新元号「令和」が発表され、あと少しで平成が終わろうとしている今。音楽好きたちの関心もやはり“平成ソング”に向いているようだ。

音楽サブスクリプションサービス「Spotify」で現在、国内一番人気のプレイリストは「平成ポップヒストリー」。

その名の通り、平成のJ-POPヒット曲を集めたプレイリストである。誰もが一度は耳にしたことがあるだろう楽曲がずらりと並んでおり、思わず時間を忘れて聴き入ってしまうプレイリストとなっている。

※また、現在このプレイリストはアップデートされ、使用するユーザーの再生している曲やジャンルに合わせ、プレイリストの中身が変わっていく仕組みとなっているので、それぞれの好みに合った平成曲を楽しめるはずだ。

そんな平成ポップヒストリーを聴いているうちに、あらためて平成ソングを振り返ってみたくなった。とはいえ、平成は30年以上もあるわけだから、世代によっても思い入れのある楽曲は異なるだろう。

そこで今回は、20代前半、20代後半、30代前半、30代後半の4名に参加していただき、「平成ポップヒストリー」プレイリストを聴きながら、各世代が思う平成ソングについて語り合うことにした。

むろん、“世代”とひとくくりにするのは無理があるわけだが、それを踏まえた上でおおらかな気持ちで楽しんでいただければ幸いである。ちなみに筆者は30代後半代表として参加している。

  • 左から、30代後半:山田井、30代前半:大谷さん(仮名)、20代後半:米川さん(仮名)、20代前半:小林さん(仮名)だ。※なお、30代前半の大谷さんは、マイナビ編集部代表として参加してもらいました!

インデックス

【80~90年台前半】“MD”でプレイリストを作成していました

ということで、今回は20代前半から30代後半までの4名に集まってもらいました。年齢でいうと約20歳近くの開きがあるわけですね。


僕は音楽の趣味がだいぶ偏っているんですが、30代前半を代表しちゃっていいんですかね?


まぁ音楽の趣味なんて、誰しも多少は偏っているもんですから! ……じゃあさっそくプレイリストをザーッと見ていきながら話していきましょうか。

「平成ポップヒストリー」で一番古い曲はプリンセス・プリンセスの「DIAMONDS」で、1989年4月の発売ですね。平成になってまもなくです。僕もまだ子どもだったので耳にはしていたけど、がっつりハマって聴いてたってわけではなかったかな。

※プリンセス・プリンセスの「DIAMONDS」を [聴いてみる]

僕は正直、あまり覚えがないんですよね……。20代の2人はどうですか?

すみません、知らないです……。


私もわからないです。


まぁ、そうですよね。このあたりは40代の方がドンピシャかもしれません。僕の世代はやっぱり青春を過ごした90年代が黄金期だと思います。90年代といえば何といっても小室哲哉!


あっ、知ってます。名前だけですが……小室ファミリーですよね!


僕も知ってはいるんですが、よく聴いていたのはH Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」くらいでしたね。父親がレゲエやドラムンベースが好きだったこともあって、「WOW WAR TONIGHT」は家でよくかかってたんです。

※H Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT」を[聴いてみる]

小室ファミリーは本当にすごかったですよね。出す曲がぜんぶミリオンって感じで。平成ポップヒストリーには入っているかわからないですが、globeの「DEPATURES」とか篠原涼子の「恋しさと 切なさと 心強さと」とかは、ぜひ20代の2人にも聴いてみてほしい!

あとは90年代といえばやっぱりビーイング系のアーティストですよね。DEENや大黒摩季、T-BOLAN、B'z、ZARDなんかが有名です。当時はMDっていう録音用のメディアが流行っていて、それに好きな音楽を入れて今でいうプレイリストを作っていましたね。

※globeの「DEPATURES」を[聴いてみる]
篠原涼子の「恋しさと 切なさと 心強さと」を[聴いてみる]


MD知ってますよ! 自宅にUSENが流れていたので、それをMDに録音して聴いてました。

自宅にUSEN!? めちゃくちゃ音楽一家じゃないですか!


