キリンビール

ザ・プレミアム無濾過<リッチテイスト>

市場予想価格260円前後(330ml瓶)

これまで「チルドビール」というカテゴリで展開してきたラインアップを5月に「ザ・プレミアム無濾過」シリーズとして一新。キリンビールの商品としては"最高級"の位置付けだ。チルドビールのときと同様、330ml瓶で販売されている。日本のビールの大半がラガーに代表されるドイツタイプで喉越しすっきり、ゴクゴクいけるものに対し、このビールはイギリスに代表されるエールタイプ。エールタイプは麦芽(モルト)本来の旨味を重視してじっくりと味わうものだが、同商品はアメリカが原産で華やかな柑橘系の香りが特長のカスケードホップを使用することで、軽やかなテイストもプラスされている。

ソムリエコメント
瓶商品だが栓抜き要らずが嬉しい。グラスに注ぐと今回のテイスティングの中では1番濃い琥珀色(「エビス<ザ・ブラック>」や「ギネス」は除く)。濾過していないので濁りがあり、瓶の底に酵母が沈んでいる。しかしこれが"無濾過"の正しい姿なのだ。皆さん、戸惑わないように。グラスに注いでみると、注いでいる最中からモルトの香りが漂い、実際口にすると、そのモルトの香りの後にじんわりと苦味、そしてグレープフルーツのような酸味が広がる。とてもバランスがよく、きっちり味わいたい1本だ。

「ザ・プレミアム無濾過」

市場予想価格260円前後(330ml瓶)

「ザ・プレミアム」シリーズの夏限定商品として、7月30日に発売された。ホワイトビール。先に紹介した「ザ・プレミアム<リッチテイスト>」と同様、330ml瓶を使っており、賞味期限は90日と短い。なおホワイトビールとは、原料の麦芽として主に小麦麦芽を使用したものをいう。南ドイツでは小麦麦芽を50%以上使用したものを「ヴァイツェン」といい、ラガーにも負けず劣らず人気がある。濾過してあるホワイトビールも存在するが、一般的には無濾過。従って大抵は白濁している。

ソムリエコメント
ホワイトビールの特徴そのままに、瓶の向こう側が見えないほど白濁したレモンイエロー色ときめの細かい泡がたくさん。これは原料である小麦麦芽を大量に使用することによって生じる。キュンとするような酸味とレモンの皮のような苦味が特徴的で、全体をほのかな甘味が包んでいる。麦芽(大麦・小麦)とホップしか使用していないが、香り付けにコリアンダーやオレンジピールを入れたベルギーのホワイトビール「ヒューガルデン」に似たスパイシーさも感じる。

「キリン ニッポンプレミアム」

市場予想価格260円前後

文字通り、国産の麦芽と国産のホップのみを使用して造ったビール。九州産と関東産の大麦をキリンの福岡工場で製麦し、岩手、秋田、山形でとれたホップを投入している。麦芽アミノ酸はビールのおいしさを決めるといわれており、こちらは同社比で麦芽アミノ酸がなんと2倍!

ソムリエコメント
ゴールデンイエローの色調で泡立ちはとてもクリ-ミー。かっちりとしたモルトの香りと蜂蜜のようなほんのりとした甘さがある。口当たりはソフトだがキレがよく、苦味もそれほど強くないためか、スルスルと喉を通っていく感じ。すべての味覚要素が口の中に長く留まらないので、食中酒としても活用できそう。

アサヒビール

「アサヒプレミアム生ビール 熟撰」

市場予想価格255円

「大人が楽しむプレミアム生ビール」をコンセプトに、2004年3月から限られた飲食店でのみ展開してきたが、期は熟し、今年3月に一般消費者向けに販売を始めた。3種類のホップを効果的に使用、中でもドイツ・テトナング産のホップは麦汁が煮上がる直前に投入し、上質な香りを表現した。副原料に国産上質米とスターチを使用している。今回のテイスティングで副原料が使われているのはこの商品のみ。

ソムリエコメント
色はライトなイエロー。副原料に米とスターチを使っているせいか、モルトの香りはそう強く感じないが、お家芸(!?)のドライ感とキレはバツグン。バランスのよい苦味と酸味はスーッときれいに抜けていき、最後にやわらかな甘味が残る。炭酸のはじけ具合も心地よく、飲み飽きることがない。

「アサヒプライムタイム」

市場予想価格255円

まずビールのパッケージの濃紺が斬新。文字もプルトップの部分も金色で、高級感がある。「新しい飲みごこち」と「こだわりの泡」を追求した1本だ。「新しい飲みごこち」を表現するために「熟撰」同様、テトナング産のホップを麦汁が煮上がる直前に投入し、さらに苦味とガス圧のバランスも追求した。「こだわりの泡」’には、麦芽本来の旨みを生かしたビールを造り上げるドイツ伝統の「高温アインマイシェ法」を採用、缶の注ぎ口も工夫されており、きめ細かく泡持ちのしっかりした理想の泡を実現している。

ソムリエコメント
色はゴールデンイエロー。きめの細かい泡が目を引く。原材料の麦芽、ホップの他に「窒素」と表記されているのはこのためか。蜂蜜のような少し甘い香りがある。飲んでみると深いコクと甘味、それに柑橘系のフルーティな酸味が一体となって押し寄せる。苦味はあるものの、若干控えめな感じ。炭酸は穏やかで、適度なアルコール感(体感)もアリでゆっくりまったり飲める。