自然は見るだけのものではない! 原始の森や氷河が織りなすニュージーランドの雄大な自然を満喫したいなら、自然の中をゆっくりと歩くウォーキングやトレッキングがおすすめだ。

クィーン・シャーロット・トラックの随所で見られる入江の風景。山々の峰がどこまでも連なっている

ニュージーランドには各地に山や谷合を歩くトレッキングコースがあり、本格的な山登りから緩やかな斜面を行くウォーキングまで自由に選んで歩けるので、子どもから中高年まで多くの人に親しまれている。大自然といっても、熊や毒蛇などの危険な動物はいないので、初めての人でも安全で気軽に楽しむことができる。これがニュージーランドでウォーキングが盛んな理由のひとつだ。コースは個人で歩くこともできるが、道案内をしてくれるガイドウォークのほうが浸透している。ビュースポットの案内や各地の歴史、植物の生態系などを詳しく説明してくれるので、申し込んでみるのもいいだろう。

(右)クィーン・シャーロット・トラックでガイドをしてくれたジュリエットさん。植物や歴史について詳しく教えてくれた(上)シダが密生する原生の山を歩いた。写真は海から眺めた山腹の風景

今回、筆者が体験したのは、南島の北端にあり、入り組んだ入江の風景が美しいマールボロ・サウンドを見下ろすコース、クィーン・シャーロット・トラックだ。海に面した峰沿いの道を歩いていくと、時折、眼下に翡翠色の海を囲む入江の景色を眺めることができる。

マウンテンバイクで山中を走ることもできる。山中で出会ったら、フレンドリーに挨拶を交わすのがニュージーランド流

新鮮な空気に呼吸まで楽しみながら、原始の森の植物に囲まれて歩いていると、東京での暮らしが別世界のように思えた。マウンテンバイクで通り過ぎる人々と挨拶を交わしながら、清々しいウォーキングを満喫することができた。

マールボロ・サウンドではシーカヤックも盛んだ。ニュージーランドの人々は自然の中でのアクティビティが大好きで、とりわけ肉体派でなくてもMyカヤックで数時間かけて海を渡ったり、カヤックで海を移動しながら陸に上がり、トレッキングを楽しんだりといったことがごく一般的に行われている。カヤックもガイドと一緒に体験することができるので、初めてでも気軽に挑戦してみてほしい。山々に囲まれた入江から大海原に漕ぎ出し、ペンギンや海鳥たちと同じ目線で海を渡る経験ができるのはニュージーランドならではだろう。