ロードバイクに乗り始めてしばらくすると、アップグレードしたい欲が出てくるもの。アップグレードというと、コンポーネントやハンドル、タイヤといったパーツの交換を思い浮かべるかもしれませんが、もっと手軽にできることがあります。

それは「ビンディングシューズ」を履くこと。ビンディングシューズは、スポーツタイプのロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどの自転車のペダル (ビンディングペダル)に固定させる専用の靴で、アップグレードの第一歩として取り入れるロードバイク初心者が多くいます。

  • ビンディングシューズ

そこで今回は、ビンディングシューズの魅力や選び方についてプロにインタビューしました。

訪れたのは、名古屋市南区にある「カトーサイクル」さん。ロードバイクやマウンテンバイク、クロスバイクをはじめ、アクセサリー類やアパレル商品まで数多く取り扱う創業77周年の老舗のスポーツサイクル専門店です。気取らない昔ながらの自転車屋さんの雰囲気を醸し出していて、親しみやすさを覚えます。

  • カトーサイクル外観

また同店は、シマノのビンディングシューズを全サイズ試着できる「シマノシューズエクスペリエンスコーナー」設置協力店。全国43店舗しかないうちのひとつで、ビンディングシューズ選びのサポートにも力を注いでいます。

  • カトーサイクル内観

    シューズコーナー中央にあるシマノシューズエクスペリエンスコーナー。カトーサイクルでは通常サイズ(白)とワイドサイズ(黒)が試着できる。

ビンディングシューズの魅力や選び方を紹介してくださったのは、セールスマネジャーを務める羽田野ちあきさん。アパレル商品の仕入れや売場づくりを担当する羽田野さんは、自転車乗りの顔も持ちます。10年ほど前に旦那さんの影響で自転車の虜になり、今ではロードバイクとマウンテンバイク、シクロクロスバイクの3台を所有し、年に数回は大会にも出場しているそうです。

  • 羽田野さん

そんな羽田野さんは「初心者や女性にこそ、ビンディングシューズを履いてほしい」と力を込めます。それは、どうしてなのでしょうか。

ラクに速く走れてヒップアップ効果も期待できる!?ビンディングシューズの魅力

ビンディングシューズの最大の魅力は、ラクに速く走れるようになることだと羽田野さんはいいます。

  • 羽田野さん

足がペダルに固定されると、踏むときだけではなく引くときの力も推進力に置き換えることができます。フラットペダルでは踏み込むばかりになるため、脚の前側の筋肉だけに負担がかかってすぐに疲れてしまうのですが、ビンディングシューズを履くと脚の後ろ側やお尻といった大きな筋肉も使えるようになるので、疲労が分散されるんです。

ビンディングシューズを履くだけで、初心者でも長い距離をラクに走れたり、スピードがアップしたりしますよ!


  • ビンディングシューズ

羽田野さんいわく、フラットペダルと比較して、体感1.5倍くらいは推進力が高まるのだそう。ペダルを何回も回す自転車において、その差は非常に大きなものでしょう。

さらに、特に女性に嬉しいメリットもあるようです。

ビンディングシューズを履けば、お尻の筋肉を使うようになるので、ヒップアップ効果も期待できます。


漕ぐのが楽な上に、上記のようなメリットがあるのであれば、女性や初心者にこそおすすめできそうです。

  • 羽田野さん

一方で、足が固定されることで、「怖い」と思う初心者の方もいるはず。とっさに外れず、いわゆる「立ちゴケ」してしまう人がいらっしゃるのも事実。

足がペダルに固定されることに対して「怖い」と思われるかもしれませんが、安全なところで脱着の練習をしていただければコツをつかめますよ!

運動が苦手だった私でも何度か練習すれば慣れましたので、ご安心ください!後は着脱の強度も、ペダルによって差があるので、外しやすいものを選ぶと良いでしょう。


ちなみにカトーサイクルさんで自転車とビンディングシューズを購入した際は、ペダルの脱着の仕方についてスタッフからレクチャーが受けられます。

圧倒的な人気を誇るシマノのビンディングシューズ「SPD-SL」「SPD」それぞれの特徴

ビンディングシューズには各社よりさまざまな規格がリリースされていますが、中でも圧倒的な人気を誇っているのがシマノの「SPD-SL」「SPD」です。

より速く走りたいのなら、SPD-SLがおすすめです。踏み面が広く、シューズもペダルも軽いので、ラクに効率良くペダリングできます。ただ、シューズの裏面にクリート(ペダルと固定する部分)が露出しているため、自転車から降りたときに歩きにくいのが難点。

一方のSPDは、クリートが表面に露出していないため、SPD-SLより歩きやすく、通勤や散策などで自転車に乗る場合に適しています。SPD-SLかSPDかは、用途に合わせてお選びいただくのが良いですね!


