米Wall Street Journalを始めとする一部海外報道は、BMW Sauber F1 Team(BMWザウバーF1チーム)が、新たなハイブリッドシステムを搭載するF1レーシングカーの投入を、来シーズン中にも計画しており、早くも今夏より新F1カーのテストに入る予定であることを伝えた。

同報道によれば、独BMW AGのモータースポーツ部門を率いるMario Theissen氏が、ドイツのフランクフルトにて明らかにした話として、BMWザウバーF1チームは、来シーズンよりハイブリッド技術の本格導入を予定しているという。まず最初の導入段階としては、ブレーキエネルギー回生システムの採用が挙げられており、リチウムイオン電池やスーパーキャパシターを用いたコンポーネントの開発が、現在進められているようだ。

すでに国際自動車連盟(FIA: Federation Internationale de l'Automobile)は、F1レーシングカーのブレーキエネルギー回収・再利用を認める方向にレギュレーションの改定を行っており、BMWザウバーF1チームが開発中の新システムでは、最長6秒間で60キロワットのパワーを供給可能。瞬時に80HP出力アップさせる性能を備えているという。

新システムの搭載により、F1カーの車体重量もアップしてしまうことになるが、現在搭載予定のブレーキエネルギー回生システムによる重量増加は、110ポンド(約49.9kg)未満にとどまるため、FIAが定める規定重量を超えることはないとの説明もなされている。

なお、当初はF1レーシングカーへの導入により、レース本戦でのアドバンテージを引き出すことが目標に掲げられているものの、すでにBMW AGは、ハイブリッドエンジンを搭載するコンセプトカーや、量産型水素自動車による環境対策なども提唱しており、燃料効率を高める今後の技術革新の実用化も大いに期待される。