釣りやヨットなどの海遊びが大好きな私。でも「もっと楽しみたい!」と一念発起し、小型船舶免許取得にチャレンジした。それも2級を飛ばしていきなり1級に! ここでは、ヒヤヒヤしながらも、なんとか合格するまでの道のりをレポートする。

決心してから約2ヶ月かけて手に入れた、小型船舶操縦免許証

小型船舶免許は4種類

今回私がチャレンジしたのは、「小型船舶操縦免許証」の取得。船舶職員及び小型船舶操縦者法により定められた、国土交通大臣が発行する国家資格だ。これを取ると、エンジン付きのボートやヨット、水上オートバイの運転が可能になる。そして免許は、艇種や可能航行区域によって次の4種類に分かれている。なお、船の長さ3m未満、推進機関の出力1.5kW(約2.04馬力)未満の船舶は免許不要だ。

資格 船の大きさ(総トン数)・出力 航行区域 受験可能年齢 国家試験料 免許登録税
1級 20t未満 外洋(単独では100海里:約185km以内) 満17歳9カ月以上 2万7,700円 2,000円
2級 20t未満 平水区域および陸岸より5海里:約9km以内 満15歳9カ月以上 2万4,800円 1,800円
2級 湖川小出力限定 5t未満・エンジン出力15kW未満 湖・川および指定区域 満15歳9カ月以上 2万100円 1,800円
特殊小型 水上オートバイ 海岸より2海里:約3.7km以内 満15歳9カ月以上 2万1,800円 1,500円

今回1級を選んだのは、なるべく遠くまで行きたいと思ったから。せっかくなら、見渡す限りを水平線に囲まれてみたい。1級を取ると、東京から約185km沖に位置する、伊豆七島・御蔵島海面まで自力で航海することができる。ドルフィンスウィムで有名な大海原で、誰にも邪魔されずにイルカやクジラと出会うことや、外洋でのトローリングでカジキを狙うことも夢ではない。

ヤマハボート免許教室を利用

試験準備は市販のテキストを使って行うことも可能だが、会社員生活の合間を縫っての受験だった私は、集中的に勉強させてくれるボート免許教室に通うことにした。選んだのはボートメーカー・ヤマハ発動機が展開する「ヤマハボート免許教室」だ。お目当ては、会員制レンタルボートクラブ「ヤマハマリンクラブSea-Style」の入会金が半額になるという特典。同クラブメンバーになると、入会金1万500円(通常は2万1,000円)+月会費3,150円で全国約130カ所のマリーナとレンタル艇が利用できる(別途、ボートレンタル料が発生。7,000円~)。ボートのオーナーにならなくても釣りやクルージングが楽しめるといううれしいサービスなのだ。

申込から免許取得までのスケジュール (2008年・横浜エリアで受講)
6月16日 ヤマハボート免許教室にネット申込(費用: 講習費 8万4,000円、国家試験料 2万7,700円、免許登録税2,000円、申請手数料6,300円)
6月17日 ヤマハボート免許センターから連絡。実技試験が7月31日午前中に決定。
6月19日 書類・教材一式が宅急便で届く。
6月28日 7月1日の必着期限に間に合うよう、提出書類をそろえて郵送(費用: 住民票手数料300円、インスタント証明写真代700円、切手代200円)
7月5日・6日 9:00~17:00 学科講習
7月11日 9:00~17:00 実技講習
7月22日 9:00~12:00 身体検査・学科試験
7月23日 13:30 Webサイトで合格を確認
7月31日 9:00~10:00過ぎ 実技試験
8月7日 10:00 Webサイトで合格を確認
8月13日 免許証が届く
(合計費用: 12万1,200円 ただし交通費は除く)

まず、あらかじめ設定された場所と日程コースの中から、学科講習2日(2級は1日)/実技講習1日/学科試験半日/実技試験半日(学科試験と実技試験は別日程)計5日の都合がつけられるコースを選択して申込んだ。3日後に書類・教材が届き、学科講習に向けた予習を開始する。テキストにびっしり書かれた、見たことも聞いたこともない知識のオンパレードに、かなり不安な気分に・・・・・・。

テキストと問題集 1・2級(写真は1級)、コンパス&デバイダ、三角定規、ロープワークの練習用ロープ、練習用海図(2枚)

学科講習では、1・2級それぞれ100ページ前後にわたるテキストを一気に読破した。1日目は2級受験者に必要な「操縦者の心得及び遵守事項」「交通の方法」「一般運航」の3科目を学習。1級受験者のみ、2日目に「上級運航Ⅰ」「上級運航Ⅱ」を学ぶ。講習を受けて勉強のツボがわかり、希望の光が見えてきた。実技講習では、1人のインストラクターと講習生2~3人でボートに乗り込み、実技試験でも出題される点検や操縦法を練習し、試験をシミュレート。初めて操舵席に座り、いきなり海上を疾走できてかなり楽しかった。

車と違って足を使わずに操船できるし、車線や対向車がないので、運転オンチの私でもご覧のとおり!

学科講習の約2週間後、視力 / 弁色力 / 聴力 / 疾病及び身体機能の有無を確認する簡単な身体検査と学科試験が行われた。終了後すぐに、試験会場の外に貼り出された正解と答え合わせをして合格を確信。翌日、Webサイトで合格を確認した。さらに9日後、実技試験を受験。「後進」の際に船尾の安全確認を忘れ、「着岸」でボートを桟橋にぶつけまくってしまい、やや心配だったが、1週間後に無事合格!