  • SPD/SPD-SLの違い

今は、ロードバイクに乗る人が、速さを追求するSPD-SL ではなく、歩きやすいSPDを選択するケースも増えているのだとか。羽田野さんは、自転車の楽しみ方が多様化していることを実感しているそうです。

次に、初心者におすすめのビンディングシューズとペダルをご紹介いただきました。

おすすめのビンディングシューズ2選

◆[SHIMANO]RC3(SPD-SL)

  • RC3

真ん中にBOAダイヤルが付いているので、バランス良く足にフィットさせることができます。エントリーモデルのため、かかとの部分にクッションがあり、締め付けに慣れていない初心者の方でも快適にお履きいただけますよ!初めてのビンディングシューズを検討されていて、SPD-SLをご希望の方にはRC3をご案内しています。


RC3について詳しくはこちら

◆[SHIMANO]XC3(SPD)

  • XC3

SPDをご希望のビンディングシューズ初心者の方には、XC3がおすすめです!SPDながらフィット感は素晴らしく、ペダリング性能は上々。ソールに滑り止めのゴムが付いていて作りも丈夫なので、土の上や砂利道でも気兼ねなく歩くことができます!


XC3について詳しくはこちら

いずれも、ラスティングボードを省いた「シームレスミッドソール構造」を採用。インソールに足が直接触れることで、ダイレクトで安定したペダリングを実現しています。この構造をエントリーモデルにまで採用しているのは珍しいそうで、ビギナーから上級者まで幅広く対応できるラインナップを揃えているのはシマノならではと羽田野さんは評します。

  • シームレスミッドソール構造

さらに、多くのライダーの足を測定し、膨大なデータに基づき開発しているのも見逃せないと指摘。シマノは履く人を選ばない最適化されたビンディングシューズを提供しているため、日本はもちろんのこと、世界中で愛されているのでしょう。

おすすめのぺダル2選

◆[SHIMANO]PD-RS500(SPD-SL)

  • PD-RS500

エントリーモデルのペダルですので、シューズを固定するバネの閉まり具合がハイエンドモデルと比べてやわらかくなっています。力に自信がなく、脱着に不安があるのでしたら、こちらのペダルから始めてみると良いのではないでしょうか。


PD-RS500について詳しくはこちら

◆[SHIMANO]PD-EH500(SPD)

  • PD-EH500

いわゆる「片面フラット」と呼ばれるペダルで、ビンディングシューズとスニーカーとで使い分けられるようになっています。汎用性が高い分、少し重たいので、重量が気になるようであればPD-EH500より軽い「PD-ES600」も選択肢に入れてみてください!


PD-EH500について詳しくはこちら

PD-ES600について詳しくはこちら

なお、ペダルにクリートが同梱されているので、ビンディングシューズとペダルを購入すれば、一式揃います。

自転車と人がつながる接点。だからこそ、ビンディングシューズ選びは慎重に

では、ビンディングシューズはどう選べば良いのでしょうか。羽田野さんは「店舗で必ず試着をしてほしい」と訴えます。

普段から足の実測より大きいサイズの靴を履いている方が多くいらっしゃいます。足の形や大きさに合わないビンディングシューズを履いて自転車に乗れば、身体を痛めたり怪我をしてしまったりしかねません。


そのうえで、目的に合わせて選ぶことが重要と付け加えました。速さを追求するならSPD-SLを、歩きやすさを優先するならSPDを選ぶ必要があります。

  • 羽田野さん

そして、レベルに応じたモデルを選ぶようにしてください。「せっかくだから良いものを買っておきたい」と初心者の方が背伸びしてハイエンドモデルを選ぶと、クッションが少なかったりソールが硬すぎたりして、楽しいはずのサイクリングが痛みを伴うつらいものに変わってしまいます。

ビンディングシューズは、自転車と人がつながる接点。だからこそ、お店でフィッティングして慎重に選んでいただきたいですね!


カトーサイクルさんに設置されている「シマノシューズエクスペリエンスコーナー」では、シマノのビンディングシューズ全サイズのノーマルとワイドの試着が可能。実際に履いてみて、自分の足の形や大きさに合ったビンディングシューズを見つけられます。

  • シマノシューズエクスペリエンスコーナー
  • シマノシューズエクスペリエンスコーナー

有料ですが、当店ではクリート位置を調整するシマノバイクフィッティングサービスのクリート調整もご用意しています。ビンディングシューズに興味があれば、お気軽にご相談ください!


ビンディングシューズは、プロに相談できるお店で選ぼう!

「ビンディングシューズは、自転車と人がつながる接点」との羽田野さんの言葉が印象的でした。自分の足の形や大きさに合わないビンディングシューズを選ぶと、痛みや怪我を引き起こし、ロードバイクを嫌いになってしまうかもしれません。

ロードバイクの楽しさをアップグレードしてくれるビンディングシューズは、品揃えが豊富でプロに相談できるカトーサイクルさんのようなお店で選んでみてください。

【店舗情報】
カトーサイクル
名古屋市南区駈上2-8-26
052-811-3741
営業時間:平日10:00~20:00、日・祝日10:00~19:00
定休日:水曜日 ・ 第2第4火曜日
https://www.katocycle.com/

カトーサイクルに関して詳しくはこちら

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シマノは、世界中の自転車を愛する人の感動に寄り添いたいと願い、品質にこだわった本当に信頼されるものづくりを目指しています。
今までもこれからも「こころ躍る製品」を皆様にお届けしてまいります。

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photo:田中 大介

[PR]提供:シマノセールス