石井 貴士(いしい たかし)
作家、ココロ・シンデレラ 代表取締役。1973年愛知県出身、慶応義塾大学経済学部卒業。テレビ局のアナウンサーを経て、「ココロ・シンデレラ」を起業。2014年に勉強・ビジネス・人生を劇的に変えるノート術『本当に頭が良くなる 1分間ノート術』(SB Creative/1,400円+税)を上梓

新入社員にとって、入社後まずやるべきは「仕事を覚えること」。そのためには先輩から教わったことをきちんと記録しておく必要がある。この連載では、作家の石井貴士さんに基本的なノート選びや使い方、記録術など、「新入社員のためのノート術」を教えてもらう。第2回は「ノートの使い方」についてだ。

全体の構成

石井さん:ノートは切り貼りし、情報をまとめていくものということを念頭に置いて使用します。

■左ページは開ける
リングノート・ルーズリーフとも、見開きの右ページのみを使い、左は何も書かないようにします。

これは切り取って貼る作業を簡単にするための対策です。ノートを整理するときに、裏面に大事なことを書いていた場合、直接切り取らずにコピーしなくてはなりませんよね。それで面倒くさくなってしまい、整理をやめてしまうという方が多いのです。

『ノート術』でご紹介しているように、情報は常に精査し、とっておくものといらないものを分別する必要があります。リングノートにメモした情報で、残しておきたいものはルーズリーフに貼り付ける。さらにまたあとでルーズリーフを見返し、その中の必要な情報を抜き出して保存するのです。

「紙がもったいない」と思う人も多いかもしれませんが、情報をごちゃごちゃのまま放置しておくことのほうがもったいないですね。

見開きの右ページのみを使い、左は何も書かない

■リングノートはちぎって捨てる感覚で
リングノートの半分はちぎって捨てるという心意気で使いましょう。片面だけにメモをし、そこから必要な情報を切り抜いてルーズリーフに貼り付ける。場合によってはそのまま残しておいても大丈夫です。必要のない情報が入った分厚いノートほど無駄なものはありません。ノートを保存することまで考えておくことです。

各ページの構成

続いて、勉強・保存用として使う、ルーズリーフのページの使い方をご紹介しましょう。まずは、ルーズリーフに縦線を2本引き、3分割します。

■左端:チャプター
左端は日付やチャプター(「準備編」など)を書きます。この欄は、後から見返した時の情報検索のために使います。できるだけ簡潔に、わかりやすく書きましょう。

■中央:本文
中央には講義の板書、会議の内容などを書きましょう。本文を書く時は必ず1行おきに書くこと。スペースが確保されていると、後から書き込みをしてもノートが乱雑になりません。また、リングノートや他のルーズリーフから切り取った紙はここのスペースに貼るとよいでしょう。

■右端:アクション
右端のスペースは、本文を受けて具体的にする行動(アクション)のためのスペースです。例えば本文で「青のボールペン ノートまとめに有効」とメモした場合、アクション欄には「青のボールペン 買う」と書きましょう。

ページを3分割し、チャプター・本文・アクションに分ける(石井さんの指導を元にノート作成)

注意するべきは、「青のボールペンを買う」というように、具体的に書くこと。「100円で買える」と書いてしまうと、ただのミニ情報で終わってしまいます。アクションを見て、実際にどのような行動をするべきかを具体例にわかるメモにしましょう。

その情報をアクションではなく記録として残しておきたい場合は、中央に書きます。例えばセミナーで参考文献の名前が出たとしましょう。買わなくてはならないと思ったものはアクションのところに「○○本 買う」と書きます。買わなくてもいいと判断した場合は、本文に「参考書 ○○本」と書いておけばOKです。

アクションは実行したら、消しゴムで消すのではなく、線で引いて消します。実行した痕跡を残しておくことが、やる気にも繋がるのです。

改ページ

話が変わったら、どんなにスペースがあまっていてもページを変えます。これは追加情報が後から出てきた時に、書き込むための場所を確保しておくためです。そうすれば、関連情報をページ内にまとめることができます。

また、私がお教えしている『ノート術』では、切り貼りして情報をまとめることを前提にしています。大事なことほどページをまたがっていることもありますから、十分考慮してノートを使いましょう。


石井 貴士(いしい たかし)
作家、ココロ・シンデレラ 代表取締役。1973年愛知県出身、慶応義塾大学経済学部卒業。テレビ局のアナウンサーを経て、「ココロ・シンデレラ」を起業。高校2年のときに悟った勉強の必勝法「1秒で目で見て、繰り返し復習すること」と「1単語1秒で記憶するためのノート」をもとに、3カ月で英語の偏差値を30台から70台へ上昇させることに成功。自身のセオリーを元に、2014年には勉強・ビジネス・人生を劇的に変えるノート術『本当に頭が良くなる 1分間ノート術』(SB Creative/1,400円+税)を上梓。他にも『本当に頭がよくなる 1分間勉強法』『本当に頭がよくなる 1分間英語勉強法』(ともに中経出版)などの著作50冊を世に送り出し、累計180万部を突破するベストセラー作家。公式サイト「石井貴士 公式サイト 人生は変えられる