4日、TBSが『水曜日のダウンタウン』の収録中にトム・ブラウンの布川ひろきが左足人差し指を骨折する全治1カ月のケガを負ったことを発表。3日午後に行われた“タッグ相撲”を行った際に土俵上で倒れ、骨折していたことが分かったという。

TBSは「スポーツトレーナーを配置するなど、安全性に細心の注意を払っていた」ことを明かしつつも謝罪。同企画の放送について「検討中」とし、布川は支障のない範囲で今後の仕事を行っていくという。

これまでは番組収録中のケガが発表されると内容に多少の差こそあれ、必ずと言っていいほど批判の声があがってきたが、今回はそれがほとんどなかった。

同番組は2月28日に放送された「パネラーの説検証SP」でも、係争中で他番組が控えがちな松本人志の映像を繰り返し映して「松ちゃん」がX(Twitter)のトレンド入り。しかも批判の意見はほとんどなく、むしろ歓迎の声があがっていた。

テレビ番組がネット炎上のターゲットにされがちな中、なぜ『水曜日のダウンタウン』には批判的な声が少ないのか。テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。

  • トム・ブラウン

    トム・ブラウン

クレーマーが炎上化をあきらめる

もちろん単純に「『水曜日のダウンタウン』が面白いから」という点は大きいが、それでもネット上には何らかのミスをしたら徹底的に攻撃するクレーマーのような人が少なくない。

実際、同番組は、茨城県水戸市にはヤンキーが多く治安が悪いとイメージさせてしまったり、ドッキリのために路上で拉致したところを警察に通報されたり、クロちゃんを見せ物にする企画で警察が出動する騒ぎになったりなど、これまでネット上で批判にさらされる機会が何度もあった。

しかし、それでも同番組の生命線である“攻めた企画”がブレることはなく、TBSもそんな制作姿勢を尊重。批判の声があがると、ほぼ同時に擁護の声もあがるようになり、最近では批判があがる前に擁護の声で埋め尽くされるほどになっている。

今回も布川の骨折をネットメディアが一斉に報じると、すぐに擁護の声が次々にアップ。「水曜日だからボツにはせずに上手いこと放送してくれますよね?テスト無しに高所から飛び込むとか、そうしたあからさまに無謀な企画ではないですからね相撲は」「騒ぐほどの事かよ。本人が納得してるならそれでいーだろ。身体張ってナンボの商売。周りがとやかく言うことじゃないだろ」など擁護の声が相次ぎ、「共感した」が「うーん」の数を大きく上回っていた。

逆に「TBSでの事故は目立つなあ、ちゃんと安全管理できているのか?」などの批判は少ない上に「うーん」を押す人がほとんどを占めている。

制作陣のブレない姿勢に加えて、5度にわたる「ギャラクシー賞 月間賞」の受賞、「TVerアワード バラエティ大賞」の3年連続受賞と史上初の累計1億再生突破など、有無を言わせぬ結果を得たことも含め、もはやクレーマーもよほどのことがない限り、炎上をあきらめるような番組になっているのだろう。