歴代「平成仮面ライダー」の"大人向け"変身ベルト玩具として、バンダイが開発してきた「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」シリーズの第24弾として、2016年4月よりAmazonプライム・ビデオにて配信が開始され、2018年には劇場版も上映された異色の"仮面ライダー"シリーズ『仮面ライダーアマゾンズ』から「アマゾンズドライバー」が商品化されることが明らかとなった。
「CSMアマゾンズドライバー」は、いわゆる変身ベルトである「アマゾンズドライバー」本体と、アマゾンアルファ、アマゾンオメガ、アマゾンシグマそれぞれの「コアパーツ」3種、アマゾンオメガが変身する際の特徴的な充血発光を再現した「オメガ用コアパーツ(充血Ver.)」、手鎌状の武器"アマゾンサイズパーツ"、そしてアマゾンたちの制御装置"アマゾンズレジスター"が付属し、2019年7月16日11時よりプレミアムバンダイにて予約受付がスタートする。
『仮面ライダーアマゾンズ』の配信開始と同じ時期に発売された「DXアマゾンズドライバーセット」は、サイズ的に子どもが装着して遊ぶのに合わせて企画・開発されていたもので、『アマゾンズ』本編のメインターゲットとしていた"大人"の年齢層のファンたちから「大人が楽しむことのできるサイズアップしたアマゾンズドライバーを!」というリクエストがバンダイに多く寄せられていたという。『アマゾンズ』の物語が"完結"を見せた2018年5月公開の映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』以来、約1年の歳月を経て、大人のファンがより楽しめるアマゾンズドライバーが商品化されることになった。
ここでは、ファン待望の「CSMアマゾンズドライバー」発売を記念し、『仮面ライダーアマゾンズ』の中軸を担う"2人の仮面ライダー"のひとり、仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁を演じる谷口賢志にインタビューを敢行。2016年のシーズン1、2017年のシーズン2、そして2018年の劇場版と、3年間にわたって演じ続けてきた鷹山仁という人物の"凄絶"というにはあまりにも凄絶すぎる人生と、「仮面ライダー」そのものへの"反発"と"挑戦"を続けたアマゾンアルファというキャラクター、そして"変身"の象徴たるアマゾンズドライバーへの思いなどについて、静かに、かつ熱のこもったお話を聞いた。
――谷口さんとこの「アマゾンズドライバー」との最初の"出逢いの瞬間"を、覚えておられますか?
鮮明に記憶しています。撮影初日、今日ベルトを初めて受け取れるってときに、石田(秀範)監督からすげえ適当に渡されたんです。もう、監督が落とすんじゃないってくらい、乱雑に渡されました。「そんなぞんざいな扱いでいいんですか」って聞いたら、「いいんだよ」って。「仁はこのベルトを雑に扱うんだ。投げ捨てるように使え、大事に取り扱ったら、お前殺すぞ」って言うんです(笑)。こっちとしては、最初の変身くらいはまともにやらせてもらえるのかなって思うじゃないですか。でも、このベルトで卵の殻を割らされるし……。ブラブラと適当に持って、適当に着けて。だから仁の部屋ではこのベルトをどこに置いておこうか、常にいろいろ考えていました。どこかにひっかけてぶら下がっているときがあれば、そのへんに落ちている時もある。そういうのが面白かったですね。でも、今回の商品(CSMアマゾンズドライバー)を入手したならば、それはもう大事にしたいと思っています(笑)。
――今回、CSMの音声ギミック用にシーズン1、シーズン2、映画での仁の印象的なセリフを改めて収録されたとのことですが、改めて仁のセリフを発してみて、ご感想はいかがですか?
シーズン2での「殺す、お前ら一匹残らず……。俺が作った! だから殺すのは俺だ!」なんか、別に狙っていたわけではないですけれど、いい意味で"子どもには見せられない"ものにしたいって気持ちでいつも芝居をしていました。人間が本当に怒ったらどうなるか、本当に誰かを憎んだときどんな表情をするか、その行動や声を、ヒーローの枠にはめないで、ちゃんと表現してみたかったんです。
――仁のセリフの中では、台本どおりではなく谷口さんのアドリブもあったんじゃないですか?
