夕張市の財政破綻により一時休止となっていた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が、地元NPOなどの活動により復活、3月19日から5日間の日程で開催された。復活第1回目のオープニング作品に選ばれた作品は「僕の彼女はサイボーグ」。クァク・ジェヨン監督と山本又一朗プロデューサーが共に2003年映画祭で審査員を務めた際に生まれたという、夕張にゆかりある作品だ。

3月20日、同作主演の綾瀬はるか、小出恵介、そしてクァク・ジェヨン監督と山本又一朗プロデューサーがオープニング舞台挨拶に登場した。

当日、関係者はJR新千歳空港駅発の特別列車に乗り込んで出発。途中、新夕張駅に3分程停車程すると、地元の保育園児たちが花束を持って登場。綾瀬、小出は「かわいい!」と言いながら頭をなでなで。他の通過各駅でも、夕張市民が黄色い旗を振って「おかえりなさい!」とゲスト達を歓迎していた。

大勢の市民の歓迎を受けるゲスト達

映画祭の復活をうけて、市民は「おかえりなさい」の言葉でゲストを迎えているのだという。特別列車が目的地の夕張駅に到着したのは15時13分。ブラスバンドの演奏と、大勢の市民が振る黄色い旗がゲスト達を出迎えた。

歓迎ムードの中、コメントを求められる小出と綾瀬

オープニング上映前舞台挨拶は、ゆうばり市民会館大ホールにて行われた。綾瀬はるか、小出恵介、クァク・ジェヨン監督、山本又一朗プロデューサーが登壇し、600人収容の会場は超満員となった。

初めて訪れた夕張の感想を聞かれて、綾瀬は「雪がとてもきれい。北国なのに、地元の人々がとてもあたたかく迎えてくれて嬉しかったです。」とコメント。また小出は、"おかえりなさい"と迎えられたことについて「東京の舞台挨拶とは違う迎えられ方で、最初はリアクションに困りました」と述べたが、熱烈な歓迎に嬉しそうな様子。

大きな"ゆうばりメロンケーキ"を前に、折り紙の首飾りを掛けた綾瀬

そして、3月24日に23歳の誕生日を迎える綾瀬に、地元の子供達から寄せ書きと折り紙で作った首飾り、そして"ゆうばりメロンケーキ"がプレゼントされると、綾瀬は大感激の表情。作品中で、ジロー(小出)が綾瀬演じるサイボーグに頭をケーキへ押し込められるシーンがあることから、小出と監督が「今回もあんな風にされるんじゃないかと思った。」という場面も。

これがそのシーン

韓国から来日したクァク・ジェヨン監督は、作品について「ゆうばりで生まれた、思い入れのある作品なので、あたたかく観て欲しいです。日本や、韓国といった国の特定をしていないので、国を超えて愛される作品となって欲しい」と述べていた。

『僕の彼女はサイボーグ』は、同監督の『猟奇的な彼女』、『僕の彼女を紹介します』に続く作品。ちょっと頼りないジローと、パワフルな"彼女"の恋を描くSFファンタジーなラブストーリーとなっている。

誕生日を一人で過ごす寂しい大学生ジロー(小出恵介)の前に、突然キュートな"彼女"(綾瀬はるか)が現れる。彼女と過ごした数時間は人生の中で最も輝ける時間となるが、突然彼女は姿を消してしまう

5月31日 サロンパス ルーブル丸の内他全国松竹・東急系にてロードショー

(C)2008「僕の彼女はサイボーグ」フィルムパートナーズ