――先ほど、キャラクターが好きだというお話がありましたが、商品化する仕事をご自身で楽しんでらっしゃる部分があるわけですか?

「"自分が楽しくないと買っていただくお客さまも楽しくないでしょう"っていうのが、やっぱりありますんで。それは一番気をつけてますね。欲しい人に欲しいものを作って提供しようと。その思いがないとできないですね。そういうお客さまに支えられて、ここまで続けてこられたのかな、と思います」

「Excellent Model Series P.O.P ワンピースシリーズNEO-EX トニートニー・チョッパー」。2008年2月発売
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

TVアニメ版キャラクターでは初の立体化となった「Excellent Model Series ひぐらしのなく頃に」の竜宮レナ(写真左)と園崎詩音(右)。詩音のフィギュアには、パーツの差し替えで双子の姉・魅音を再現できるという、おまけ要素も盛り込まれている。2007年1月発売
(C)2006竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会・創通

――仕事をするうえで、心がけている点はどんなことですか?

「仕事のテーマ・商品のテーマとしてよく言ってるのは、笑いがないとダメだと。笑えなきゃダメなんですよ、お客さまが商品をご覧になったときに。今回のランバ・ラルとドズル・ザビもそうなんですが、見た瞬間に、だいたいの人が笑うんですよね。笑いがない商品は寂しいですね。それが嘲笑だと困っちゃうんですけど(笑)。"こんなもん作ったのかよ"でも"これ、欲しかったんだよね"でもいいですけど、やっぱり笑顔になっていただきたいんですね。「こだわり」っていう言葉はあまり好きじゃなくて、ものを作ってる以上、当たり前のことなので。そうじゃなくて、笑いをもたらしたい。これがテーマですね」

――なによりも、お客さまが満足してくださることが重要……。

「お買い求めいただいたユーザーさんを裏切っちゃいけないと。例えば、会社が大儲けした5,000円のものでも、会社的には赤字の5,000円のものでも、お客さまにとっては同じ5,000円ですから。関係ないですからね。ちゃんとその5,000円分の値段相当の、欲を言えばそれ以上の価値をお客さまがちゃんと感じてくれないとダメなのかなあと。お客さまが満足してくれなかったら僕の負けで、お客さまが満足してくだされば、両方の勝ちですから」

――それは、商品と一緒に何らかの思いを届けてますね。

「そうだといいですね。そうなってほしいと思ってますね」

金子氏が手がけたシリーズのひとつ、Excellent Model Series P.O.P ワンピースシリーズ