コロナ禍を経て、多くの企業に導入されるようになったテレワーク制度。しかし、テレワーク時に社員間のコミュニケーションに難しさを感じたり、メンバーのマネジメントに苦労したりと、課題を抱えている企業は多いでしょう。

そんな課題に向き合い、工夫をしながらテレワークを積極的に活用して、魅力的な職場を作っている企業が、総務省の「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」に選出されました。

本記事では、「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」に選ばれた6企業のうち、株式会社プログレス株式会社テレワークマネジメントの担当者に伺ったお話を紹介します。 その他の受賞企業のインタビューも記事末尾のリンクよりぜひご覧ください。

総務省「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」とは?


テレワークの普及促進に向け、総務省が実施している表彰。テレワークの導入・活用を進めるとともに、優れた取組を行っている企業・団体を選定、公表しています。 2023年度は「テレワークの活用による経営効果の発揮」「テレワーク時のコミュニケーション・マネジメント面の課題解決」「地域産業の活性化や地域情報化の推進等の地域課題解決への寄与につながる取組」という3つの観点も重視され、審査が行われました。

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株式会社プログレス ~様々な1on1でコミュニケーションを密に~
中山宗典さん
株式会社プログレス 取締役 副社長 中山宗典さん
2020年に創業したシステム開発やプロジェクト管理などをメイン業務とする情報通信企業。ヘッドレス志向で構築されたワークフロープラットフォーム「acomo」を発表したばかりです。

――テレワーク時のコミュニケーションについて、工夫されていることはありますか。

中山さん コミュニケーションは創業時から重視しており、コミュニケーションを積極的に取ることも一つの仕事だということを常に伝えています。その一つの例として1on1ミーティングを全社的に推奨しています。役員、上長、同僚、部下のいずれとも自由に1on1でコミュニケーションを取れる仕組みを導入しており、その中で雑談することは当然、キャリアカウンセリングやコーチングを行いつつも、コミュニケーション活性化のためにやりたいこと、会社がやるべきことのヒアリングから様々な施策がボトムアップで提案・採用されてきた実績があります。

また、テレワークだからこそ、Face to Faceで会う機会も大事と考え、日本全国にいる社員が家族と一緒に参加できる全社会議、地域ごとに開催される集会、プロジェクト単位で集まる会も年に数回設けています。部署単位での年次キックオフや振り返りの実施も直接集まって行うことを推奨しています。

――業務以外で、社員同士でのコミュニケーションが積極的になるよう、工夫されている取り組みはありますか。

中山さん 当社では「oVice(オービス)」というバーチャルオフィスを導入しています。実はこれもボトムアップの提案を採用したもので、幹部が見つけてきたツールではありません。オフィス内の他の従業員に、フラッと訪れて相談や雑談が気軽にできる点が気に入っており、参加を強制することなく自由に利用いただいています。


そのほかでは、基本的な施策としてランチ会やオンライン飲み会などは継続して月に1回くらい実施しています。また、土曜日に有志で集まってeSports大会を開催した際には、大会に参加する人のみでなくoVice上で大会の配信を行い、全社員の8割ほどの人が集まって大会も観戦も盛り上がりました。

――自社のテレワークに関する取組について、特にアピールしたい点があれば教えてください。

中山さん 先述の通り、当社はテレワークが前提で始まった会社なので、従業員が「テレワークは当たり前だよ」という意識を持っている点です。まだ創業間もない会社において社員全員でテレワーク上でもっともよいパフォーマンスを出すために何をすべきかを考えている会社です。

――今後、社員がさらに働きやすい環境になるよう、テレワーク・働き方をどのようにより良くしていきたいと考えていますか。

中山さん 従業員の健康維持に注力したいです。メンタル面のフォローとしては幾つか手を打ってきましたが、今後はフィジカル面でも何か手を打ちたいと考えており、その一つとして地域単位で緩く競い合うウォーキングイベントを実施したばかりです。


仕事の生産性だけで見たとき、何か工夫をしない限りは社員が1カ所に集まったほうが効率が良いことは間違いありません。そんな中私達はテレワーク専業だからこそ、テレワークでも高い生産性を出し続けられることを証明するために、様々な施策を検討・実行し、常に現状に満足しない会社であり続けたいと思っています。

当社はリファラルの紹介で入社してくれる人が多いのも特長になっています。従業員が自身の知り合いのみでなく、ご家族を紹介してくれるのです。社員自身が会社の良さを感じていなければ、このような紹介はしてもらえないと思っています。こうした社員の期待を裏切ることなく、常に創意工夫を行っていく環境にしていきたいです。

――ありがとうございました!

