――新しいバリエーションについて教えてください。

「はい、チョロQデッキシステムと言いまして、小学生の男の子たちに向けた商品です」

――どのような特徴がありますか?

「ハード的にすごく新しくなっていまして、このようにチョロQのパーツが立体的な3種類のカード状に分かれています。これらを重ねていきますと、1台のチョロQができあがるという仕組みです。さらに一旦戻すと、また元のカードの状態になりますから、別なカードと組み換えていただければ、違ったパーツでチョロQを構成して、簡単にカスタム化することができます」

チョロQデッキシステム。上の3つのパーツを組み合わせると左下のようなチョロQが完成する。右下は、パーツを重ね合わせた後、チョロQを取り外した状態で残されたカード部分
(C)TOMY

――今、3種類のカードとおっしゃいましたが、それぞれどんなカードですか?

「一番上がボディカード、つまり車体の上部ですね。そして、間にリヤカードといって、シャーシの後ろ半分のゼンマイ部分の入っているカード。これを挟んで、一番下がフロントカード、つまりシャーシの前半分の部分。先端にはブレードが付いています」

チョロQデッキシステムのパーツを組み合わせる関根さんの手。大人の手の大きさと比べるとカードのサイズは、こんな感じ
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――チョロQでありながら、カードゲームの要素も取り入れているというわけですね。

「ええ。やはり、今の子どもたちの遊びのトレンドを考慮しまして、立体ホビーという形に反映しています」

――どのようにして遊ぶんでしょう?

「以前の弊社の商品、旧タカラで販売しておりましたベイブレードと同様、対戦させて遊ぶことができます」

チョロQデッキシステムのセット商品のひとつ、「ハイパースピードオペレーション」
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チョロQデッキシステムのセット商品のひとつ、「オフィシャルボックス」。対戦用のコースと2台のチョロQのセット。買って組み立てれば、すぐに遊ぶことができる
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――こちらのコース上を走らせるわけですね。

「はい。こうして2台をチャージして、コース手前の中央に背中合わせに置きます。そこで、手を離して同時にスタートさせると(お互いにコース上を逆向きに進む2台のチョロQ。それぞれコースを半周して衝突。一方が、はじき飛ばされてコースから落ちる)。こうしてぶつかって、相手をはじき飛ばしたほうが勝ちです」

――勝敗を左右する要素はなんでしょう?

「まず、車体前部に付いているブレードの種類です。3種類ありまして、ブレードが1本出ているのが『じゃんけん』でいうグー、ブレードが2本のものがチョキ、3本あるものがパーになります。これらが『じゃんけん』のグー・チョキ・パーのように作用します。例えば、グーとチョキが衝突しますと、グーのブレードがチョキの下に潜り込みますから、相手をすくい上げ、跳ね飛ばして勝つわけです」

――なるほど、おもしろいですね。しかし、これだけだと……。

「そうなんです。コースに置いたとたんに勝敗が明らかですよね(笑)。ですから、そうならないよう工夫しています。このコースを見ていただきたいのですが、今申し上げた『じゃんけん』のルールが発揮されるのは、コースの青い部分(ストレートレール)で衝突した場合です。ところが、その前後に接続された白い部分(ワイドレール)はコースの幅が少し広くなっていまして、『じゃんけん』の勝ち負けが逆になります。コースが広い分、2台の衝突のポイントが上から見て左右にズレることで、今度はさっきとは逆にチョキのブレードがグーの下に潜り込むことで逆転するわけです」