2007年12月1日~2008年11月30日のBooksベストセラー年間ランキング単行本フィクション部門(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 流星の絆(講談社) 東野圭吾
2位 犬と私の10の約束(文藝春秋) 川口 晴
3位 陰日向に咲く(幻冬舎) 劇団ひとり
4位 のぼうの城(小学館) 和田竜
5位 L change the WorLd(集英社) M
6位 ゴールデンスランバー(新潮社) 伊坂幸太郎
7位 聖女の救済(文藝春秋) 東野圭吾
8位 食堂かたつむり(ポプラ社) 小川 糸
9位 私の男(文藝春秋) 桜庭一樹
10位 ガリレオの苦悩(文藝春秋) 東野圭吾

ベストセラー年間ランキング単行本フィクション部門では、東野圭吾がトップテンに3タイトルもランク入りさせた。年間1位に輝いた『流星の絆』は、約1年にわたって週刊誌に連載されたミステリー小説。14年前に両親を惨殺され、詐欺師として生き延びていた三兄弟が最後のターゲットに選んだレストラン御曹司の父親は両親の仇だった。だが、仇討ちのために御曹司に接近した三兄弟の妹は次第に彼に引かれていく……というストーリー。3月に初めて総合ランキングにトップテン入りし、一旦ランキング圏外に下がったがテレビドラマ化に伴って9月からランキングも再浮上している。

7位『聖女の救済』および10位『ガリレオの苦悩』も「ガリレオ」のタイトルでテレビドラマ化された探偵モノのシリーズ本。天才的な物理学者が一見不可解な事件の真相を科学的に解明するというストーリーで、ドラマの注目度が高まるにつれて原作に興味を持つ人が増えたようだ。

『のぼうの城』(和田竜)も今年注目を集めた作品。石田三成の「忍城攻め」の史実をもとにした時代小説で、守り手がわずかな手勢で10倍近い2万の兵を相手に一歩も引かず、三成の軍勢を撃退する様が痛快に描かれている。テンポのよさと登場人物「キャラ立ち」が読者に親しみやすさを与え、活劇のような感覚で読めると評判。著者は本作を含めてまだ2作しか小説を発表しておらず、今後の作品にも期待が集まる。⇒単行本ノンフィクション他部門