酷暑も過ぎ、涼しい風が心地よいこの季節。しかし、まだまだ寝苦しさを感じている人もいるのでは? そこで今回は、ホラーのなかでも人間同士によって巻き起こされる“恐怖“作品をピックアップ。「人間って怖い!」と感じるポイントとともに紹介しよう。

『復讐の未亡人』

  • 『復讐の未亡人』(C)黒澤R/双葉社

とあるIT企業に彗星のごとく現れた派遣のエンジニア・鈴木密は、優秀な仕事ぶりと物腰の柔らかさ、そしてその美貌によって、同僚や社長から圧倒的な信頼を得る。しかし、彼女には真の目的があった。それは、夫を自殺に追い込んだ者たちに“復讐”すること。巧妙に張り巡らされた“復讐”という名の罠によって、同僚たちは漠然とした恐怖へと落とし込まれていく。

  • ターゲットに対し、最もダメージの大きい“復讐”を行う密
    『復讐の未亡人』(C)黒澤R/双葉社

▼「人間って怖い!」POINT
自らの美貌と冴え渡る頭脳を武器に、亡き夫の復讐を図る密。目的を果たすためならば手段を選ばない彼女の、真っ直ぐかつ狂気的な姿から目が離せない。作中には官能的なシーンも。

  • 『復讐の未亡人』(C)黒澤R/双葉社

『彩子 黒』『彩子 白』

  • 『彩子 黒』(C)本田真吾/秋田書店

  • 『彩子 白』(C)本田真吾/秋田書店

どんな相談にも“最高”の答えをくれるアプリ「SAiKO」は、恋や勉強に悩む女子高生の間で大流行。しかし、その裏では「SAiKO」を使った者たちが、次々と変死を遂げていた。「SAiKO」にまつわる呪いやその正体に迫る『彩子 黒』、「SAiKO」誕生のきっかけとなるエピソードをつづった『彩子 白』の2冊合わせて読んでいただきたい。

  • 可愛らしい外見とは裏腹に、人々を死に追い込むアプリ「SAiKO」
    『彩子 黒』(C)本田真吾/秋田書店

  • 女子高生たちに悲劇的な死の恐怖が襲いかかる……
    『彩子 黒』(C)本田真吾/秋田書店

▼「人間って怖い!」POINT
『彩子 白』では、「SAiKO」が流行する1年前の様子が描かれる。愛する彼氏とともに、誰よりも真面目に暮らしていた女子高生・斎賀彩子だが、人間が持つ“闇”の部分によって凄惨な結末を迎えることに。

  • 明るい笑顔の彩子だったが……
    『彩子 白』(C)本田真吾/秋田書店

『ギフト±』

  • 『ギフト±』(C)ナガテユカ/日本文芸社

女子高生・鈴原環は一般的な学校生活を送りながら、とある“仕事“を果たしている。それは、更生の余地がない犯罪者の臓器を摘出し、臓器を求めている人に対して「命の再分配」を行うこと。対象となる犯罪者たちを「クジラ」と称し、あくまで純粋な気持ちで”解体“を行う環と、彼女を巡る人々の思惑が交差する。

  • 『ギフト±』(C)ナガテユカ/日本文芸社

  • 人間を“解体”しながらも、真っ直ぐさを失わない環
    『ギフト±』(C)ナガテユカ/日本文芸社

▼「人間って怖い!」POINT
臓器売買が飛び交う裏の世界を舞台に、臓器を調達する者、購入する者、ビジネスを行う者など、様々な人間の動向がシリアスに描かれている。それに相反するように、“解体”を行いながらも純粋さを失わない環の姿には、思わず感情移入してしまうだろう。

  • 『ギフト±』(C)ナガテユカ/日本文芸社

『血の轍』

  • 『血の轍』(C)押見修造/小学館

『惡の華』『ぼくは麻理のなか』など数々の話題作を生み出してきた鬼才・押見修造による、「毒親」をテーマにした作品。中学2年生の長部静一は、母親・静子から過剰な愛を注がれながらも、平凡な毎日を過ごしていた。しかし、ある夏の日の山登りを境に、家族の日常は一変する。

  • 過保護と称されるほど静一との距離が近い母・静子
    『血の轍』(C)押見修造/小学館

  • いとこ・しげるの家族とともに出かけた山登りで、事件は起こる
    『血の轍』(C)押見修造/小学館

▼「人間って怖い!」POINT
過干渉ではあるものの、常に笑顔を絶やさない母・静子だったが、ある事件をきっかけに本性が浮き彫りとなる。そんな母の異常性を垣間見ながらも、拒絶することができない静一。その葛藤や恐怖心が、読み手にも痛いほど伝わってくる。

  • 『血の轍』(C)押見修造/小学館

『火傷少女』

  • 『火傷少女』(C)里見有 貫徹/双葉社

左目に眼帯をつけながらも、明るい性格で周囲からも人気のある女子高生・シイナ。自殺志願者だった少年・カナメは、ある日シイナの落としたノートを拾ったことで、彼女と急接近することに。「最高の自殺」をするべく他の動物たちを殺しながら生活するシイナに、カナメは段々と惹かれていくが……。

  • シイナの「思想ノート」は、死への欲求で埋め尽くされている
    『火傷少女』(C)里見有 貫徹/双葉社

  • 純粋かつ歪んだ世界で生きるシイナに、カナメは惹かれていく
    『火傷少女』(C)里見有 貫徹/双葉社

▼「人間って怖い!」POINT
はじめはシイナを見守る立場だったカナメだが、彼女の狂気に触れることで徐々に覚醒。その様子が、彼らの出会いの“重さ”を物語っている。

  • 『火傷少女』(C)里見有 貫徹/双葉社

『異常者の愛』

  • 『異常者の愛』(C)千田大輔/講談社

高校2年生の男子・一ノ瀬一弥(かずみ)は、6年前に起こった凄惨な事件がトラウマとなり、恋愛をできずに過ごしていた。それは、一弥のことを猟奇的なまでに愛している三堂三姫(みき)によって、好きな相手を殺されたこと。トラウマを受け止めてくれる相手・四谷四乃(しの)と出会ったことで、一弥は一歩先に踏み出そうとする。しかし、再び三姫の魔の手が迫り……。

  • 6年の月日が経過しても、三姫の狂気はとどまることを知らない
    『異常者の愛』(C)千田大輔/講談社

▼「人間って怖い!」POINT
一弥への愛ゆえに、他の女性を人間とも思っていないような残虐な方法で地獄へと陥れる三姫の姿。屈託のない彼女の笑顔から、その異常さが表れている。

  • 『異常者の愛』(C)千田大輔/講談社

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人間同士によって起こるヒューマンホラーは、決して他人事ではない!? 今回紹介した5作品を通して、あなたも自分自身を振り返ってみては?

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