東京藝術大学彫刻科は、同大学美術館陳列館において「物語の彫刻」と題する企画展を12月2日まで行っている。

大竹利絵子 「魔法のかたち」「5本脚」 2007

同大学彫刻科では、現代における彫刻のあり方を問う企画展を隔年で企画し、開催してきた。1997年「空間の変容」展、1999年「彫刻―具象表現の解体と構築」展、2001年「垂直の時間 彫刻―過去・現在・未来」展、2003年「彫刻の身体」展、2006年「スキノデリック-彫刻の表層-」展と、いずれも学内および社会に問題提起するものとして注目されてきたという。

今回で6回目にあたる同展では20世紀以降、美術の主題が宗教から離れ、純粋化、抽象化、細分化の道をたどったが、21世紀になり様々な問題を再び「物語」としてとらえて彫刻の主題に取り込んでいる作品が増加していることを踏まえた構成になっているという。

小俣英彦 「アトモス」 2007

津田亜紀子 「史話(あるいは錬金術)」 2007

11月25日13時からは、「アーティストトーク」と題して出品者13名による作品解説も行われる。会場は東京藝術大学大学美術館陳列館。開催時間は午前10時~午後5時まで。休館日は月曜となっており、観覧および「アーティストトーク」参加はいずれも無料。