1級に合格したい! "江戸好き"が試すDS『江戸文化歴史検定』

私の本職はイラストレーターなのだが、カルチャーセンターで江戸の史跡巡りの講師をやるほど"江戸好き"である。だから、『江戸文化歴史検定』が2006年に初めて開催された時もすぐに受検した。私が受けたのは3級と2級で、公式テキストを1度読んだだけですんなり合格できた。日頃の江戸の史跡巡りで培った知識が、役に立ったわけだ。しかし、2007年に受検した1級は、さすがに難易度が高く惨敗してしまった。2級と3級があっさり合格できたのですっかり油断したのが仇となったようだ。

『江戸文化歴史検定』は、江戸東京博物館と小学館・小学館プロダクションからなる江戸文化歴史検定協会が実施している検定で、2006年から年1度、11月3日(文化の日)に開催されている。今年2008年も11月3日に開催される予定だ。

同協会によると3級、2級、1級の違いは海外旅行に必要な知識にたとえることができるという。まず3級合格に必要な知識は、短期の観光旅行レベル。2級合格に必要な知識は短期留学のレベル。1級合格は現地で旅行ガイドとして生計が立てられるレベルなのだそうだ。そう自分に言い聞かせても悔しさばかりが募る。その江戸文化歴史検定の勉強が、楽しくできるDSが発売されたので、さっそく体験させてもらった。

まず、スタートすると3つのモード「江戸文化歴史検定」「江戸さんぽ」「大江戸ミュージアム」が選べる。「江戸文化歴史検定」は、1級、2級、3級を選べ、本番と同じように90分間で100問答えなければならない。

たとえば3級では、「江戸時代、三都と通称された都市は、江戸と京とどこでしょう? 」という問題が表示され「(い)大阪(ろ)奈良(は)長崎(に)神戸」の中から選ぶことになる。答えは「(い)大阪」。正解だ。2級までは合格しているのだから当然ではある。 とはいえ、2級の問題になるとやはり少々難しくなっている。「"火事と喧嘩は江戸の華"、江戸はたびたびの火災に見舞われました。では、明暦3年(1657)の大火を機に創設された消防組織は、次のうちどれでしょう? 」という問題が出題される。解答は「(い)定火消(ろ)大名火消(は)店火消(に)町火消」の中からたった1つ。どれも似たような感じでいかにもありそうな名前の引っかけ問題だ。答えは(い)定火消。こうした問題が100問出て来る。

検定終了後、解答が間違っている場合は赤く表示され、正しい答えと解説を見る事が出来るので、次からは間違えないという自信が生まれてくる。ちなみに、江戸文化歴史検定モードは1日に1回しか挑戦できないそうで、本番さながらの緊張感が味わえるのも魅力。また、過去の検定結果はグラフとして表示され、何度も受検するうちにどれくらい点数が上がったのか一目で分かるようになっている。

「江戸さんぽ」のモードでは、江戸検定のマスコットキャラクターの犬の"つなよし"と一緒に江戸の地図上の名所を見ることが出来る。見たいところに触れるとそこに犬のつなよしが移動。主な街道や旧跡が下の画面に、今の地図が上画面に出てくるので、今ビルが建っているところに昔何があったのかなどわかって楽しめる。

「大江戸ミュージアム」のモードでは「動く浮世絵」「江戸時計」「職人紹介」「つなよし写真集」「人物浮世絵」「人物木札名鑑」の6つの中から選べる。たとえば「動く浮世絵」の中から見たい浮世絵を選ぶと、選んだ浮世絵の雲が流れたり人が動いたりする。また「江戸時計」では、今の時刻を江戸時刻でなんと表すか1目で分かるようになっている。ちなみに江戸時代の時間は、日の出と日没の時間を基準に1日を12刻に分けた不定時法。日の出から日没を6等分するのが昼の1刻、日没から日の出を6等分するのが夜の1刻だ。春・秋分の日はちょうど1刻が2時間となるけれど、これに比べ夏は昼の1刻が長く、夜の1刻が短い。冬は昼の1刻が短く、夜の1刻が長くなる。そんな風に季節によって時間も変わるので、ちゃんと「春時計、夏時計、秋時計、冬時計」という表示もあり、季節によって同じ時間でも江戸時間なら何時だという事が解るようになっている。

お気楽に楽しめて、いつの間にか江戸の知識も増えそうだ。このゲームをやり続ければ、今度こそ1級合格できるような気がする。

(C)江戸文化歴史検定協会 (C)2008 Marvelous Entertainment Inc.

タイトル	江戸文化歴史検定DS
ゲームジャンル	えどケーション
対応機種	ニンテンドーDS専用
価格	3,990円