個社の取り組み

村山: 次に、貴社としての取り組みについてお聞かせください。貴社は日本を代表するメガバンクグループのコンシューマーファイナンス部門を担う会社の一つでいらっしゃいますが、現在、どのような課題があり、それにどのように取り組んでいらっしゃいますか。

中西: セディナは、クレジットカード事業、信販事業、ソリューション事業という三つの事業を柱に、複合的な決済ソリューションを提供する会社として2009年4月の設立以来活動領域を広げてきました。日常的な支払い手段としてのクレジットカードを中心としたカード事業、高額な商品・サービス購入時の支払い手段としての分割払いを中心とした個別クレジットの信販事業、反復継続的な支払いのための集金代行やファクタリングなどのソリューション事業、これら3つの事業における多様な商品やサービスを活用し、フルレンジの支払い手段を提供している国内唯一の会社であります。

しかし、このように多彩な支払い手段を提供できるにもかかわらず、効果的な事業融合提案を打ち出すことが出来ず、お客さまのニーズに的確に、スピーディにお応えできていないのではないか? と感じることがありました。そこで、目まぐるしく変わる経営環境の変化に対応するためにも、各事業間の連携を一層強化する必要を感じ、発足以来初となる、大規模な組織改定を4月に実施しました。

従来の商品を軸とした事業別の営業体制を見直し、お客さまを基軸とした機能別の営業組織としました。「ホールセール部門」では、3つの事業間の連携を深め、提携先や加盟店のニーズに対応し、総合的な決済ビジネスプランをワンストップで提供できる体制を一層強化しました。「リテール部門」ではこれまで以上にお客さまの声をダイレクトに商品サービスに反映出来る体制を整えました。

この組織改定以前から事業間連携を進めてきた結果、例えば、信販事業で取引のある、ネットを主体に展開している旅行会社において、反復利用の個人顧客向けのカード発行のニーズをとらえ、提携カードの発行に至ったというケースもあり、その成果が徐々に現れ始めています。組織改定後はその内容をより深化させ、スピードアップを図って参ります。

一方、カード業界の大きな流れである、与信が不要なカードの拡大に関しては、昨年、国内最大の店舗数を誇るコーヒーショップと提携し、非接触ICチップを採用したハウスプリペイドカードを発行しました。あらかじめチャージした金額の範囲で飲食や商品の購入ができ、利用のたびにポイントが付与され、また、一定金額以上のチャージでその金額の一定率のポイントが貯まるカードです。利便性が高いため、順調に発行枚数を増やしております。

また、学費ローンをはじめとした個別クレジットにおいては、申込者の利便性向上と個人情報の保護の観点から、Webでの申込みを積極的にすすめております。また、Webが苦手な方に向けて、従来のペンによる記入と同じように申込書に書くだけで、電子データとして送信・保管される「デジタルペン・エコ」のサービスも提供しております。

村山: ホームページを拝見しましたが、貴社ではCSRの基本方針を定め、さまざまな活動を行っていらっしゃいます。まずは、最近の動きを教えてください。

中西: 当社は、環境問題を重要な経営課題の一つと認識し、「グループ環境方針」に基づいて地球環境の保全と企業活動の調和に取り組んでいます。今年1月には環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得しました。

当社では、「環境負荷軽減の推進」と「環境ビジネス」を環境配慮行動の柱として、ISO14001に基づいて、部署ごとに環境目標を設定し、PDCAサイクルに沿って計画的に取り組んでいます。今後は、ISO14001認証を維持していくために、環境活動と事業活動と結び付けた無駄のない運用を目指して継続的な改善に努めていきます。