21日、東京・渋谷C.C.レモンホールで「奥華子2007春コンサート~TIME NOTE~」が開かれた。「TEPCOひかりに決めたのは~」のCMソングや昨年夏公開のアニメ映画『時をかける少女』の主題歌などで、じわじわと、そして確実に人気を広げている彼女の、3度目となるホールコンサートだ。

開場数時間前から大勢のファンが列をなしていた

この渋谷C.C.レモンホールは、2回目のホールコンサート「奥華子コンサート2006冬~小さな星の降る夜~」で使われた同じ会場。今日の舞台にも、グランドピアノとキーボード、そして彼女が一人。シンプルすぎるようにも思われるが、これは、ホールのコンサートでも、路上ライブから出発した奥華子の持ち味をそのままに観客に届けたいという、本人やスタッフの気持ちの表れなのだろう。

音に"妥協"の文字はない――入念なリハーサル

ステージの上にはキーボードとピアノだけ

本番前のリハーサル。まずは音のチェックから始まった。ピアノを弾きながら、少し歌う。歌をやめて考え、また歌う。「もっと音に包まれているような感じにしてほしい」と彼女。それに答えるように舞台監督が意見を出し、音響担当者らがミキサーを調整する。ふだんの穏やかな彼女とはちがう、真剣な表情が印象的だった。かなりの時間を費やし、ようやく希望通りの音色に。安心した彼女は、いつもののびやかな声をホールに響かせた。

少しずつ理想の音に近づけていく

マイクの高さも念入りに

前日、彼女はこう語っていた。

「2007年に入り、2ndアルバムの曲作りとレコーディングの毎日だったとき、このホールでみなさんに聴いてもらっている場面をずっと妄想していました(笑)。いざ、そのときを明日に控えてみると、何をしていても落ち着きません」

大勢の人に歌を聴いてもらえる……そんな楽しみと緊張が相まって、少し興奮気味の様子だった。

機材の設定数値をノートにメモ

さあ、準備は万端?