫌です」。話題が志倉の"マイミク"の話になった際には、

村田「私もマイミクにしてくださいよ」
志倉「お前、mixiやってないだろう……」

と村田の天然トークを受け流し、「観客との会話形式は嫌いだ」といいながら観客のツッコミを細かく拾いつつ、観客をも巻き込む爆笑トークを展開し、ステージを後にした。

ステージにはスペシャルゲストとして志倉千代丸が登場

志倉とのトークのあとは、しっとりとアコースティックバージョンで「キミがいたYesterday」と「Re-tune」。メリハリの効いた演出に、しばし観客もうっとりと村田の歌声に聴き入った。

アコースティックバージョンは椅子に座ってしっとりと

いったんステージから降りると、場内のモニタにはふたたび楽屋風景。「村田あゆみヒストリー」などの映像が流された後、村田は「パステルくん」を引き連れてステージに登場し、TVアニメ『まかでみ・WAっしょい!』のエンディングテーマを、パステルくんのダンスをバックに熱唱した。

パステルくんを引き連れて「パステル」を歌い踊る村田あゆみ

もちろん志倉ではない(はずの)パステルくんが退場した後も、「OZ」「1.2.3.Sweet Summer!」と村田あゆみらしいアップテンポのナンバーでまとめられ、先ほどのしっとりとした落ち着きが嘘のように会場はふたたびヒートアップ。掛け声で煽る村田とそれに合わせる観客との一体感が非常に印象的なシーンが続いた。

ここでまた楽屋風景へと移り変わったところで大事件が発生。なんとモニタの向こうでパステル君が倒れてしまっているのだ。なぜか「遺書」風の書き置きとともに息絶える(?)パステル君。はたして、村田あゆみとパステル君のコンビはこのライブで見納めとなってしまったのか? 「パステルくん、さよならのコーナーでした」という村田のあっさりとした声に続いて、カンニングの竹山やMA♡chu♡RIの3人、そして彩音など、村田にゆかりの人々からの応援ビデオメッセージが上映され、「パステルくんはどうなったの?」という観客の疑問に答える声もなく、ライブは後半戦に突入した……。

何か遺書っぽいものを読む村田あゆみ

パステルくんとはもう2度と会えないのか……

後半戦は「HiKaRi」「KOCHIA」と聴かせるナンバーでスタートする。「KOCHIAは私の中でとても大切な曲」と語る村田。「KOCHIAという草木がありまして、冬に植えられて、辛い寒さを乗り越えて、秋にきれいな紫色を咲かせるとても強い草木です。私もみなさんも、人間は誰でもそんな辛さを耐えて乗り越えていけるという楽曲になっています」と曲に込められた思いを聞かせてくれた。この曲は村田が4年前から狙っていたというもので、「もともとは『ごはんセット』という仮名の曲だったんですけど」と笑いながらも、曲を作ったオーノカズナリ氏がアレンジと歌詞を村田に合わせて変更し、「こんな素敵な曲にしていただきました」と感謝の意を述べた。そして、「Triangle Wave」「Drawing Again」という疾走感のあるナンバーでステージは締めくくられた、


アンコール、そして「パピール」の秘密

「Drawing Again」でステージを後にした村田だが、当然のように巻き起こった「アンコール」の声を受け、ふたたびステージ登場する。「パステルくんはやっぱり死んじゃったみたいです」という衝撃の事実(?)をあっさりと観客に告げると、懐かしいナンバーということで「MY SAVIOR ~きっとそばにいる~」のバンドバージョンを披露。そして、本当のラストナンバーということで、村田あゆみが作曲し、ファンから歌詞を募集して作った「PolePole!」を歌う、というところで思い出したように語りだしたのが、ライブのタイトルである「パピール」の由来。「パープル」という喫茶店の名前をガラスの裏から見ると「パピール」と読めたそうで、その「パピール」という語感が頭から離れず、ライブのタイトルにしたとのこと。そしてラストナンバー「PolePole!」は、あらかじみサビの部分の振り付けを観客に指南。最後まで観客と一体になったライブは、笑いあり涙ありの2時間20分で幕となった。

そしてこれが問題の風景。あなたは「パープル」と読めますか? それともやはり「パピール」?


村田あゆみ Live 2008 "パピール♪" - 楽曲リスト

M01 WAVE!!!
PS2『Memories Off6 ~T-wave~』挿入歌
M02 はぴねす!
TVアニメ『はぴねす!』オープニングテーマ
M03 ヒトシズクアイ
PS2『Memories Off ~それから~』エンディングテーマ
M04 僕のwish
PS2『Memories Off ~それから again~』エンディングテーマ
M05 キミがいたYesterday -acoustic
PS2『Lの季節2 -invisible memories-』エンディングテーマ
M06 Re-tune -acoustic
PS2『プリズム・アーク -AWAKE-』エンディングテーマ
M07 パステル
TVアニメ『まかでみ・WAっしょい!』エンディングテーマ
M08 OZ
DS『右脳鍛錬 ウノタン』TVCMソング
M09 1.2.3.Sweet Summer!
PS2『ウミショー』オープニングテーマ
M10 HiKaRi
PS2『プリズム・アーク -AWAKE-』2ndオープニングテーマ
M11 KOCHIA
M12 Triangle Wave
PS2『Memories Off6 ~T-wave~』オープニングテーマ
M13 Drawing Again
PS2『Memories Off ~それから again~』オープニングテーマ
アンコール
M14 MY SAVIOR ~きっとそばにいる~
PC『蒼い空のネオスフィア』オープニングテーマ
M15 PolePole!
WEBラジオ「村田あゆみのポレポレラジオ! 略してポレラジ!」テーマソング