画像付きのチェーンメールで中傷、脅迫

「このメールを転送しないと被害を及ぼす」として、多人数への転送を強いるチェーンメールの被害も深刻だ。安川氏によれば、携帯で撮影した画像は簡単に添付できることから、こうした画像をチェーンメールに添付したいじめも横行している。

プロフの深刻な実態などが、ホワイトボードを使って説明された

まず、いじめの対象となった男子生徒がトイレに行くところを見計らい、大人数でこっそり付いていく。その生徒が用を足しているところを、横に並んだいじめ側の生徒がメールをしているように装い、生徒が用を足している写真を撮影。その際、シャッター音に気づかれないように、他のいじめ側の生徒が手洗い場所などで騒いでシャッター音を聞かれないようにする。

だが、いじめ側の生徒たちはこれをすぐにチェーンメールにアップはしない。なぜなら、すぐにアップすると、誰がトイレで横にいたか分かる可能性が高いからだ。そうして数日後にアップしたチェーンメールには、「これを転送しなければどこで止まったかはすぐ分かる。そうすればお前の画像もアップするぞ」との脅し文句を付けてメールを送る。「自分の画像が広まったら生きていけない」と思い込んだ生徒たちは、転送してしまう。

安川氏はこうした事例について、「これはもういたずらの域を超えて犯罪。(1)チェーンメールがどこで止まったか分かる技術は現在存在しない、(2)転送したら共犯者になる、ということを先生が児童・生徒たちにきちんと教えなければならない」と力説した。

犯罪の露見防ぐため大人も子どもも沈黙

先日殺人未遂事件にも発展したプロフィールサイト(プロフ)は、性犯罪の温床となっている。「出会い系にはサクラしかいないことに気づいた小児性愛者らが、確実に子どもにアクセスすることができるサイトとしてプロフに群がっている」(安川氏)というのだ。

プロフでは、手っ取り早くお金が稼げることを知った児童らが、「職業:JK(女子高校生)」、「ここだけの話、苺佐保(イチゴサポート=1万5,000円で売春します)」、「WU吉(福沢諭吉2枚=2万円で売春します)」などの隠語を書き込み、援助交際に応じる例も多数でてきている。

だが、こうした実態を保護者はほとんど知らない。ある学校のクラスで、「プロフを持っている人」と生徒に聞くと、ほぼ全員が手を挙げた。だが、そのクラスの保護者の会で「お子さんがプロフを持っている人」と聞くと、誰も手を挙げなかったという。

安川氏は、プロフを掲載するサイトも問題視する。そうしたサイトに出ている広告は、ソープランドやデリヘルなど風俗が大半で、「1日で5万円稼げる」などとしており、「こんなことを知ったら、将来まじめに働こうとする意欲がなくなる可能性もある」(同氏)。

さらに、プロフで知り合った大人と子どもは犯罪が露見するのを防ぐため、両者とも沈黙することがほとんどであり、「事件になってようやく発覚することが多い」(同)という。安川氏は、「先生たちがもっとこうした現実を見なければならない」と訴えた。