デビルマンアート・コレクション、竹谷隆之版デビルマン
(C)永井豪/ダイナミック企画

――安斎さんが、今、手がけておいでのお仕事は、どのようなものですか?

「今、フィギュアのブームが沈静化してきて、二極分化してきてますね。1つは、極めてコアな層に向けて作るもので、ハピネットさんでやっている『R.A.W.S./リアルアート・ワークス』『G・R・O』といったシリーズです。もう1つは、アミューズメント用の景品を作る仕事です」

――アミューズメントということは、オタクではない、一般の人たちに向けた、あくまでレジャーとしてゲームセンターなどを訪れるお客さんを対象とした商品ということですね。

「そうですね。今まで手がけたことのない分野なので、1つの挑戦として、自分の仕事の幅が広がっていったらいいと思います」

――それは、オタク的な要素を排除した商品ということになるんでしょうか?

「いや、そうはならないです。逆に僕が作ると、どんどんオタク的になっていくんですよ」

――それは、なぜなんですか?

「自分でデザインするからでしょうね(笑)。例えば、『鉄人28号』の商品を作るとすると、当時の掲載誌『少年』の別冊附録の表紙をコラージュしちゃうんですよ。だって、そういうの欲しいじゃないですか(笑)」

――欲しいですよね(笑)。

「自分が欲しいものをまず作りますからね」

――作っちゃいますよね(笑)。

「ただ、それだけじゃダメで、一般の若い女性にも受け入れられヒットに結びつくような、かわいさとか、そういったものもうまくブレンドして、オタク的な要素はあくまで隠し味として入れて世に出す。これが今年のテーマですね」

――そんな玩具プロデューサー安斎レオさんの今後は、一体どうなっていくんでしょう?

「『ゴジラ』や『ウルトラマン』も、当時は子どもだましという言葉に代表されるような、一種ゲテモノ扱いされていた面もあったわけですよね。それが今では、一流のスタッフによって創り出された優れた作品だということが、だんだんわかってきたわけです」

――そうですね。すると、オモチャについても同様のことが言えると……。

「ええ。オモチャって、どこか格下に見られている部分があるじゃないですか。だから、それを覆すような仕事をしていきたいと。今まで自分が手がけたホビー、玩具のノウハウを活かして、自分と同世代の40代、50代の方々に向けた、アーティスティックな商品を作っていきたいですね」

――今後のご活躍に期待いたしております。どうもありがとうございました。