文部科学省はこのほど、ネット上のいじめや有害情報から子どもを守るための地域の中核となる保護者を、来年度から3年にわたり9,000人養成することを明らかにした。ネット利用に詳しい保護者を各地域で養成することで、ネットいじめの実態やネット犯罪の危険性などに関する知識を、他の保護者にもクチコミなどで伝えることを目的としている。

東京都の調査によると、「チェーンメールを流された」「メールで悪口・個人攻撃を受けた」「プロフィールサイトに誹謗・中傷、画像が掲載された」「出会い系サイトで被害に遭った」など、小中高生の2割超がメールやネットでトラブルに遭った経験がある

だが、文部科学省 生涯学習局参事官の椿泰文氏によると、「こうした実態を親が知らないのが現実」。さらに、「保護者にこうした実態を伝えようと学校などで講習会を行っても、参加するのはネットリテラシーの高い保護者が多く、そうでない保護者に伝わらないのが現状」(椿氏)という。

そのため、ネットいじめの実態などをまず親に知ってもらうため、子どものネット利用について詳しく地域の核となる保護者、米国で言ういわゆる「ネットママ」を各地域で育成することにした。

具体的には、47都道府県と17の政令指定都市を対象に、ネットママ育成のためのモデル事業を公募。採択された事業は、各自治体に文部科学省が委託する。

ネットママ養成講座には、すでにこうした取り組みを行っているNPO法人や、ネット企業などで構成する財団法人のマルチメディア振興センターなどから講師を派遣することを想定している。

講座内容としては、例えばネットいじめの場合、「いじめに遭っている児童は親の前で携帯画面を開かなくなる」などの事例紹介を行う。また、フィルタリング徹底の必要性や親子間でのネット利用ルール設定法などの説明を行う。

文部科学省では、すでに2億6,000万円の予算要求を財務省に行っており、「この事業を通じ、保護者間での情報共有のための取り組みが全国に広がるのを期待している」(椿参事官)と話している。

子どものネット利用の問題点についてはこちらのレポートを参照

【レポート】「子どものネット利用」でシンポ、法律で規制できない"グレーゾーン"が問題