大正から昭和初期にかけて西洋美術を収集し、「松方コレクション」を築いた実業家・松方幸次郎の生涯を描く読売テレビ開局50年記念番組『情熱人 松方幸次郎』(読売テレビ・日本テレビ系 2009年1月18日 15:00~16:25放送)の収録が29日、兵庫県加東市で行われ、出演者の勝野洋、水野真紀が番組の見どころなどを語った。

左から勝野洋、水野真紀

松方幸次郎は、明治期に内閣総理大臣を二度務めた松方正義の三男で、川崎造船所の初代社長。「日本人に一流の芸術を見せたい」との思いから、事業の成功で得た巨額の私財をなげうち、モネ、ルノアール、ゴッホなどヨーロッパの絵画をはじめとする膨大な数の美術品を買い集めた。番組では、芸術を通じて日本の近代文化を築こうとした松方の波乱の人生と、世界有数の美術コレクション"松方コレクション"がたどった数奇な運命を、再現ドラマを交えたドキュメンタリーで綴っていく。

再現ドラマで松方を演じる勝野は「私利私欲を捨てて、国のことを考えた人。外国に負けない日本を作りたいと、何百億円もの財産をなげうったと聞いて、その桁違いの情熱に心を動かされました」と松方にすっかり惚れ込んでいるよう。「大きな功績を残しながら無欲を貫いた人生は1人の男として学ぶところが多い。日本にこんな素晴らしい人がいたということを誇りに思うし、みなさんにも知って欲しいですね」と番組をPRした。

ドラマのロケは加東市に移築された松方家の別荘で行われている

水野は松方の妻・好子を演じる。日本の近代化を夢見て、ひたすら突き進んだ松方の生き方について水野は「前進することは知っていても、後退することを知らなかった人生だったのではないかと。でも、そういうパワーが日本の文化を豊かにしていったんだと思いますね」と感想を。"代議士の妻"でもある水野だが、「もしも私が松方さんの奥さんで、夫が私財をすべて美術品に注ぎ込んでしまおうとしたら『止めとき!』と言ってしまうでしょうね(笑)」と妻の本音をのぞかせていた。

また、水野は再現ドラマ出演のほか、関口宏とドキュメンタリーのナビゲーターを務め、東京・上野の国立西洋美術館に所蔵されている「松方コレクション」にも対面。「画集で見て予習もしていきましたが、やはり本物は違いますね。絵の具の厚みとか、本物の絵の迫力を生で感じました」と感想を語った水野は「美しい絵画を見て目にも楽しんでもらえるとおもいますし、その背景に松方さんという人の人生があったことを知ってもらえば、絵の見方が変わるかも」と番組の見どころを話していた。