9月29日に放送された『イッテQ!』の予告映像は3本あった。

手越の復活はトップでピックアップされた一方、「ロッチ中岡のQtube 世界一暑い国 ジブチへ」と「温泉同好会in韓国 済州島でキャンプ部 始動」は提供クレジット表示中に少し紹介されたのみ。制作サイドが2つの人気企画より、手越の復帰を目玉として考えている様子がうかがえる。

ただそれでも「MCの内村も祭り企画へ久々に参加する」という手越起用へのリスクヘッジをしているところは、いかにも日テレらしい抜け目なさを感じさせられる。いずれにしても、これだけのお膳立てをされて迎えられた以上、手越は最大限のパフォーマンスを見せるのではないか。

あらためて手越自身の現状に目を向けると、退所直後のような動画配信再生数を得ることはできず揶揄されがちだが、それでも「4年半で新たに得たネット上のファンを『イッテQ!』に連れてきてほしい」という集客面での期待感はあるはずだ。

仮にそれが期待外れに終わったとしても、テレビタレントとしての価値は別の話。たびたび企画のマンネリや出演者の高齢化が叫ばれ、いまだ上位ではあるものの以前ほどの視聴率が得られなくなっていることから、『イッテQ!』の活性化が求められているのは間違いないだろう。

実際、今春に新メンバー発掘プロジェクトが放送され、今秋からその7人を起用した『おためしイッテQ!』が日曜午前に放送されることからも、それがうかがえる。

オファーがないのは「失格」の証しに

一方、手越に求められるのは、同番組における過去と変わらない姿を見せること。

今回の復帰が報じられたとき最も目立っていたのは、「手越は好きじゃないけど、『イッテQ!』の手越は面白い」というニュアンスのコメントだった。「4年半の蓄積を見せる。鬱憤を晴らす」と力むのではなく、「あのころと同じ姿」を見せることが、「おかえり」という歓迎ムードにつながる気がしてならない。

旧ジャニーズ事務所を退所した他のタレントにとっても、そんな手越の復帰を注視するだろう。旧ジャニーズ事務所が消滅したことで、前述したように「それなりの実績や実力があって、ある程度の結果が期待できて、本人がその気であれば呼んでもらえる」という状況に変わったのは確かだ。

逆にオファーがないのは、「テレビタレントとしての価値がない、結果が期待できない」とみなされたことになる。そんなシビアな現実の中、手越はどんな姿を見せ、どんな反響を得るのか。本人のみならず「やっぱり旧ジャニーズ勢は力がある」と思わせられるのか。

他の退所タレントたちにとっての試金石にもなりそうだ。