Booksベストセラー週間総合ランキング3月7日~3月13日では、「流星の絆」と「零崎曲識(ぜろざきまがしき)の人間人間」の2タイトルが新登場でトップテン入りした。

3月7日~3月13日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 女性の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
2位 流星の絆(講談社) 東野圭吾
3位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 零崎曲識の人間人間(講談社) 西尾維新
5位 ヘキサゴンドリル(扶桑社)
6位 脳を活かす勉強法(PHP研究所) 茂木健一郎
7位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
8位 親の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
9位 犬と私の10の約束(文藝春秋) 川口晴
10位 1分骨盤ダイエット(三笠書房) 大庭史榔

「流星の絆」(東野圭吾)は、2006年に「容疑者Xの献身」で第134回直木賞を受賞するなど圧倒的な筆力で本格的・実験的なミステリーを数多く世に送り出してきた作者による新刊。14年前に両親を惨殺され、詐欺師として生き延びていた三兄弟が最後のターゲットに選んだレストラン御曹司の父親は両親の仇だった。だが、仇討ちのために御曹司に接近した三兄弟の妹は次第に彼に引かれていく……。本作は約1年間にわたって週刊誌に連載されたもので小説としてはかなり厚いが、展開の早さは読者に息をも付かせぬ勢いがある。

「零崎曲識の人間人間」(西尾維新)は、「このライトノベルがすごい!2006」で1位を獲得するなど若年層の間で高い人気を誇る作者による人気シリーズ。殺人鬼集団「零崎一賊」の三天王の1人である零崎曲識の外伝的エピソードを描いたもの。続き物であるため背景を知らないとわからない部分もあるかもしれないが、軽いタッチで気軽に描かれているため誰でもすぐに不思議な世界に引き込まれる作品だ。

今週の注目

彼女があのテレビを買ったワケ(ハー・ストーリィ / 1,429円(税別)

誰にでも「お気に入りの店」はあるだろう。では、幾つありますかと聞かれたらどうだろう。自分の場合、総合的な判断でひとつのジャンルに対して最高の1件を自分の中で決めているように思う。だが、女性の友人を見ているとお気に入りの店が数限りなくあることがわかる。なぜ女性はいろんな店に行くのか……。それを教えてくれるのがこの一冊。女性は「ケーキがおいしい店」「雰囲気がいい店」「置いている雑誌のセンスがいい店」などと店を見分け、その時の気分で選ぶのだという。

また、男性と女性を比較して購買行動の違いを対照させ、女性に受けるためにはどこに訴えるべきなのかを丁寧に描いている。男性の買い物の基準はおおむね客観的。スペックや価格などを冷静に比較するが、女性は購入するプロセスを重視し、実際に購入する際には「幸せになっている自分」をイメージする。その基準は非常に主観的だとする。

ここまでなら単なる男女比較論だが、本書は男女問わずマーケター向けに書かれたビジネス書でもある。特に女性向け消費財の商品企画やプロモーションなどを行ってきた著者がその経験を踏まえ、「自分が主観的に感じた商品の良さを客観的に説明できるようになれ」と女性に対して説く部分は興味深い。