私もMD使ってました。iPodが出たのがたしか中学生くらいの頃だったんですが、それまでは家にMDコンポがあったので使っていました。


よかった! MDはまだ通じるんだ!


僕もMDに好きな曲を入れてましたね~。「彼女が家に来たらかける曲」という妄想で友人とMDを作っていました(笑)。

  • 大谷さん「……実は今日、持ってきているんです!」

なんですかそれ! めちゃくちゃ聴きたい!


そのMDは洋楽オンリーだったんですよ。歌詞の意味を彼女に知られるのが恥ずかしいって思って……。


でも、わかります。僕は今も「来客用」っていうプレイリストを作って、誰かが家に来たらそれを流しますもん。結局、やってることは当時と何も変わってない。


わざわざ来客用にプレイリストをつくるってことは、普段はお客さんに聞かせられない曲を……?


それは企業秘密ということで!(笑)

【90年台後半~2000年台】“歌詞画像”を待ち受けにしていました

僕は90年代前半はよく知らないんですが、90年代後半くらいからはがっつり音楽を聴いてました。特にヒップホップにハマってましたね。


ヒップホップ!


なんといってもRIP SLYME、それからDragon Ashでした。降谷建志はファッションリーダー的存在でもあって、すごく影響を受けましたね。


たしかにDragon Ashは僕も大学の頃よく聴いてました!

20代の2人はそもそも生まれたのが90年代だから、物心ついたときにはもう21世紀ですよね?


私は90年代前半生まれなので、たしかに音楽をちゃんと聞き始めたのはもう2001年以降でしたね。小学生の頃好きだったのはORANGE RANGEの「花」とか。森山直太朗の「さくら(独唱)」は小学校の卒業式で歌った思い出があります。


小学生!? 「さくら(独唱)」なんてつい最近の曲だと思ってた。


調べたら2003年ですからね。もう15年以上経ってます。


他によく聴いていたのは?


思い出せる限り、挙げていっていいですか? ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」とか、BUMP OF CHICKENの「天体観測」とか好きでした。
あと少し前かもですが、Mr.Childrenの「Innocent world」や椎名林檎の「丸の内サディスティック」は学生の頃、よく聴いていましたね。懐かしいです!

懐かしい! やっぱりだいたい2000年代前半~中盤くらいですね。


Mr.Childrenや椎名林檎の曲のリリースは1990年台ですが、僕もMr.Childrenはよく聴いてましたね。「innocent world」もそうですし、「youthful days」とかも。
そのあたりまでは僕も新曲をチェックしてたから、どれもわかりますね。2010年代になってからめっきり新曲を聴かなくなってしまったけど。


私は初めてアルバムを買ったこともあって、いきものがかりが好きでしたね。「ありがとう」とか「コイスルオトメ」とか。あとは絢香の「三日月」はCMソングにもなっていたので、周りのみんなが聴いていた覚えがあります。それと、合唱コンクールでGReeeeNの「キセキ」を歌いましたね! 当時、GReeeeNのロゴを机に彫るのが流行ってて、先生によく怒られてました(笑)。


そんなカルチャーが……。


男女の違いもあると思いますけど、2005年くらいは歌詞画像を待ち受けにするのも流行ってましたよ。


あー! あったね!

歌詞画像?


歌詞画像?


好きな歌詞のフレーズと写真なんかを組み合わせた画像を携帯の待受画面に設定しておくんですよ。


へえーーー! それは初めて知りました……。


完全に異文化ですね。


今日初めて大きな世代間の断絶を感じましたよ。

【全世代が愛する】宇多田ヒカルの衝撃はすごかったです

そういえば、2人から宇多田ヒカルの名前が出てきませんでしたけど、もちろん知ってはいますよね?

