ここ数年におけるブームのひとつに、男の友情があると思う。少し記憶を懐古してほしい。2010年に南アフリカで開催されたサッカー大会が盛り上がった要因は、好成績はもちろんだが、長谷部誠キャプテン率いる日本代表チーム内で男の友情が垣間見えたことも大きい。選手のブログではその仲良しぶりが次々に披露されて、芸能人以上のイケメンぶりがフィーチャーされた内田篤人選手がいて……。

ほぼ同じ頃、嵐が結成10周年を迎えていた。彼らの魅力といえば、やはり仲の良さ。そして、見ているこちらがほっこりするような、わちゃわちゃ感。ひと昔前までは、「アイドルグループはメンバー同士が切磋琢磨することがヒットのカギ」と言われていたけれど、その法則をあっさり覆した。

その背景には、「若者の友達作りが下手になっている」という理由もあるのではないか。SNSなどの普及によって、人間同士の関係性も多様化した。「どうやって友達を作ればいいのかわからない」そんな人たちが増えているという。でも憧れはある。そんな気持ちを投影したものが、先述のサッカー日本代表や嵐だったりするのだろう。

そんな華やかな男の友情のそばで、とても仲良しのおっさん5人グループがいる。演劇ユニット「TEAM NACS」である。20年以上、地元の北海道に基盤を置くスタンス。平均年齢43歳のおっさんたちがなぜ、地味に長く愛され続けるのか、ちょっと考えてみたくなった。

  • 「TEAM NACS」フルキャストが出演する連続ドラマ『スープカレー』 ※画像クリックで詳細へ

「東京は出稼ぎ感覚?」と思わせる地元偏愛ぶり

森崎博之さん、安田顕さん、戸次重幸さん、大泉洋さん、音尾琢真さん。大学生の頃に出会った5人が、「TEAM NACS」として本格的に活動を始めたのは1998年。そして、1,000人キャパの劇場で芝居をしていたこともある彼らが、名前を知られるきっかけになったのは『水曜どうでしょう』(北海道テレビ・1996年〜2002年)の存在が大きい。

  • 『水曜どうでしょうClassic 激闘!西表島』には、金髪姿の安田顕が出演 ※画像クリックで詳細へ

まだおっさんではなかった彼らが、「低予算、低姿勢、低カロリー」をテーマにゆるーく地元を巡るバラエティ番組だ。放送終了後、「TEAM NACS」の人気上昇とともに話題となって、DVDがバカ売れ。番組ロゴのステッカーを貼っている自動車をよく見かけた。

最近はバスに乗ったり、中年男子が街で買い食いしたり、散歩をする番組が増えた。低予算な割に楽しそうに見えるし、親近感が湧くゆるいテンションの番組はもう定番。でもそのパイオニアは『水曜どうでしょう』だ。このおっさんたち、実はトレンドを読む力がものすごく長けているのかもしれない。

「何かを表現する=演者」という立場は今もなんら変わらない5人だけれど、絶対的な地元愛だけはひしひしと感じる。森崎さんにいたっては、人気が全国区になった今も北海道在住と聞く。

  • 森崎がレギュラー出演した『不便な便利屋』には、他メンバーもゲスト出演。こちらもオール北海道ロケという徹底ぶり ※画像クリックで詳細へ

冒頭で男の友情がブームだと伝えたけれど、そこにプラスしたいのが地元愛。ここ数年、日本では自然災害による有事が増えた。そんなときにも一番の心の支えになったのは、家族はもちろん、地方ならではのコミュニティの強さもあったという。

そして、その友情も地元愛もある「TEAM NACS」。北海道で育った、欲のなさそうな仲良しの男たちが、地元を愛してやまない。その様子は、おっさんだけど愛おしい。

  • 5人が出演するドラマ『スープカレー』も、主な舞台は北海道・札幌 ※画像クリックで詳細へ

“おっさん同士のリスペクト”はつい推したくなる

「TEAM NACS」が北海道から羽ばたいて活躍した一因に、俳優・大泉洋さんの活躍は欠かせない。“中学生のときに突然変異した”という天然くるくるパーマヘアと、芸人も舌を巻くバラエティ番組での面白さで着々とスター街道を歩いた。彼がいい大人になってからも「パパ、ママ」と呼んでいる、という自爆ネタは、今でも思い出し笑いが止まらない。

  • 『赤鼻のセンセイ』の中では、ときたま『水曜どうでしょう』の言葉が使われることも ※画像クリックで詳細へ

  • 渋い大泉洋が観られる『探偵はBARにいる』

  • 『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』

  • 『探偵はBARにいる3』※画像クリックで詳細へ

大泉さんの立ち位置は、アイドルでいう“不動のセンター”だろう。男同士だとはいえ、グループ内で妬みやっかみが存在しないわけがない――。

が、だ。「TEAM NACS」には、そういう冷たい雰囲気がまったく感じられない。それはやはり“北海道”という理由に帰結するのではないかと思う。30年近く“芝居”という共通テーマを掲げた中二病の5人が、解散もなく継続することができたのは、大きくて広い土地に抱かれて育った寛容さがあるからだと信じたい。もっと言うならメンバーは大泉さんをリスペクトしているとも。

なんだか熱く書いてしまったけれど、実は私も静岡県のど田舎出身。たまたま仕事上の理由で東京に住んでいるけれど、郷土愛は当たり前のごとく持っている。そんな考えがあるからか、地元愛を全面に押し出している「TEAM NACS」は気になる存在なのだ。

そんな彼らを見たいときにおすすめしたいのが、映像配信サービスの「ビデオマーケット」だ。現在も、数年に1回のペースで舞台公演を行っている5人。人気者になっただけに、チケットは争奪戦かもしれない。しかし、「ビデオマーケット」であればいつでもどこでも「TEAM NACS」。ついでに『水曜どうでしょう』もチェックできるので、おっさんたちのゆる楽しさをぜひ。

▼「TEAM NACS」メンバー別作品はこちら

▼「TEAM NACS」出演 おすすめ作品

『スープカレー』 「TEAM NACS」全員が出演する、"アラフォー男"5人の物語。

  • 『スープカレー』 ※画像クリックで詳細へ

  • 『スープカレー』 ※画像クリックで詳細へ

『おにぎりあたためますか』 大泉洋、戸次重幸が出演する、15年以上続く食べ歩き番組。森崎博之も不定期で出演。

  • 『おにぎりあたためますか 原点回帰・札幌の旅』 ※画像クリックで詳細へ

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