民主党はこのほど、有害サイト規制法案の最終案となる法案骨子をまとめた。18歳未満の未成年者が有害サイトを閲覧できなくするためのフィルタリングを携帯電話会社やPCメーカーに義務付けているほか、フィルタリングソフトを開発する会社の努力義務として、自殺サイトや闇サイトなどの閲覧制限ができるソフトの開発を定めている。

民主党では、「違法・有害サイト対策プロジェクトチーム(PT)」において、事務局長の高井美穂衆議院議員の私案をたたき台として、有害サイト規制法案の策定作業を進めてきた。

今回同党の次の内閣(Next Cabinet)で了承された最終案では、携帯電話企業に対し、保護者の反対の意思表示がない限り、18歳未満の未成年者にフィルタリングサービスを提供することを義務付けている。また、PCメーカーに対しても、フィルタリングソフトのプレインストールを義務付け。ISPに対しては、フィルタリングサービスのオプションとしての提供、またはフィルタリングソフトのPCへのダウンロードの機会を提供すべきと定めている。

一方、高井議員の私案で明確に示されていた有害情報の定義に関しては、特に定めなかった。その代わりとして、

  1. 子どもに対し、著しく性的感情を刺激する情報
  2. 子どもに対し、著しく残虐性を助長する情報
  3. 子どもに対し、著しく自殺または犯罪を誘発する情報
  4. 性または暴力に関する情報であって人の尊厳を著しく害するもの、著しく差別感情を助長する情報その他人の尊厳を著しく害する情報

などを例示、フィルタリングソフト開発企業の努力義務として、これらの情報の閲覧を制限できるソフトの開発を求めている。

また、サイト管理者とISPに対しては、18歳未満の未成年者への有害情報を自ら発信する場合や有害情報が発信されたことを知った場合は、高井議員の私案に沿った形で、同情報の閲覧防止措置(同措置として削除を想定)を努力義務として定めた。

有害サイトの審査に際しては国の関与を懸念する声があるが、民主党では同法案の「民間団体の活動の支援」項目で、第三者機関など有害サイトを審査する民間団体を国や自治体が支援すると定め、直接的な国の関与は避ける方針を示した。

有害サイト規制法案に関しては、自民党などの与党でも法案策定作業が進行中だ。民主党では、今回まとめた法案を国会に提出し、衆議院青少年特別委員会の場で与党と協議の上、「委員長提案の形で議員立法として今国会成立を目指す」としている。