コロナ禍以降、多くの企業に取り入れられるようになった「テレワーク」という働き方。時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方により、多様な人の「働く」の可能性を広げています。 そのようなテレワークの活用により、社員それぞれの自分らしい生き方・働き方の実現に取り組んでいる企業が、総務省の「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」に選出されました。

本記事では、「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」に選ばれた6企業のうち、株式会社キャリア・マム株式会社スタッフサービス・クラウドワークの担当者に伺ったお話を紹介します。 その他の受賞企業のインタビューも記事末尾のリンクよりぜひご覧ください。

総務省「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」とは?


テレワークの普及促進に向け、総務省が実施している表彰。テレワークの導入・活用を進めるとともに、優れた取組を行っている企業・団体を選定、公表しています。
2023年度は「テレワークの活用による経営効果の発揮」「テレワーク時のコミュニケーション・マネジメント面の課題解決」「地域産業の活性化や地域情報化の推進等の地域課題解決への寄与につながる取組」という3つの観点も重視され、審査が行われました。

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株式会社キャリア・マム
~自分らしく生きる楽しさを多様な働き方でかなえる ~
堤香苗さん
株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤香苗さん
株式会社キャリア・マムの前身は1995年に誕生した多摩地域を中心に母子のコミュニティを創成・育成する育児サークル。2000年、株式会社化。主婦を中心に全国11万人の会員を有し、在宅ワークや創業などの新しい働き方で女性の社会復帰を支援・啓蒙。

――株式会社キャリア・マムは創立当初からテレワークという働き方を支援し、新しい「働く」を生み出してきました。

堤さん 子育てや介護のために出社してのフルタイム勤務が難しかったとしても、テレワークであれば、自分が動ける場所・時間で働くことができます。テレワークについて、私たちは働き方というよりは生き方だと捉えています。テレワークを自分らしく生きることを叶えるひとつの手段として、積極的に活用してもらえたらと思っています。

――コミュニケーション面など、業務を発注する側・される側の課題は、どのように解決しているのでしょう。

堤さん 案件ごとにチームを編成し、マネージャーやグループリーダーが進捗を把握しながら各メンバーの状況に応じてフォローする体制を整えています。マネージャーやリーダー層について社員が担うケースが多いと思いますが、業務委託のテレワーカーが担当していることも弊社の特長です。自分ができる働き方からスタートし、スキルや適性に応じてリーダー、マネージャーと、ステップアップすることも可能です。

――地方自治体と連携し、各地域で在宅ワーク就業支援やスキルアップセミナーなど、在宅就業支援事業も手掛けていますよね。

堤さん こうした取組は、元々は地方自治体からご相談をいただいて始まりました。「大都市圏に通勤するには遠い」「女性の働き口が限られている」といった課題をお持ちだったんです。埼玉県から始まり、その後、大分県や滋賀県をはじめ、複数の地方自治体と連携しています。


特にここ数年は、人手不足に悩む企業さまも増えていますので、企業とテレワーカーをつなげることも、私たちの役割だと考えています。

――e-ラーニングなど、在宅ワーカーになるための学習機会も提供しているのでしょうか?

堤さん 学習機会はもちろん、「学んで終わり」ではなく、学んだスキルを生かして働くことのメリットもお伝えできればと思っています。例えば、働いて収入を得ることができれば、自分が暮らす地域に還元できますし、ご家族の介護など、福祉的なケアの費用にあてることもできます。その結果、地域内の循環にもつながると考えています。

――今後、より働きやすい環境を作るために取り組みたいことを教えてください。

堤さん 近年は主婦の方だけでなく、介護やご自身の健康状態のために会社を辞められて登録する男性の方も増えています。


自分の「働く」をあきらめずに、どこに暮らしていても自分らしく働けるように、世代や性別を問わずにテレワークを活用してもらえるようにと思っています。


2024年度からは登録者の強みと企業のニーズをよりマッチさせてトスアップできるような新サービスを始める予定です。また、就労継続支援B型事業所と連携し、障がいを持つ方を対象とした就業支援も検討中です。

――ありがとうございました!