いくつかはそうですね。劇場版『最後ノ審判』だったら、ネオアルファを倒した後の「これが"鷹山さん"だ!」というセリフは僕のアドリブです。アルファに変身しているときのセリフでしたが、カット割りのときにもうちょっと画を使いたくて、ここにひと言欲しいということになって、石田監督が「谷口、お前なんか言え」といきなり(笑)。テストなしで本番に入って、一発目にこのセリフが出ました。後から賛否が出まして、「仁っぽくない」とか、「いや仁らしい」とか……。僕としては、あえて自分の気持ちを出した言葉だったので、そういう風にみなさんの心に"引っかかって"くれたのがうれしかったんです。違和感があったのがよかった。なので、印象に残っています。
――登場人物がみなそれぞれ重いものを背負っている『アマゾンズ』ですが、中でも仁さんの置かれた境遇は、並の人間なら序盤でくじけておかしくなってしまうんじゃないかと思えるほどでしたね。まさに"死ぬほど辛い""死ぬより辛い"宿命を自分に課して戦い続ける仁さんですが、谷口さんが演じていて一番辛かったのは、どんなシーンでしょうか。
シーズン2で、七羽さん(演:東亜優)の目の前で変身したときですね。あれは本当に嫌だった。あの回の台本をもらったときに、いや、嘘だろうと。まさか絶対にないよね、やめてよ、って思ったのを覚えています。読んだときは、もう絶望ですよ。息子と嫁さんにこんな形で向き合わなければならない仮面ライダーの話って、どんなんだよって……(遠い目)。
――谷口さんにとって、仁がアマゾンアルファに「変身」してアマゾンを"狩る"際に、どんなことを念頭に置いていましたか?
心がけていたのは、仁という男はアマゾンを狩ることが生活の一部になっているので、変身に対して何か特別な思いとか、感情を盛り込まないようにしていたことですね。本当は、すごく悲しい行為であるし、自分の体も酷使しているし、体自体もいつまでもつかわからない。しかも狩りの対象は、"本当はかわいい存在"である自分の作り出した実験対象=アマゾンたち。仮面ライダーに変身して、すごく強い力で悪い奴をやっつけるという、いわゆる"カッコいい"ことと真逆であるのが「鷹山仁」だと思います。だから変身についても、決してカッコつけることなく、サラリとやるのが一番なんですね。アマゾンズドライバーのグリップを作動させ「アマゾン」と静かにつぶやいて変身する、そのどこかに"悲しさ"が備わっているんです。
――購入されたファンのみなさんに「CSMアマゾンズドライバー」をどのように楽しんでもらいたいと思われますか?
それは鷹山仁/アマゾンアルファとして、ですよね。仁としては、ベルトで生卵を割ったりとか(笑)、常に雑な使い方しかしていませんでしたから、カッコいい使い方はすべて藤田富演じる水澤悠/アマゾンオメガにお任せという感じでした。シーズン2では、オメガはネオアマゾンズドライバーを使ったりしましたけれど、僕だけずっと古いベルトのままだったでしょう。他の平成仮面ライダーなんて、回を重ねるごとにどんどん派手になっていきますけれど、アルファはベルト1つでフォームチェンジもなく、武器すら持たない。そういえば専用バイクにも乗っていない。まあ、そういう意味でシンプルな、ごくごく正統派の仮面ライダーという意味で演じてきました。改めて思いますけれど、仁を演じることができて僕自身めちゃめちゃ楽しかったですし、作品をご覧になった方も、アマゾンアルファのそういったシンプルなところに惹きつけられてくれたのかな、と思っています。「CSMアマゾンズドライバー」には僕の音声だけでなく、富(悠/アマゾンオメガ)の声や朝日奈(寛:前原淳/アマゾンシグマ役)の声、BGMも入っているそうなので、僕も手に入ったらいろいろとギミックを楽しんでみたいと思います。
『仮面ライダーアマゾンズ』より、劇中に登場する「仮面ライダーアマゾンオメガ」「仮面ライダーアマゾンアルファ」「仮面ライダーアマゾンシグマ」の3人への変身遊びが楽しめる「CSMアマゾンズドライバー」(27,500円/税込)は、プレミアムバンダイで2019年7月16日11時から受注開始。商品の発送は2019年12月を予定している。
(C)石森プロ・東映
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