第44回谷崎潤一郎賞を受賞した『東京島』(桐野夏生著)

第44回谷崎潤一郎賞(中央公論新社主催)の選考会が19日開かれ、桐野夏生さんの『東京島』(新潮社)が選ばれた。副賞100万円。授賞式は10月17日午後6時から、東京・丸の内のパレスホテルで開催される。

桐野夏生さんは、1951年石川県金沢市生まれ。成蹊大学卒。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞の各賞を受賞。2004年には英訳版『OUT』が日本人初のエドガー賞候補となった。

今回の受賞作『東京島』は、太平洋の無人島に漂着した32人の物語。トウキョウ島と名付けられた孤島に、女性ひとりという逆ハーレム状況の中で、欲を剥き出しにして生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き出した長編小説。2008年5月に新潮社から刊行されていた。

桐野夏生著『東京島』

出版社名 新潮社
出版年月 2008年5月
価格 1,470円
頁数 281頁