生活スタイルの多様化により、葬儀に対する考え方も多様化している。しかし、自分の時にはこうしたいと思っていても、葬儀を執り行うのは残された遺族。生きているうちに準備をしておけば、いざという時に家族も困らないだろう。死を身近に感じつつある年代である40~60代男性3人に自身の葬儀に対する思い、不安、疑問などを語ってもらい、「家族葬のファミーユ」を運営する葬祭サービス企業、エポック・ジャパンの1級葬祭ディレクターである政田礼美さんにアドバイスしてもらった。

撮影:伊藤圭

座談会出席者
Mさん(写真左):40代男性、独身。都内に一人暮らし。両親は健在
Kさん(写真中):50代男性、既婚。両親は他界。埼玉在住。父方は仏教、母方はクリスチャンで、自身もクリスチャン
Tさん(写真右):60代男性、既婚。2人の子どもは既に成人し独立。両親は他界。千葉在住。自宅とは別に千葉県内に実家があり、濃い親戚づきあいがある

政田礼美(まさだ・あやみ)
株式会社エポック・ジャパン社員。厚生労働省認定1級葬祭ディレクター。官庁職員から冠婚葬祭業界に転身したというユニークな経歴を持つ。これまでに1,500件以上の葬儀にまつわる相談事に対応してきた。





大々的な葬儀はコリゴリ

――最初に、これまでのお葬式の経験と、自身のお葬式に対する考えを聞かせてください。

Tさん:私は15~16年前に両親を相次いで亡くし、喪主を経験しています。お葬式は千葉の実家で執り行いました。地方のお葬式なので町内会や親戚が全面的にバックアップしてくれ、大々的なお葬式をあげることができました。その縁あって、いまだに地域の葬式には呼ばれたら出るようにしています。

Kさん:23~24年前に父親を亡くした時は福島の実家で葬儀を行い、町内会が協力してくれましたが、結局は喪主の私が全部動かねばならず、当時20代だった自分は右も左も分からずてんやわんや。こんなに大変なものならば、自宅での葬儀は二度としないと誓いました。今年母が亡くなりましたが、クリスチャンなので教会で家族だけの小さな葬儀を執り行いました。

Mさん:両親が健在なため祖父母のお葬式に参列したぐらいで、私自身が積極的に関与した経験はありません。なので、あまりお葬式の大変さを実感していません。

――身近な人のお葬式に直面したときに、自分が亡くなるときのことを想像しましたか。

Tさん:60代中盤を超えたので死は身近に感じつつあります。父親が76歳で亡くなっているのですが、私はそこまでは生きられないかなと、じわじわと考えているところ。既に実家を離れて50年近く経っているので、自分が亡くなった時には、あまり葬儀にお金をかけず、人も大勢呼ばなくてもいいと思っています。残された家族に迷惑をかけたくはないですから。ただ、過去に参列者が少ない葬儀も経験していますので、そのような寂しいものではなく、賑やかな葬儀にしてほしいという矛盾した気持ちも持っています。

Kさん:父を送った時の経験で、忙しさに振り回される葬儀はもうコリゴリ。自分の時は家族だけで静かに送ってほしいと考えています。ただ、私も矛盾する気持ちを抱えています。というのも、つい先月、大学時代の親しい友人が亡くなったのですが、その連絡がきたのは葬儀後でした。友人は、家族だけで送ってほしいと遺言を残していたそうです。私としては、友人のお葬式に行きたかった。私自身のときにも、そう考えてくれる友人・知人がいるかもしれないと思うと、もう少し枠を広げた葬儀もいいのかなとも思います。

Mさん:自分が死ぬことをまだ実感できていませんが、父母が亡くなった時に私が喪主になるのならば、小じんまりしたお葬式にしたいですね。ただ、私の一存で決めることではないので、家族みんなの意向、父が亡くなったら母の意向を汲んだ形になると思います。

家族だけのお別れの時間を必ず持つ

――皆さん、大々的な葬儀は好まず、家族を中心とした小規模な式を望んでいるのですね。ここからは、「家族葬のファミーユ」の政田礼美さんに、お葬式に対する不安な点や疑問点にお答えいただきながら、皆さんのニーズに合ったお葬式とは何かを探っていきたいと思います。

Mさん:家族葬というと、家族と親密な親戚だけが参列する10人程度の規模のことを言うのですか?