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株式会社テレワークマネジメント ~テレワークそのものを事業に~
田澤由利さん
株式会社テレワークマネジメント 代表取締役 田澤由利さん
2008年創業のテレワーク専門のコンサルティング企業。テレワークの導入や運用はもちろん、障がい者就労支援や遠隔教育支援等にも取り組んでいます。

――テレワーク時のマネジメント面の課題と、コミュニケーション面での課題についてお伺いします。まずはマネジメント面について、どのような課題を把握し、解決策を講じましたか。

田澤さん 社名がまさに“テレワーク”の“マネジメント”であるように、創業時からこれを課題と捉え、自分達が実際に試した解決策をお客様へのコンサルティング提案に活かしています。


テレワークは働く場所を選べますが、勤務時間は決まっています。出社しないと勤務を管理できないようではテレワークが根付かないため、自宅にいても勤務している状態なのかどうかは、きちんと確認できるようにしました。


もっとも、四六時中監視するのも趣旨が違います。サボるのもサービス残業も避けなければいけません。仕事の緊張感を保つ「ゆるやかな柵」で時間を管理しつつ、評価は成果を時間で割って測る考え方で、マネジメントがきっちりできるよう工夫しました。

――テレワーク時のコミュニケーション面での課題についてはどのように対応していますか。

田澤さん 社内でどのようなコミュニケーションが存在するのか分析して、テレワーク上でもコミュニケーションできるようにしていく必要があると思います。するとテレワークでは、会議はTeamsやZoomでできるし、報連相はチャットでできますが、雑談はしづらいことがわかりますよね。雑談から社内の人間関係が広がったり、アイデアを拾ったりといったことが起こりにくくなっています。


そういったことへの解決法として、当社ではいま15分間の雑談や体操の時間を実験的に設けています。ただし、雑談は話のきっかけが難しいので、ルーレットのツールでネタを決めて、気軽に話を広げられるよう工夫しています。

――業務以外で社員同士でのコミュニケーションが積極的になるような取り組みはありますか。

田澤さん 10年以上前に「Sococo」という海外製のバーチャルオフィスを見つけて使っています。オフィスにいるときと同じように、話しかけられる状態の人に気軽に声を掛けられ、雑談もしやすくなっています。Sococoと出会った12年前は同様のツールが無く、「バーチャルオフィスこそ、日本のテレワークに必要なツールだ」と直感しました。


長年利用したことによって、Sococoを通じた運用方法やノウハウが蓄積しています。そのこともあり、現在は当社がSococoの国内販売代理店となっています。

――自社の取組について、特にアピールしたい点があれば教えてください。

田澤さん 当社のミッションは、より多くの企業に適切なテレワークを実施いただくことです。そのためには、テレワークの課題を把握し、自らその解決策を実践し、ベストなソリューションを企業様にご提供することが重要だと考えています。


テレワークが本当に必要なのは、地方の中小企業だと思います。

都心部は事務仕事が多くIT利用率も高くて、テレワークは比較的導入しやすい一方、地方は現場仕事が多くIT利用率が低いため、テレワークが導入しづらくなっています。しかし、現場仕事の多い企業でも事務作業がないということはまずありません。その事務作業をテレワークにしたいと考えている企業にはぜひ相談してほしいです。

――今後、社員がより働きやすい環境になるよう、テレワーク・働き方をどのようにより良くしていきたいと考えていますか。

田澤さん いま挑戦しているエンゲージメントの部分がしっかりできれば、これまで以上に働き続けたいと思ってもらえると思っています。テレワークに関しても、どうやったらもっと効率よくできるかしっかり考えたいです。

――ありがとうございました!

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離れて仕事をするからこそ、「コミュニケーションを大切にしよう」という意識が大事

テレワークには一人で作業するというイメージがあります。しかし、眼の前に相手がいないからこそ「コミュニケーションを大切にしよう」という意識を皆が持ち続けるということは、とても大事な気付きです。

テレワークや従業員の働き方を重視してくれる企業に務めたいと考えている読者の方は、「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」受賞企業をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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[PR]提供:総務省