『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』などを手がけたピクサー・アニメーション・スタジオの新作映画『レミーのおいしいレストラン』がいよいよ"開店"する。7月28日の全国公開に先駆け、ブラッド・バード監督と製作を手がけたブラッド・ルイス氏が来日。13日に開かれた記者会見では両氏から、気になる映画の内容や制作秘話が明かされた。

写真左からブラッド・バード監督、しずちゃん、ブラッド・ルイス氏

この物語の舞台はグルメの街・パリ。天才的な嗅覚を味覚の持ち主であるネズミのレミーは、今は亡き天才シェフ、グストーの残した1冊の本を読み、一流レストランのシェフになることを夢見る。そんなある日、家族とはぐれてひとりぼっちになったレミーの前にゴーストになったグストーが現れ、一軒のレストランにレミーを導く。そこはレミーが夢にまで見たグストーの店。その頃厨房では、シェフ見習いのリングイニがヘマをして、完成したスープを台無しにしてしまっていた。その様子を見ていたレミーは、湧き上がる情熱を抑えきれずにスープを作り直すが、それをリングイニに目撃されてしまう。この1人と1匹の出会いはやがてフランス料理界をも揺るがす大事件へと発展する……!

ピクサー・アニメーション・スタジオの新作映画『レミーのおいしいレストラン』

記者会見は、恵比寿にあるレストラン「ROBBIN'S CLUB」にて行われた。ネズミが人間を操縦するというアイデアについて、ルイス氏は「リングイネの体を使って、なにかコメディができるんじゃないかと考えたところから、このアイデアが誕生した」と明かす。また、バート監督も「『Mr.インクレディブル』を監督していた時から、この映画のプロジェクトは始まっていた。そして、僕が監督を引き受ける前から、このアイデアはあったんだ。その後もいろいろ考えたけど、これ以上のアイデアは見つからなかった。だから、僕はネズミが人間を操縦するという奇抜なアイデアをすんなりと受け入れてもらえるように気をつけた。その説明だけで10分もかけているほどさ」と話した。

天敵同士の2人(ネズミとコック)を中心としたストーリーについて「物語を語る上で問題は大きければ大きいほどいいんだ。ネズミがシェフになるというほど、大きい障害はないだろう?」とバート監督。一方のルイス氏は「もし、ネズミが類まれなる嗅覚を持っていたら美味しい食べ物に惹かれるだろうし、人間の世界へと近づいてくると思う。そうやって話を組み合わせていった。物語をキャラクターの視点から描くのがピクサー流だからね」と語る。

記者会見の模様。ルイス氏(写真右)は時代のギャップを感じさせないような配慮もされており、「そのために時代が予想されうる車などは出来るだけ描いていない」と語った

アニメーション史上類を見ないほど最高の料理が次々と登場する同作品を完成させるには並々ならない苦労もあったという。『Mr.インクレディブル』でアカデミー賞に輝いたバード監督は「この映画を作るために、パリの一流レストランをはしごして食べまくった。僕はあまりに食べ過ぎて大きな赤ん坊のように台車に運ばれたこともあるほど」と、ちょっぴり羨ましい(?)苦労話を披露。「でも、この苦労があってこそ、みんなが映画を観ながらお腹を空かしてしまうほどの美味しい料理が生まれた」と自信を込めた。

両氏への質問が一通り終わったところで、南海キャンディーズのしずちゃんが、映画の重要なカギとなっているラタトゥイユを携えて登場した。しずちゃんは、大きな夢に向かって頑張っている人として応援隊長に選ばれたが、今の夢は「素敵な人間の男性と結婚して、素敵なお嫁さんになること」だそう。映画については「ネズミのレミーの視線で映画を観られるのがいい。これからどうなるんだろうってワクワクしながら観ました」と笑顔を見せた。最後に「これから全国で試写会が行われますが、皆さんは隊員として私の後に続いてきてほしい」と応援隊長としての意気込みも見せた。配給はブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン。

「(夢は結婚、という言葉を受けて)これは簡単にはかなわない夢でしょうか」とのMCの質問にしずちゃんは「初めて会ったのに失礼やね~(笑)」

写真奥にあるのが映画の重要なカギとなるラタトゥイユ。恵比寿にあるレストラン「ROBBIN'S CLUB」にて味わうことができる

「もし、動物と話せるなら魚。スキューバーダイビングをする時海底の底から顔を出す魚の気持ちが気になる」

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