続く第二部は、唐沢なをき氏による「5円引きパチ怪獣ブロマイド」の紹介。「5円引きパチ怪獣ブロマイド」とは、怪獣ブームのころ、駄菓子屋で1枚5円で売られていたパチ怪獣の絵が印刷されたブロマイドのこと。好事家の間では、今でも取り引きがなされているという。一般には、見たこともないような怪獣が描かれているが、パチ怪獣ファンの間では、むしろ定番とも呼ぶべき商品だ。

大怪獣コドン。えもいわれぬ既視感が漂ってくる
(C)ヨコプロ

大怪獣クモンと大怪獣スコロザウルス。やはり同様の既視感が……
(C)ヨコプロ

これらは無論、これまでに開催された「パチモンサミット」の中でも紹介されているが、今回は「再放送」ということで、これまでとは違った紹介のされ方がなされた。すなわち、これらのブロマイドに登場するパチ怪獣を実際に立体化したのだ。これは、ガシャポンのHGモデルに改造を施したもので、唐沢氏のマイミクさんが製作したのだという。

一方の唐沢さんはといえば、ブロマイドをパソコンに取り込み、怪獣の絵の部分を消して、背景だけの絵を作り出した。この背景の上に立体化したパチ怪獣を置くと、平面のブロマイドを見るのとはまた違った、独特の趣のある情景が出現するのだ。無論、ブロマイドの中の怪獣が車を襲っていれば、背景と怪獣に加えて車のミニチュアを添えることも忘れない。いや、実に味わい深いものを見せていただきました。

そして第三部は、堤哲哉氏による「少年キング3週連続連載・ミイラののろい」。これは、当時刊行されていた少年画報社の週刊漫画雑誌「少年キング」に、3週にわたって連載された絵物語で、「怪獣大図鑑」などの著書で知られる大伴昌司の作品である。

そのストーリーは、「京都国立博物館で開かれている『古代エジプト展』では、王家の谷から発掘された巨大なミイラが展示されていた。このミイラは、4,000年後に蘇ると予言されていた。ある夜、ミイラは予言どおりに蘇ると、博物館とそのそばの三十三間堂を破壊。やはり展示されていた守り神のスフィンクスも蘇り、口から炎を吐き出し、京都市は火の海と化す」

「このままでは古いお寺や仏像が絶滅してしまう。そのとき、日本の古い言い伝えのとおり、奈良の東大寺の仁王像が巨大化して金剛棒を振り回し、お供の唐獅子とともに京都へ移動、怪物ミイラと闘う。格闘する両者は、大阪国鉄吹田操車場へと来てしまう。口からネバネバするイヤな臭いのする毒液を吐く怪物ミイラ。危機に陥ったマンモス仁王を救ったのは、一旦、奈良に引き返し東大寺大仏殿の香炉をくわえて戻ってきた唐獅子だった」

「阿蘇山へと逃れる怪物ミイラとスフィンクス。追撃するマンモス仁王と唐獅子。阿蘇山から噴き出す溶岩を浴びた怪物ミイラとスフィンクスは、有明海へと転がり落ち、ついに海のもくずと消えた。メデタシ、メデタシ……と思いきや、猛スピードで宙を飛んでくる二つの影が……。なんと、北京の国立博物館に飾られていた怪物ミイラの兄が蘇り、同じく展示されていた北京猿人を引き連れて、弟の敵討ちにやってきたのだ」

「兄ミイラは、前もって引っこ抜いてきた万里の長城をムチのように振り回して(笑)、マンモス仁王に襲いかかる。銀の数珠を投げつけて反撃するマンモス仁王。すると、数珠の神秘の力によって、北京猿人は白骨と化した。そのとき、なぜか、兄ミイラに背を向け、飛び去るマンモス仁王と唐獅子。マンモス仁王と唐獅子は、宇宙センターができたばかりの種子島まで兄ミイラをおびき出したのだ」

「宇宙センターでは、長さ70メートルもの新しいロケット5基が完成して、打ち上げを待っていた。追ってきた兄ミイラを背負い投げするマンモス仁王。すかさず、兄ミイラめがけてロケットが発射された。ロケットによって串刺しにされた兄ミイラは、大気圏外へと運ばれていった。ついに闘いは、マンモス仁王と唐獅子の勝利に終わったのだ」

こちらもコダマレコードのソノシートのストーリーと同様、その展開にあっけにとられるばかりであった。