最後にスローライフとはやや異なるが、ニュージーランドの都会をご紹介しよう。旅の拠点となる都市でも、様々なアクティビティを楽しめるのがニュージーランド。北島第一の都市、オークランドでは、「シティ・オブ・セイル」(帆の街)と呼ばれるほどセーリングが盛んだ。港から入江の湾内まで気軽にセーリング体験ができるほか、海に架かるオークランド・ブリッジからニュージーランド発祥のバンジージャンプも楽しめる。潮風を受けながら海に飛び込むスリルもたまらないが、南半球で最も高い328メートルのスカイタワーから、ビルが建ち並び、車道が走る街の真中に飛び降りるスカイジャンプも人気。絶叫系の乗り物が好きな人なら、一度は体験してみたいアトラクションだ。

ニュージーランド最大の都市、オークランド。ヨットが並ぶ港の風景は「シティ・オブ・セイル(帆の街)」と呼ばれるオークランドらしい風景

クレイグさんが自家製の野菜や燻製サーモンで作ったキッシュ。素材の味がしっかりと生きていた

一方、南島最大の街、クライストチャーチは、その名の通り大聖堂を中心に英国調の洗練された街並みが広がる穏やかで風情ある街。木々に囲まれたエイボン川でのパンティングや、アンティーク調の路面電車・トラムでの周遊など、ゆったりと旅を楽しみたい人におすすめだ。街の西側には182ヘクタールの広大な敷地を持つハグレー公園があり、春にはフラワーフェスティバルで国内外から多くの人が訪れる。今回、クライストチャーチで個人宅に訪れたのだが、ご主人のクレイグさんが庭で採れたニンジンで作ったキャロットケーキや、自分で釣って燻製にしたサーモンのキッシュを振舞ってくれた。クライストチャーチのような"都会"であっても、自然にスローライフが実践されているのがニュージーランドなのである。

オークランドらしさを味わうには最適のセーリング体験。湾内を巡るセーリングツアーやディナークルーズも用意されている

オークランド・ブリッジからのバンジージャンプはオークランドの人気のアクティビティのひとつ。海にダイブするスリルが味わえる

(上)クライストチャーチ名物、パンティングを体験。ハグレー公園の自然をゆったりと満喫することができる(右)クライストチャーチのハグレー公園は人々の憩いの場。ウォーキングやジョギングをする人も多い

このように、都会でものんびりと自然とともに生活を楽しんでいる国、それがニュージーランドだ。ちなみにニュージーランドの季節は、南半球に位置するため日本と逆。カヤックなどのアクティビティを楽しむなら、春から夏にかけての9月~2月がベストシーズンとなる。今から計画を立てて、遅めの夏休みや正月休みに訪れてみてはいかがだろうか。

移動の合間に立ち寄った温泉リゾート、ハンマースプリングス。山々に囲まれた景色と本格的な硫黄泉を満喫することができた