もちろんですよ。


宇多田ヒカルの衝撃はすごかったなあ。「すごいのが出てきた!」って。個人的に平成の歌姫っていうと、宇多田ヒカル、浜崎あゆみ、安室奈美恵が3TOPだと思っています。他にもすごいアーティストはたくさんいるんだけど、歌姫という称号はやっぱりこの3人がふさわしいかなと。


僕も世代的には宇多田ヒカルがど真ん中ですね。でも20代の2人はどうなんでしょう。


宇多田ヒカルは好きですよ。でも私が音楽を聴くようになったころにはもうトップアーティストだったので、「すごい人が出てきた」っていう感覚はよくわからないです。


私も同じ感覚ですね。

そっか……宇多田ヒカルの初期イメージの違いに世代間ギャップがあるんだ……。


逆にMr.Childrenみたいに、昔からずっと活躍しているアーティストはそんなにギャップがなさそうですね。


たしかにそうですね。時代によって多少楽曲のイメージは違うかもしれませんけど。僕は先程いったとおり、やっぱりMr.Childrenというと「Innocent World」とか「youthful days」とか、あの辺りがパッと浮かびますけど……。


私が思い出深いのは「Innocent World」と2007年の「フェイク」ですね。

私は2007年の「しるし」や2008年の「HANABI」です!


ドラマの主題歌にもなりましたしね。同じミュージシャンでもそれぞれの青春時代で流れていた曲が出てきますね!

【私たちの音楽】音楽の楽しみ方の幅が広がった30年間でした


ここまで皆さんに色々と語っていただきましたが、改めて皆さんの平成ホップヒストリーのプレイリストから、特に印象の強い曲を教えてもらえますか? ちなみに僕はMr.Childrenはさっきいったので……GLAYの「誘惑」と「HOWEVER」、globeの「DEPARTURES」、スピッツの「チェリー」ですね。


僕はMISIAの「つつみ込むように・・・」、鈴木雅之&菊池桃子の「渋谷で5時」、スチャダラパーの「サマージャム'95」です。


私はMr.Childrenの「Innocent World」、木村カエラの「リルラリルハ」、秦基博の「鱗」。あとは比較的最近かもですが……backnumberの「高嶺の花子さん」ですね!


私はGReeeenの「キセキ」、福山雅治の「桜坂」、絢香の「三日月」です。やっぱりドラマやCM曲って、無意識に印象に残っていますね(笑)


こうして見ると同じプレイリストでも、その人が聴いている曲によって、表示されている項目が全然違っていて面白いですね。普段聴いている曲のジャンルがなんとなく見えてきます!

さて、話は尽きませんが、そろそろ最後の質問です。皆さんにとって音楽とは何でしょうか。


気分転換だったりテンションを上げたいときだったり、そのときの気持ちに合わせて聴くことで高揚させてくれるものですね。


私にとっては人に触れられたくないパーソナルなものです。音楽を聴いている時間は自分だけものなので、大事にしていきたいです。


なくてはならない空気のようなものです。その音楽を生み出しているアーティストにとって、音楽がどういう存在なのかも知りたいですし、アーティストの方が何を好きなのかというのも結構気になって、色々掘るのが好きなんですよね。

なので、人の作ったプレイリストをチェックすると、その人にとって音ががどういうものなのかが見えてくるのも楽しいですね。

***

世代は違っても、皆さん音楽について熱い思いを持っていることがわかった今回の座談会。平成という時代は、音楽の楽しみ方の幅が広がった30年間でもあった。

  • ※平成ホップヒストリーのプレイリストのインデックス画像が現在の画像と異なります

今はSpotifyのようなサブスクリプションサービスが充実しているおかげで、こうして昔の音楽を楽しむことも気軽にできる。この機にぜひ皆さんも「平成ポップヒストリー」でもう一度青春時代を振り返ってみては。


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