いよいよ突入したゴールデン・ウィーク。飛び石で若干残念な感じも否めないものの、ゴールデンはゴールデン。これでもかと楽しまなければ損というものである。まだ予定が決まっていないアナタには是非映画をオススメしたい。邦画、洋画ともに話題作が続々公開されている。柴咲コウ主演『少林少女』、松下奈緒主演『砂時計』の写真満載の初日舞台挨拶のレポートと共に、このGW必見の作品を詳しくお届けする。

まずは柴咲コウ主演の『少林少女』を26日に行われた舞台挨拶の模様と共にご紹介しよう。

『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、ヒット作を次々生み出しているフジテレビプロデューサー亀山千広と、『少林サッカー』『カンフーハッスル』などで知られるチャウ・シンチーが共同プロデュースした本作。26日の公開初日には、国内屈指のキャパシティを誇る東京・日劇1を満員にしての好スタートを切った。初回上映後、キャストと監督が登壇しての舞台挨拶が行われた。

客席を通っての登場に観客は大喜び

『少林少女』STORY

祖父の少林拳道場を継ぐため、中国にある「少林拳武術学校」へ修行に出ていた桜沢凛(柴咲コウ)。厳しい修行に終えて日本に帰ると、道場は廃墟化し兄弟子たちは姿を消してしまっていた。何とか独りで少林拳を広めようと奮闘する凛は、類まれなる身体能力を持つがゆえに、ひょんなことから大学のラクロス部の助っ人に!チームは勝ち進み、仲間と道場再建に向け着々と準備が進む中、凛の後を追う黒い影が……。 凛を狙う黒い影の正体? なぜ兄弟子たちは少林拳を辞めてしまったのか? そして、凛は道場を建て直し、少林拳を広めることが出来るのか……。凛の少林拳への熱い思いが、奇想天外・抱腹絶倒・超絶感動のクライマックスを呼び起こす。

左から本広克行監督、江口洋介、柴咲コウ、仲村トオル、岡村隆史

「ここでケガをしてしまったら後の撮影に支障を来す、というシーンだけは涙を飲んでスタントにお願いしました」という柴咲

まず、主役の桜沢凜を演じた柴咲コウが挨拶。

「2年前から武術の練習を始め、1年前に撮影がスタートしたこの映画がようやく公開されて本当に嬉しいです。皆さん、どうでしたか……?」と客席に呼びかけると、大きな拍手と共に「サイコーだよー!」という声が。「よかったー! この映画でみんながちょっとでも元気になってくれたらいいなと思います」と嬉しそうにコメントした。

「えー、岡村くんに一言。スピンオフを狙ってるのはキミだけじゃないぞ!」と、いきなり宣戦布告を叩き付けたのは、国際星館大学の学長にして、凜に闘いを挑む謎の男・大場雄一郎役の仲村トオル。「アクションはね、僕もスタートがグラビアアイドルだったものですから……ウソですけど」とボケをかまし、岡村に「ボケすぎです」とツッコまれていた。

仲村といいコンビネーションを見せる岡村は国際星館大学の職員・田村龍司役。「仲村さんより一足早くスピンオフが決まりかけております。タイトルも『少林ちっちゃいオッサン』で準備が進んでおります。あと、どうやら『踊る(大捜査線)3』にも出演が決定しまして……」と何とも景気の良い話を。司会の笠井信輔アナに「今のお話、フジテレビ的にはちょっと……」と釘を刺されると「まだ何にも決まっていません。オファーお待ちしております!」と急いで前言を撤回した。

コントを演じているかのような仲村と岡村

少林拳の道場で凜を鍛えていた師匠・岩井拳児を演じるのは江口洋介。「皆さんの盛り上がりを見て、この映画が大成功したんだなと実感してます。岩井は戦わない、逃げるが勝ち、みたいな男なんですけど楽しく演れました」。

そして、『踊る大捜査線』シリーズの監督を務める本広克行監督は「アクション映画ですが、悪い人が誰もいないし、血もほとんど出ないような作品なので、家族みんなで見ていただければ。本気で作りました」と自信のほどをうかがわせた。

建物が燃えるシーンはCGではなく、実際に火の側で撮影したという。「熱かったですけど、そういうアナログなところとCGのデジタルさが噛み合って面白くなるんだなあと」

出来に大満足の様子の本広監督

この役が来たとき、柴咲は最初「自分には無理だ」と思ったという。「基礎練習が辛かったですね。体が硬かったので、柔らかくするのに半年以上費やしました」。しかし、厳しい鍛錬を積み、9割方のアクションシーンはスタントなしで演じるまでに。劇中、岡村に顔面を蹴られるシーンがあるが、これも実際に蹴られているのだとか。「でも、蹴ってるのは僕じゃないんですよ。そこは女優さんの顔、ってことでね。柴咲さんの顔、蹴りたくないですか? って亀山(プロデューサー)さんに言われたのに!」と蹴りそこなった岡村はとても残念そうだった。

「しばさん(柴咲)とは身長が同じなんで、アクションの息もぴったりだったんですよ。あんまり息が合いすぎて京劇みたいになってました」(岡村)

体当たりのアクションにド迫力のCGを組み合わせ、心から楽しめるエンタテインメント作品に仕上がっている『少林少女』。完成したフィルムを見た柴咲は「最初、大人の目線でちょっと冷静に見るような感じで試写室に入ったんですけど、『少林少女』のタイトルが出てきたとき、涙が出てきたんです。なんで私、そんな斜めから見ようと思ってたんだろうって。この映画のまっすぐさに感動しました」と力強くアピールした。

最後は黄色に染められた客席をバックに

『少林少女』は全国東宝系にてロードショー中。