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株式会社スタッフサービス・クラウドワーク
~オンライン上にイキイキ働ける職場を提供~
酒本速男さん
株式会社スタッフサービス・クラウドワーク エリア統括部 ゼネラルマネージャー 酒本速男さん
2015年、前身である株式会社スタッフサービス・ビジネスサポート(2019年度「テレワーク先駆者百選」認定)が在宅就労事業を立ち上げ、九州地区で採用活動を開始。以降エリアを拡大。2020年、テレワークに特化した障害者雇用事業に転換、在宅事業部門を独立分社し、株式会社スタッフサービス・クラウドワークを設立。

――株式会社スタッフサービス・クラウドワークは、重度身体障がい者の「働く」を、オンラインを活用して実現し、通勤困難な454人の重度身体障がい者の雇用を創出しました。(※申請当時の従業員数)

酒本さん スタッフサービスグループの経営理念「チャンスを。」に基づき、障がい者の方が働くことをあきらめてしまわないよう、チャンスを届けたいという想いから始まりました。


障がい者向けの在宅就労事業を立ち上げた当時、通勤が困難なことから、重度身体障がい者でも就労できる求人はほぼありませんでした。しかし、彼らが日々を過ごす自宅は、障がい者の方にとって最適化された空間。テレワークなら、それぞれの持ち味を発揮することができると考えました。

――入社後の定着率が高い理由には、どのようなものがあるのでしょうか。

酒本さん 在宅勤務は孤独感を抱きやすくなりがちです。これを解決するために、チーム制を導入しました。障害にも配慮して個人ノルマはありません。業務はチームで進めていきます。


5名から最大で15名のチームを組み、仲間と一緒に協力して働きます。そこで仲間と協力して働くためには、お互いを知り合う環境が必要となります。1日3回、20分間のミーティングを行い、業務の進捗や体調の確認に加え、雑談することをルール化しています。メンバーは10代から60代、住んでいる場所もさまざまですが、雑談によって互いを知る機会となり、相談のしやすさや連帯感が生まれます。これが仲間と働く喜びや仕事のやりがいにつながっていると思います。

――入社時には配属前に2カ月間の研修を行うなど、フォローも万全ですよね。

酒本さん 働くことの心構えやビジネスマナーのほか、目線はどのようにすべきかなど、コミュニケーションを重視したテレワークに慣れていただくためのレクチャーも十分に行っています。

就業時間は一人ひとりの生活に合わせたシフト制を採用しており、日中に受けている生活介助の時間や定期的な通院日など、就業前の生活サイクルを変えずに働くことができます。
このような取り組みもあり、当社の入社1年目の定着率は97.3%(2023年6月現在)の状況です。一般企業の入社1年目の定着率は60.8%という調査(※)もある中で高い水準となっています。


※:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者職業総合センター一般企業への就職後の障害別職場定着状況」より(17年4月)

――マネジメント側として、工夫していることはありますか?

酒本さん 勤怠管理はウェブ上のタイムカードシステムで管理していますが、決まった時間に打刻がなかったときは、こちらから連絡して無事を確認しています。万が一に備えた体制も整えており、ご家族と連絡が取れないときは、我々が連携している地域の支援機関、あるいは各採用エリアの事務所からスタッフがご自宅に駆けつけます。このことは、長く働いていただける安心感にもつながっていると思います。

――今後、より働きやすい環境を作るために取り組みたいことを教えてください。

酒本さん 弊社ではスタッフサービスグループ内からデータ作成などの業務を受けています。自分たちが担当した仕事がグループ内でどのように貢献しているかを知る機会を増やすために、2021年度からは在宅社員も参加し、受託元と合同で定期ミーティングを実施しています。


そこでの受託元からのフィードバックが励みとなり、グループの一員であるという実感(帰属意識)も得られているようです。徐々にグループ内でも認識が高まっており、現在ではメンバーが処理できる範囲以上の依頼を受けている状況です。そのため、当社が担える業務の伸びしろは十分にあると考えています。在宅社員の体調を第一に考えつつ、今後も職域を拡大し、働きがいを高めていきたいと思っています。

――ありがとうございました!

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テレワークが働くチャンスを広げてくれる

取材を通じて、両社とも、誰もが働きやすい環境をつくる工夫を重ねた結果、「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」を授賞することができたことがうかがえます。

自分らしくいられる場所で暮らしながら、働くことの喜びを実感できるテレワーク。多様な働き方を実現する企業がどのようにテレワークを活用しているかを垣間見たことで、今後のテレワークの可能性が広がったのではないでしょうか。

様々な環境にあるなかで、自分らしい働き方、自分らしい生き方を叶えたいと考えている読者の方は、「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」受賞企業をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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[PR]提供:総務省