海や山の大自然に囲まれて、自給自足の暮らしがしたい――。都会で毎日忙しく働いていると、ふと、そんなスローライフを夢見ることはないだろうか? 頑張っている人ほど、自分の今の暮らしの対極に憧れることもあるだろう。実際に移り住むほどではないにしろ、できることなら休日に少しでも"スローライフ"を味わいたい。それなら、おすすめしたいのがニュージーランドだ。

ニュージーランドで気ままな旅を楽しむなら、移動手段は車がおすすめ。キャンピングカーで全土を回る欧米人も多い

ひとことで自然といっても、南半球のオーストラリアから東南に2,000km、南極大陸から2,600km北方に位置する地理条件から、日本とは大きく異なる雄大な自然を備えているのがニュージーランドの魅力。太古の植物が鬱蒼と茂る森に、氷河を抱いた山々、巨大なクジラが悠々と泳ぐ海原など、原始の自然に触れることができるのだ。そこに住む人々は、自然の脅威と恵みの中で、シンプルで謙虚なスローライフを営んでいるのである。

そんな豊かな自然に恵まれたニュージーランドでは、シーカヤックやシュノーケリングなど海のアクティビティから穏やかな山々を見渡すウォーキングなどが盛んに行われている。イギリス人が入植したため、ヨーロッパの先進文化を持ちながら、オークランドやクライストチャーチなどの都会でも、セーリングやガーデニングを楽しみ、自給自足の暮らしを営む人々がいる。1700年代後半から多くのイギリス人が入植したため、ヨーロッパの先進文化を持ちながら、自然と共存するシンプルな暮らしを保ち続ける国なのである。次ページから、筆者が現地で体験した大自然の楽しみ方を中心に、ニュージーランドのスローライフを紹介していく。

ニュージーランドは北島と南島からなる島国であり、各地で美しい海の風景に出会える