政田さん:一般的には、ご遺族プラス親族で参列者20~30人までの規模を家族葬と呼びます。私どもでも、ご遺体の安置場所から直接火葬場に出棺する宗教行事なしの直葬のほか、ご遺族お一人のお葬式から、100人以上の大々的な一般葬、社葬までのプランをご用意しています。家族葬に関しては、ご遺族・親族だけでなく、故人のごく親しい友人や仕事関係者もお呼びし、50人くらいの規模で執り行うプランもあります。ただ当社は、100人以上の葬儀であっても、家族だけでゆっくりお別れできる時間を必ず作ります。広義の意味でそれも「家族葬」だと考えているからです。お葬式は慌ただしいものですが、大切な方の旅立ちに対して、ご家族の思いを噛みしめる時間を大事にしたい。そのためにも、お打ち合わせは入念に行います。

Tさん:参列者20人程度の少人数の家族葬は寂しいお葬式になってしまうことも心配です。その時に何か演出はあればと思うのですが。

政田さん:ご遺族やご友人から故人の写真や動画をいただき、祭壇にスクリーンを置いて、バックに故人の好きだった音楽を流しながら映すプランも用意しています。ご友人などの弔問客に色紙を渡して故人の思い出を書いてもらってご家族にお渡しして 、弔問客に故人の思い出を語ってもらう動画を撮影して49日の時に流すというサプライズを行ったこともあります 。

Mさん:会社や趣味友達しか知らない故人のことを家族が知ることができて良いですね。そういうメニューがあることを知ると、家族・親族だけでなく、ごく親しい友人・知人も含めた家族葬も良いかなと思います。そのほうが、家族も故人への思いをより強くすることができますね。

葬儀以外にかかる費用とは

Kさん:一番不安なのは料金ですね。お寺さんへのお布施を含め、地方ごとの相場が分かりません。いつその時が来るかも分からないので、家族のためにもちゃんと用意しておきたい。

政田さん:葬祭場代や火葬代など地域よって料金が変わってきます。東京は全体的に高いのですが、それでも100万円あれば、参列者20人規模の家族葬が執り行えます。この中には、式場代、祭壇、お料理、香典返し、火葬代、ご紹介するお寺さんにかかる料金も含まれています。これをベースに、ご自身で用意できる資金と、参列者による香典収入を計算して最終的にプラン設計をしてもらえればよいと思います。

Kさん:すぐにお金を用意できない場合もあると思うのですが。

政田さん:提携ローンがありますので、お墓の建立と合わせて検討していただくことも可能です。私どもでは、葬儀だけでなく、49日やお盆、一周忌といった法要への対応のほか、埋葬に関しても、一般的なお墓だけでなく納骨堂、樹木葬、海洋散骨などにも対応しています。告別式で全てが終わる わけではないので、その後のことも考えてお葬式にいくらかけるかを考えましょうとご提案しています。

家族や葬儀社に事前の相談を

Tさん:インターネットがこれだけ発達していると、相見積もりを取る人もいるのではないでしょうか。

政田さん:今はほとんどの方がインターネットを使って相見積もりを取ります。しかし、金額だけしか判断材料がなく、一番低価格な葬儀社を選んだ結果、後悔される方も多くいます。時間に余裕がなく仕方がないのですが、トラブルを避けるためにも、元気なうちに下調べをして葬儀社に相談をしたほうが良いでしょう。

Kさん:自分が希望する葬儀の規模を想像し、必要な金額を調べて今から準備していたほうが家族に迷惑をかけずにすみますね。葬儀社に事前に相談していたことを家族に分かるようにするには、どうすればよいですか。

政田さん:葬儀社の担当者の名刺や資料の保管場所を分かるようしておくだけでもよいと思います。事前に準備しておけば、その時が来てもご家族は慌てることなく、ゆっくりとお別れをする時間を持つことができるでしょう。

親戚や地域とのつながりが希薄化したことで、近年、小規模な家族葬を執り行うケースが増えている。一昔前は「立派なお葬式をあげるのが残された者の務め」という考え方があったが、最近では故人の遺志や残された家族の意志を重視する傾向にある。自分はどう送ってほしいのか、今のうちから家族と話し合い、事前に下調べしておけば、いざという時に家族も困らずにすみそうだ。

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