実業家の嶋村吉洋氏が主催する「Session」が11月19日、都内で開催された。嶋村氏と仕事を通じて交友関係のある著名人が集まる本イベントは、今回で第4回目。今回は、美容、広告、映像制作、エンタメ、社会活動など幅広い業界の実業家たちが集った。

ゲストの中には、一つの肩書に留まらず、複数のジャンルで活躍する人も。日々変化し続ける社会の中で、それに順応できる働き方や生き方が求められている。各業界で求められている人物像とはどういうものだろうか。今を駆け抜ける実業家たちが思う「これからの社会で活躍する人材」について様々なトークが繰り広げられた。

大手美容室チェーンを成長させ続ける、國分氏、山下氏に訊く
”これからの社会で活躍する人材”

美容室をフランチャイズ展開するという美容業界では刷新的な経営をしている株式会社アースホールディングス。創業者であり代表取締役社長の國分利治氏、取締役の山下誠司氏がSessionに参加した。

  • 株式会社アースホールディングス 代表取締役社長 國分利治氏(写真左)、同取締役 山下誠司氏(写真右)

美容業界の第一線を走ってきた國分氏は、その華やかなイメージの裏で地道かつ愚直な努力を積み重ね、今もなお自身の道を切り開く。これからの社会で活躍していく人材について「自分を分析し、自分の強みを活かしていく人。自分自身の輝ける場所を見つけていくことが大事」と、國分氏は語る。他人がどう思い、何をするかは関係なく、自分に自信を持つ事こそが、社会で活躍する上で重要なポイントであると続けた。

國分氏の右腕としてアースホールディングスを盛り立てる山下氏は、「女性の良さを活かすマネジメントができるかどうかも重要」と語った。多くの企業でダイバーシティ、ジェンダー平等への取り組みが盛んな今、ますます女性リーダーが増えていくことが予想される。

女性ならではの強みを引き出すマネジメントは、幅広く活躍していきたい社会人にとって一つの武器になるだろう。加えて、國分氏と山下氏が共通して挙げたポイントが「20代〜30代で1つのことに集中して取り組んだ経験があること」だ。途中で投げ出さず、必ず成果を出すという熱意を持って取り組んだ経験こそが財産になる。いかなる環境の変化があろうとも、ブレることのないひとつの軸となるだろう。

国境を越えグローバルに応援されるための人物像とは?

シャラド・ライ氏は東京大学の大学院に通う傍ら、NPO法人 YouMe Nepal(ユメ ネパール)の代表も務めるパラレルワーカーだ。日本で体験した教育制度やプログラムを活かし、母国ネパールの教育における社会課題に取り組んでいる。ライ氏はこれまでに2つの学校とスクールバスを贈り、ネパールの子供達が自由に教育を受けられる環境をつくった。現在は「愛のランドセル寄付プロジェクト」を継続し、累計2万個ものランドセルがネパールの子供達に渡ったという。

  • NPO法人 YouMe Nepal(ユメ ネパール) 代表 シャラド・ライ氏(写真左)、株式会社Kanatta 代表取締役社長 井口恵氏(写真右)

次々と想いを形にし続けている秘訣を聞くと、「応援される人であること」というシンプルな答えが返ってきた。ライ氏の転機は、過去に嶋村氏が主催したスピーチコンテストでの優勝だという。

「コンテストに出場したことで、多くの方に僕の取り組みを知っていただき、応援してくれるようになりました。また、優勝という結果が信用に繋がり、仕事もとてもしやすくなりましたね」と語った。嶋村氏との関係もこのコンテストがきっかけで、嶋村氏がライ氏の母国に対する情熱に心を打たれ、事業を支援している。

「ライ氏の情熱と笑顔を絶やさないその姿が多くの人の心を動かし、自然と応援したい気持ちが湧いてくるのだと思います」と語るのは、株式会社Kanattaの代表取締役社長である井口恵氏(写真右)だ。

会社に勤めながら事業を立ち上げ、クラウドファンディングや講演を通して女性の社会進出を推進する活動をしている。女性の活躍に対する強い意志を持つ井口氏もまた、嶋村氏をはじめ多くの人を巻き込み、想いを形にしている経営者だ。「応援される人」であることは、多くの協力者と共に夢を叶えるスピードと規模を大きくするキーワードになりそうだ。

時代に敏感な広告業界で活躍するには!?
業界歴30年以上のCMディレクター中島氏が語る“活躍する人材”

時代のながれや社会情勢、顧客心理にも敏感な広告業界からは、CMディレクターの中島信也氏が参加した。中島氏は、日清食品カップヌードルCMの「hungry?」シリーズでカンヌ国際広告祭グランプリを受賞、その後もサントリー「燃焼系アミノ式」「伊右衛門」など数々のヒットCMを手掛けた。

  • CMディレクター 中島信也氏(写真中)

30年以上ものあいだ、時代のながれや流行りの変化を捉えながら人々の印象に残る数々のCMを生み出し続けている、まさに広告界の巨匠にも活躍する人材について聞くと、次のように想いを語った。

「志高くいることはもちろんのこと、みんなの幸せのために最善を尽くせるかどうか。昔は自然にできてきたことだけれども今は意識しないといけない」「戦後間もないころは、みんなが志高く、そしてみんなの幸せのために働いていた。みんなでよいものを作ろう、喜ばせようと日本のために働いている人が自然といた」

いかに自身の利益ではなく、みんなの幸せのためを想って行動できるか。その志高いマインドの有無がこれからの社会で活躍する人にとって、各業界共通の重要なポイントとなるだろう。

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各業界を牽引する事業家たちが交流することで、業界業種に特化したスキル・能力ではなく、その人の仕事に取組む姿勢・あり方が共通の価値観であると伝わってきた。主催の嶋村氏も「このような交流の機会は、僕自身も非常に学びが多いです。今後も互いに刺激を与え合える環境を提供していきたい」と語った。

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